日本発、動画生成AI「NoLang(ノーラン)」を提供する株式会社Mavericks(本社:東京都文京区、代表者:代表取締役社長 奥野 将太)は、この度、スライド生成機能に医療業界向けのサンプルスライドを新たに追加しました。診療ガイドラインPDFやクリニカルパス、手技マニュアルなどの既存資料を投入するだけで、図解付きの説明スライドやナレーション付き動画を自動生成。患者説明・検査案内から新人看護師研修、ウェビナー登壇、待合室サイネージまで5つの活用シーンに対応しており、医師の長時間労働や看護師不足が深刻化するなかで、インフォームドコンセントの質を維持しながら資料作成にかかる負担の軽減に貢献します。
医師の長時間労働と看護師不足が深刻化。資料作成が医療現場を逼迫させる
病院・クリニックでは、患者への検査・手術・治療の説明、新人看護師研修、ウェビナー登壇など、医療従事者が「伝える・理解してもらう」ための資料作成業務が日常的に発生します。インフォームドコンセントの重要性が高まる一方、医師・看護師の時間は診療業務で大きく圧迫されており、限られた時間のなかで説明資料の質を維持することが現場の課題となっています。
こうした資料作成の負担は、他の職種への業務移管(タスクシフト)が進むほど大きなものとなっています。厚生労働省の調査では、患者・家族への説明文書の代行作成を業務範囲に含む医師事務作業補助者の外来配置率が87.9%に達しており1、説明資料作成が医師の手を離れるべき業務として強く意識されていることがうかがえます。診療科ごと・患者ごとにカスタマイズが求められる点も、資料作成の負担をさらに押し上げる要因です。
こうした負担を吸収すべき医療従事者のリソースは、年々厳しさを増しています。厚生労働省の調査によると、勤務医の1週間あたりの実勤務時間は平均61.3時間に達しています2。2024年4月から施行された「医師の働き方改革」により時間外労働の上限が原則年960時間に規制されましたが、病院常勤勤務医の約4割が依然として年960時間を超える長時間労働に従事している実態が報告されています3。看護師についても、日本看護協会の調査では2023年度の正規雇用看護職員の離職率は11.8%にのぼり、2025年には最大約27万人の看護師不足が見込まれています4。限られた人員と時間のなかで診療・病棟業務を遂行しながら、患者説明や新人研修の資料作成までこなすのは現実的ではなく、現場では「伝えたいが資料を整える時間がない」という状況が続いています。
NoLangではこの課題に対応するため、スライド生成機能に医療業界向けのサンプルスライドを新たに追加しました。
ガイドラインや手順書からスライドと動画を一括生成。医療向けに新搭載
NoLangのスライド生成機能は、テキストやPDFなどの素材をもとに、図表・グラフ・見出し付きのスライドを自動生成し、さらにそのままナレーション付き動画として出力できる機能です。スライドの作成から動画化までを一つのサービス上で完結できる点が特長であり、従来であれば資料作成ツールと動画制作ツールを別々に用意し、それぞれの操作を習得する必要があった工程を一気通貫で実現します。診療ガイドラインPDF、クリニカルパス(診療計画書)、検査手順書、手技マニュアル、既存の説明資料PPTなど、医療現場に蓄積された既存資料をそのまま素材として投入できるため、これらを活かしながら患者説明資料・研修コンテンツ・院内プレゼン・ウェビナー登壇資料へと展開していくことが可能です。
今回、このスライド生成機能に医療業界に特化したサンプルスライドを新たに追加しました。サンプルスライドをテンプレートとして選択することで、用途に合ったデザイン・構成のスライドをすぐに作成開始できます。たとえば、外来でのインフォームドコンセントに使う患者説明資料を作成したい場合、該当するサンプルスライドを選び、診療ガイドラインPDFや既存のPPT資料をアップロードするだけで、イラスト・図解付きで整理された説明スライドが自動生成され、そのまま診察室での説明資料や患者家族向け動画として活用できます。専門的なデザインスキルがなくても、医療現場で求められる高品質な説明資料・研修コンテンツを制作することが可能です。
患者説明から新人研修・ウェビナーまで対応する5つのサンプルスライド
今回追加した医療業界向けサンプルスライドの中から、代表的な5つの活用例を紹介します。いずれも、病院・クリニックで頻繁に発生する患者説明・研修・院内展開のニーズに対応しています。
1つ目は「診療科別の入退院説明・検査案内スライド」です。入院患者・外来患者を対象に、内視鏡・CT等の検査手順や入退院の流れを診療科ごとに整理したスライドを生成できるサンプルです。全診療科分の説明資料を整備したいものの、制作リソースが限られており、診療科ごとの個別対応に追いつかないという課題に対応しています。既存PPT資料やクリニカルパスPDF、検査手順書を素材として投入するだけで、診療科ごとに整理された説明スライドを効率的に量産でき、全診療科への説明資料整備をスピーディに進めることが可能です。
2つ目は「患者説明スライド(検査・手術・治療の流れ)」です。患者・患者家族を対象に、検査手順・手術の流れ・治療計画をイラスト・図解で説明するスライドを生成できるサンプルです。インフォームドコンセントの場で使う説明資料を作りたいものの、医師がスライドや動画作成に時間を割けず口頭説明に頼らざるを得ないという課題に対応しています。診療ガイドラインPDFや添付文書PDFを素材として投入するだけで、図解付きの患者向け説明スライドを短時間で作成でき、医師の負担を抑えながらインフォームドコンセントの質を向上させることが可能です。
3つ目は「ウェビナー・セミナー登壇スライド」です。セミナー参加者(医療従事者・介護関係者)を対象に、最新の医療・介護トピックを解説するスライドを生成できるサンプルです。学会や定期ウェビナーで使う登壇スライドを継続的に作成したいものの、診療業務と並行して質の高い資料を準備するのが難しいという課題に対応しています。公的文書・ガイドラインPDFなどを素材として投入するだけで、登壇向けのスライドを効率的に作成でき、継続的なウェビナー・学会発表の準備にかかる工数を大幅に削減することが可能です。
4つ目は「新人向け研修スライド(注射手技等)」です。新人看護師・医療スタッフを対象に、注射手技や医療機器操作の手順をまとめた研修スライドを生成できるサンプルです。4月の新人研修時期に大量の研修資料が必要になりますが、教育担当看護師の通常業務と並行した制作では量産が追いつかないという課題に対応しています。研修テキストや手技マニュアルPDFを素材として投入するだけで、手順ごとの図解付き研修スライドを効率的に作成でき、新人研修時期の資料制作負担を大幅に軽減することが可能です。
5つ目は「待合室サイネージ用スライド」です。来院患者を対象に、待ち時間に流す診察の流れ・注意事項のスライドを生成できるサンプルです。待合室で流すコンテンツを継続的に更新したいものの、院内に専任のデザイン担当者がいないため作成・更新が止まりがちであるという課題に対応しています。院内マニュアルや検査手順書を素材として投入するだけで、待合室サイネージ用のスライドを継続的に更新でき、専任担当者がいなくても患者の待ち時間を活用した情報提供を安定的に行えるようになります。
今後の展望
NoLangは引き続き、医療現場における患者説明・新人研修・院内展開・ウェビナー登壇などの資料作成にかかる負担の軽減を通じて、医師・看護師の時間確保とインフォームドコンセントの質向上に貢献するための機能強化を進めてまいります。また、今後も医療現場の声を反映し、診療科別・業務別のサンプルスライドを順次拡充していく予定です。
脚注
-
厚生労働省「病院勤務医負担軽減策(地域医療体制確保加算届出病院調査)」(医師事務作業補助者の配置実態に関する調査 ↩
-
厚生労働省「医師の勤務実態及び働き方の意向等に関する調査」(全国の勤務医対象 ↩
-
厚生労働省「医師の働き方改革 時間外労働の上限規制について」(2024年4月施行 ↩
-
日本看護協会「2024年 病院看護実態調査 報告書」(全国の病院看護部門対象 ↩