動画生成AI「NoLang」を提供する株式会社Mavericks(本社:東京都文京区、代表者:代表取締役社長 奥野 将太)は、NoLang APIに動画の言語変換機能を追加しました。最大34言語に対応し、1本の動画から複数の言語版をまとめて生成する一括処理も可能です。海外向けコンテンツを運用する企業は、言語ごとに繰り返していた変換操作をプログラムによる一括処理に置き換えることで、担当者の作業負担を軽減し、動画の公開や更新にかかる時間を短縮できます。商品情報や研修内容を更新した際も、各言語版を迅速に再生成できるため、多言語コンテンツの制作・運用コストを抑えながら、海外市場への展開スピードを高められます。
海外展開を阻む、多言語動画の高い制作コスト
海外の消費者に向けた日本発のデジタル販路は、拡大が続いています。経済産業省の「令和6年度電子商取引に関する市場調査」によると、中国消費者による日本事業者からの越境EC購入額は2兆6,372億円で前年比8.5%の増加1。米国消費者による購入額も3兆1,397億円(前年比6.0%増)と伸びました。商品説明も利用ガイドもサポートコンテンツも、現地の言葉で届けることが取引の前提になりつつあります。
その多言語化に投じられるコストは、世界規模で見ても小さくありません。Nimdzi Insightsの「The 2025 Nimdzi 100」は、翻訳・ローカライズを含む言語サービスの世界市場を2024年に717億米ドルと算出しました。2025年には757億米ドル(前年比5.6%増)へ拡大する見通しです2。個々の案件に目を移すと、日本翻訳連盟(JTF)が公表する加盟企業の料金の目安では、日英翻訳の相場は和文1文字あたり20〜30円3。動画の場合は、ここにナレーション収録・字幕の焼き込み・再編集の工程が言語の数だけ加わります。
つまり、1本の動画を10言語に展開するなら、翻訳・収録・編集の一連の工程が10回必要です。NoLangはこの工程をAIで代替する言語変換機能を提供してきましたが、管理画面で1本ずつ変換する運用では、対象動画が数十本、展開先が数カ国語と増えるほど手作業のボタン操作が積み重なります。コンテンツを更新すれば、また同じ作業のやり直し。この「多言語展開の反復作業」をプログラムで自動化する手段として、Mavericks社はNoLang APIに動画の言語変換機能を追加しました。
既存の動画を、ナレーションと字幕ごと別の言語へ自動変換
NoLangのWebアプリには、動画の視聴画面にある変換ボタンから、生成済み動画を別の言語へワンクリックで変換する機能がもともと備わっています。今回のアップデートでは、この言語変換をNoLang APIから実行できるようにしました。担当者が画面上でボタンを押す代わりに、プログラムから同じ処理を呼び出せるようになった、というのがポイントです。
変換したい動画と、変換後の言語を指定すると、既存の動画をもとにした新しい動画が裏側で自動的に作られ、ナレーションと字幕は指定した言語に置き換わります。変換元の動画には手が入りません。日本語のマスター動画を保持したまま、英語版・中国語版といった派生版を積み上げる運用が組めます。

変換元に指定できるのは、API経由で生成した動画だけではありません。自分が所有・閲覧できる動画であれば、Webアプリ上で作成した動画も対象です。これまで画面上で1本ずつ操作していた多言語展開を、プログラムによる一括処理や、自社システムからの呼び出しに置き換えられます。なお、同じ仕組みは言語のほか、動画のアスペクト比(縦横比)の変換にも対応しています。
詳細なAPIの利用方法についてはこちら1本の日本語動画から34言語へ、プログラムで一括生成
開発者向けドキュメントに掲載した変換先の言語は、日本語・英語・中国語(簡体字)・中国語(繁体字)・韓国語・スペイン語・フランス語・ドイツ語・イタリア語・ポルトガル語・ロシア語・ヒンディー語・ベンガル語・インドネシア語・タイ語・ベトナム語・タガログ語・マレー語・ミャンマー語・ネパール語・モンゴル語・トルコ語・スウェーデン語・デンマーク語・フィンランド語・ポーランド語・チェコ語・スロバキア語・オランダ語・ルーマニア語・クロアチア語・ブルガリア語・ウクライナ語・ギリシャ語の合わせて34言語に及びます。
1本のソース動画があれば、この34言語すべてへの変換をまとめてプログラムに指示できます。指定できる言語の一覧をもとにプログラムを組めば、34言語版を一括で生成する処理を、ごく簡単なプログラムで実装可能です。日本語で制作した教材・製品説明・マニュアル動画を、34言語すべてに夜間の自動処理で一括展開する。担当者が変換ボタンを言語の数だけ押していた作業は、プログラムの1回の実行に置き換わります。
多言語動画への変換が1分あたり約250円、翻訳外注の約1/36〜1/54の費用に
この言語変換の料金は、変換元動画の長さに応じたクレジット消費です(1クレジット=2.5円、前払いチャージ制)。APIドキュメントの「料金」ページに掲載した料金表では、約30秒〜2分の動画で100クレジット(250円)、約3分で200クレジット(500円)を消費します。以降は約4分で300クレジット(750円)、約5分で400クレジット(1,000円)、約6分で500クレジット(1,250円)です。1分あたりに換算すると、おおむね250円という水準になります。
日本語ナレーションの標準的な読み上げペース(1分あたり約450字)で試算すると、日英翻訳の外注相場(和文1文字あたり20〜30円、3だけで1分あたり9,000円〜13,500円かかる計算です。ここにナレーション収録や字幕焼き込みの費用が別途加わることを踏まえると、NoLang APIでの変換はその約1/36〜1/54の費用で完了する計算になります。
教育・越境EC・社内マニュアルなど、幅広い分野で多言語動画を効率的に展開
NoLang APIの言語変換機能は、教育・研修、越境EC、製品サポート、社内ナレッジの共有など、多言語での動画発信が必要となるさまざまな場面で活用できます。
教育・研修分野では、日本語で制作した講義・研修動画を、海外拠点の従業員や留学生が利用する言語へ自動的に展開できます。受講者が使用する言語が増えた場合も、変換先のリストに追加するだけで対応できるため、新しい海外拠点の開設や留学生の受け入れのたびに、翻訳会社へ発注し直す手間を抑えられます。
越境EC・製品サポートの分野では、商品説明動画や使い方ガイドを、展開先の市場に合わせた言語へまとめて変換・配信できます。商品ページの改訂やセールの実施に合わせて、各市場向けの動画を一括で更新できるため、多言語コンテンツの制作によってスケジュールが圧迫されることを防げます。
社内ナレッジの共有では、業務マニュアル動画を外国人従業員の母語に合わせて用意できます。マニュアルを更新した際も、各言語版を簡単なプログラムでまとめて再生成できるため、言語ごとの修正や再編集に追われることなく、最新の情報を社内へ迅速に届けられます。
今後の展望
Mavericks社は今後も、NoLang APIの機能拡充を進め、動画の生成だけでなく、変換・更新・運用までを一貫して自動化できる環境の実現を目指します。企業の業務システムとの連携を強化し、より効率的な動画活用を支援してまいります。
脚注
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経済産業省「令和6年度電子商取引に関する市場調査」(2025年8月26日公表。中国・米国消費者による日本からの越境EC購入額 ↩
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Nimdzi Insights「The 2025 Nimdzi 100」(言語サービス世界市場は2024年に717億米ドル、2025年に757億米ドル・前年比5.6%増と推計 ↩