研修動画とは?種類・効果・費用相場と事例|AI内製/外注の選び方

この記事の要点

  1. 研修動画は6つの種類に分かれ、カメラでの撮影が要るかどうかで、費用の桁も着手のしやすさも大きく変わる
  2. 動画化の効果が出やすいのは繰り返し教えている定型研修。実技や議論が学びの核になる研修は対面と使い分ける
  3. 制作費用は1本あたり10分の動画を基準にすると、撮影が不要な研修動画は数万円台から、撮影を伴う場合は外注で数十万〜数百万円規模
  4. 作り方はAIで内製するか外注するかの2択で考え、改訂頻度・本数・撮影の要否から研修ごとに選び分ける
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研修動画を導入するかどうかは、「どの研修を動画に任せるか」を決めるところから始まります。全社の研修をまとめて置き換えようとするのではなく、毎年ほぼ同じ内容を教え直しているテーマから順に動画化していくのが現実的だからです。

検討を始めた担当者がつまずくのは、たいてい次の3点です。自社の研修をどの種類の動画にすればよいか決まらない、社内で説明できる費用感を持てない、そして公開した後に誰がどの頻度で直すのかが決まっていない——この3つが宙に浮いていると、企画が一歩も前に進みません。

この記事では、研修の動画化が広がっている背景と効果、6つの種類と選び方、NoLang(ノーラン)で実際に制作した事例6本、作る流れと費用の目安、AIで作るか外注するかの選び分け、公開後の効果測定と改訂運用までを、導入を判断する順番に沿って整理します。読み終えたときに、最初の1本をどのテーマでどう作るかまで決められる構成にしています。

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研修動画とは?動画研修が広がる背景

研修動画とは、受講者が時間や場所を選ばずに同じ内容を学べるように、研修の内容をあらかじめ映像にしたものです。会場と日時に人を集める集合研修と違い、配信された映像を各自の都合で視聴します。なお、映像そのものを研修動画、動画を使って研修を実施する進め方を動画研修と呼び分けることもありますが、指している中身は同じため、本記事では区別せずに扱います。

対象は新入社員教育からコンプライアンス、商品知識、業務システムの操作まで幅広く、一度作れば人数や開催回数の制限なく同じ研修に使い回せること、受講者が自分のタイミングで視聴できることが集合研修にはない持ち味です。

なぜ今、研修の動画化が進んでいるのか

まず、法人が学習コンテンツに払うお金は増えています。矢野経済研究所「eラーニング市場に関する調査(2025年)」によると、2024年度の国内eラーニング市場規模は3,812億円で、うち法人向け(BtoB)は1,232億円・前年度比7.8%増でした。個人向けが微減であるのに対し、法人側が市場を押し上げている形です。

企業側の実施状況も裏づけがあります。産業能率大学総合研究所「通信教育およびeラーニングの活用実態調査」(2025年2月公表、有効回答179)では、eラーニング(動画教材を含むオンライン学習)を導入している企業は75.4%でした。これは動画研修だけを取り出した数字ではありませんが、集合研修以外の手段が特別扱いではなくなっている、という状況は読み取れます。

一方で、研修そのものを実施できているかどうかには規模の差があります。労働政策研究・研修機構(JILPT)の調査シリーズNo.257「人材育成と能力開発の現状と課題に関する調査(企業調査)」によると、OFF-JT(通常業務を離れて行う教育訓練)を実施した企業は全体で31.6%、従業員9人以下では16.2%、300人以上では76.1%です。

ここから先は調査結果ではなく編集部の見方ですが、講師も会場も確保しにくい規模の組織にとって、一度作れば人数に関係なく同じ内容を配れる研修動画は、この差を埋めるための選択肢になり得ます。

研修を動画にすると、何が変わる?

研修を動画にすると、教える内容のばらつき・開催日の調整・翌年の作り直しという、運用側の3つの手間が大きく変わります。

集合研修・研修動画・併用の違い
比べる点集合研修研修動画両方を併用する場合
内容の均一さ講師や開催回によって説明の濃淡が出る全員が同じ映像を視聴する知識部分を動画で揃え、対面は補足に絞る
日程の調整受講者と講師の予定を合わせる必要がある各自が空いた時間に視聴する動画を事前学習にして、集まる回数を減らす
内容の作り直し開催のたびに準備と実施を繰り返す変わった箇所だけ直して配り直す定番テーマは動画に固定し、時事的な話題は対面で扱う
質問への対応その場で講師が答えられる質問の受け口を別に用意する動画で予習し、対面を質疑と演習にあてる

受講者の側にも、分からなかった箇所を繰り返し見直せる、自分のペースで受講を進めて完了までたどり着きやすいといった学習面のメリットがあります。

反対に、動画にしても減らない手間や、新たに発生する負担もあります。デメリットとして、次の2点は企画の段階で見込んでおきます。

  • 最初の1本に手間が集中する:資料の整理、話す内容の用意、公開前の確認が一度にのしかかります。最初から全研修を対象にせず、1テーマに絞って始めるのが無理のない入り方です。
  • 更新を止めると教材が逆効果になる:古い法令や旧仕様のまま配り続ければ、誤った知識を全社に広めることになります。誰がいつ見直すのかを、公開前に決めておく必要があります。

自社の研修は動画化に向いている?

年に何度も同じ説明を繰り返している研修ほど動画化の効果が大きく、体の動かし方や受講者どうしのやり取りが学びの核になる研修は、対面の時間を残す前提で設計します。

向いているのは、内容が年単位でしか変わらない定型知識、入社や異動のたびに何度も実施するテーマ、拠点や職種をまたいで同じ説明が必要なテーマです。コンプライアンス、情報セキュリティ、商品知識、社内システムの操作あたりが典型例です。

逆に、工具の握り方や力の入れ具合のように体で覚える内容、受講者どうしの意見交換から学びが生まれるワークショップ、話し手の存在そのものが説得力になる場面は、映像だけで完結させにくい領域です。ただし、これらも全部を対面に置いておく必要はありません。たとえば製造現場の実技であれば、工具の名称・禁止事項・作業の全体像は先に動画で配り、現場では手つきの確認とフィードバックに時間を使う、という分け方ができます。

決めるべきは「動画にするか、対面のままか」の二択ではなく、その研修のどの部分までを動画に置き換えるかという配分です。

マーベリック君

どこまで動画に置き換えるか決まったら、次はどの種類で作るかだね。6種類を早見表で見てみよう!

研修動画の種類 — 6分類と選び方

研修動画6種類の早見表

研修動画は、作り方の違いから6つの種類に整理できます。6種類を分ける最大の分岐点は、カメラで何かを撮る必要があるかどうかです。撮影の要否によって、着手のしやすさも、後述する費用の桁も変わります。

研修動画6種類の早見表
種類向く研修テーマ撮影の要否本記事の事例
① スライド資料型コンプライアンス、商品知識、社内制度など知識を伝えるテーマ不要生成AIリテラシー研修生成AIのビジネス活用研修
② 講師登壇型専門分野の講義、経営層からのメッセージ必要(アバター講師で代替する例あり)情報セキュリティ研修アンコンシャス・バイアス研修
③ 実演撮影型機械の操作、医療・介護の手技、現場の安全教育必要
④ 画面録画型業務システムや社内ツールの操作手順画面の録画が必要社内ツールの操作研修
⑤ ロールプレイ型接客、商談、ハラスメント対応など対人の判断必要(会話形式の台本から生成する例あり)採用業務の個人情報コンプライアンス研修
⑥ アニメーション型業務フロー、企業理念など図で示したい概念不要

※表中のアバター講師とは、実在の講師をカメラで撮る代わりに、実在の人物が話しているように見せたAIアバターが原稿を読み上げて解説する形式を指します。

自社の研修はどの種類にあたる?

どの種類が合うかは、その研修で受講者に届けたいものが「知識・動作・判断」のどれかを決めると絞り込めます。

  • 知識を伝えたい:制度・法令・商品情報のように覚えてもらう内容が主役なら①スライド資料型、言葉だけでは伝わりにくい構造を図で見せたいなら⑥アニメーション型です。
  • 動作を見せたい:手順そのものが教材になる場合で、現場での作業なら③実演撮影型、画面の中で完結する操作なら④画面録画型です。
  • 判断を学ばせたい:正解が一つに定まらない対人場面なら⑤ロールプレイ型、話し手の説得力が学習効果を左右するテーマなら②講師登壇型です。

種類ごとの制作工程、必要な機材やソフト、収録のコツは、作り方を主題にした記事にまとめています。

研修動画の事例 — NoLangで制作した6本

以下は、動画生成AIサービス「NoLang」で制作した研修動画です。大半は研修資料や台本をもとに生成したもので、カメラでの撮影は行っていません。加えて、撮影済みの映像に字幕や解説を足す使い方の例(社内ツールの操作研修)も含めています。

研修資料や台本がそろっていれば、コンプライアンスや情報セキュリティ、ツール操作といった知識系の研修は、撮影なしで動画教材にできます。自社の研修が本当に映像に置き換えられるのか、テーマの感触をつかむ材料としてご覧ください。

生成AIリテラシー研修

  • 活用シーン:AI利用を始める前に開く全社向けの説明会
  • 対象者:これから生成AIを使い始める非エンジニア部門・新入社員

「生成AIとは何か」という前提から、業務で使えること、入力してはいけない情報までを、初めて触れる人の目線でひと通り押さえています。全社の底上げを1本で済ませたいときの入口教材として使えます。

生成AIのビジネス活用研修

  • 活用シーン:部門ごとに繰り返している短時間のAI活用勉強会
  • 対象者:業務での生成AI利用を始める全社員

生成AIの種類、業務で使う利点、使うときの注意点を、スライド中心の構成で短くまとめています。朝礼や部会の冒頭に流せる長さに収めたい場合に向く構成です。

情報セキュリティ研修

  • 活用シーン:入社時のセキュリティ講習、年次の情報管理研修
  • 対象者:全社員(中途入社を含む)

アバター講師が正面から語りかける形式で、情報セキュリティの3要素(機密性・完全性・可用性)を平易に説明しています。講師を手配して撮影する形式を、撮影なしで組み立てた例です。

アンコンシャス・バイアス研修

  • 活用シーン:管理職向けの評価者研修、ダイバーシティ研修
  • 対象者:評価や配置の判断を担う管理職

無意識の思い込みが評価や判断にどう影響するかを、講師役のキャラクターが具体例を挙げながら解説しています。人数の少ない管理職層に日程を合わせて集まってもらう手間を省ける題材です。

採用業務の個人情報コンプライアンス研修

  • 活用シーン:人事・採用部門向けのコンプライアンス研修、ケーススタディ演習
  • 対象者:応募者情報を扱う採用担当者とその管理者

先輩マネージャーと後輩の人事担当者の会話仕立てで、採用業務における個人情報の扱いと過去に起きた事例をたどります。演者を立てて撮る形式を、会話形式の台本から組み立てた例です。

社内ツールの操作研修

  • 活用シーン:ツール導入時の操作説明会、問い合わせ対応の個別レクチャー
  • 対象者:業務システムや社内ツールを新しく使い始める担当者

実際の操作画面を録画した映像に字幕と解説を重ね、設定変更の手順を順に追える構成にしています。ここではNoLangの字幕設定画面を題材にしていますが、社内システムの画面でも作り方は変わりません。撮影済みの映像に字幕を付ける使い方にあたり、UIが変わったときは該当箇所を録り直して差し替えます。

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研修動画の作り方と費用の目安

研修動画はどんな流れで作る?

6種類のどれを選んでも、研修動画づくりは次の6つの工程で進みます。変わるのは各工程の中身であって、順番ではありません。

  • 目的と対象を決める:誰に何ができるようになってほしいかを1文で書き出します。
  • 種類を選ぶ:前章の6分類から、テーマに合う型を1つ決めます。
  • 資料と台本を用意する:見せる画面と、読み上げる言葉をそろえます。
  • 収録または生成する:撮る・録る・生成するのいずれかで映像にします。
  • 内容を確認する:数字や固有名詞を中心に、公開前に通しで見ます。
  • 配信して改訂する:視聴できる場所に置き、古くなった箇所を直します。

全体像がつかめたら、次は工程の中身です。工程ごとの具体的な操作、そろえる機材、公開前の確認項目は研修動画の作り方6ステップにまとめています。

撮影の要否で費用はどれだけ違う?

1本あたり10分の研修動画に換算して比べると、金額の差はほぼ「撮影が入るかどうか」で決まります。狙う品質、機材や人員をどこまで自前でまかなうかによって上下するため、幅のある目安として読んでください。

研修動画の制作費用の目安
撮影の要否で見た区分内製外注
撮影が不要な研修動画(①スライド資料型・④画面録画型)1万〜10万円5万〜50万円
撮影を伴う研修動画(②講師登壇型・③実演撮影型・⑤ロールプレイ型)10万〜50万円10万〜500万円
撮影は不要だが作画工数が費用を決める研修動画(⑥アニメーション型)20万〜50万円50万〜200万円

撮影が要らない研修動画なら、社内の人件費の範囲で試作までたどり着けます。撮影が入ると、機材・出演者・現場の調整が加わり、外注では上限が一気に伸びます。種類ごとの内訳と、制作にかかる期間の目安は作り方の記事に一覧があります。

この金額を社内で説明するときは、年間の研修予算の隣に置くと話が通りやすくなります。産労総合研究所「2025年度(第49回)教育研修費用の実態調査」(集計159社)によると、2024年度実績の従業員1人あたり教育研修費用は36,036円でした。研修費全体のうち、どのテーマにいくら配分し直すかという議論の土台になる数字です。

マーベリック君

同じ10分の動画でも、撮るか撮らないかでこんなに違うんだね。じゃあ誰が作るのがいいの?次で決めよう!

AIで内製する?外注する?自社の条件から選ぶ

研修動画の作り方は、AIを使って自社で作るか、制作会社に外注するかの2通りで考えるのが現実的です。知識を伝える定型的な研修であれば、ここまでの事例のとおり、AIでも実用に足る品質の教材を作れるようになっています。そのうえでAIには、元の資料を差し替えるだけで作り直せるため、毎年の改訂に費用と手間が積み上がりにくいという強みもあります。

研修の条件から選ぶ早見表

自社の研修が抱えている条件にあてはめていくと、手段はかなり絞り込めます。

研修の条件から選ぶ制作手段
自社の条件向いている手段理由
毎年、法改正や制度変更で改訂が入るAIで内製元になる資料を差し替えて作り直せるため、改訂のたびの費用と待ち時間を抑えられる
年に何本もテーマを作る必要があるAIで内製1本あたりの制作時間が短く、本数が増えても運用が破綻しにくい
実技や現場の様子を撮る必要がある外注、または自社撮影+AIで仕上げ現場の実映像そのものが教材になるため撮影は必ず発生するが、撮影後に字幕や解説を足す工程はAIで済ませられる
海外拠点向けに多言語で配りたいAIで内製出力する言語を選んで作れるため、言語ごとの追加手配が要らない
社外にも公開する、見た目の完成度が成果を左右する外注演者・ロケ地・演出まで設計でき、映像表現の幅が広い
自社システムの画面を見せる必要があるAIで内製社内でしか用意できない環境やテストデータを扱うため外部に出しにくく、画面録画に解説を足す工程はAIで完結できる

自社で作る場合、使う道具は大きく3つのカテゴリに分かれます。スライドに音声を吹き込んで書き出すスライド録画、操作している画面をそのまま記録する画面録画ツール、そして資料や台本から映像を組み立てる動画生成AIです。どれを使うかは前章で決めた種類でほぼ決まります。カテゴリごとの具体的なツールの選び方は研修動画の作り方6ステップで紹介しています。

AIでの内製が向くのはどんな研修?

AIでの内製が力を発揮するのは、伝える内容が文章と図で完結し、しかも毎年配り直すタイプの研修です。具体的には、コンプライアンス、情報セキュリティ、商品知識、社内ツールの操作といった定型情報のテーマがあてはまります。

これらは共通して、既に研修用のスライドや手順書が社内にあり、内容の更新は文章の差し替えで済み、対象者が多いという性質を持ちます。本記事の事例でいえば生成AIリテラシー研修情報セキュリティ研修がこの範囲です。

外注が向くのはどんな研修?

映像の完成度が学習成果に直結する教材は外注が最短です。撮影が必要というだけであれば、制作全体を外注するとは限りません。

外注が向くのは、社外にも公開する教材、周年や理念浸透のように演出そのものがメッセージになる映像、そして複数の演者とロケが必要なシナリオです。構成・演出・撮影・編集を一貫して設計できるのは制作会社の強みで、ここは予算をかける価値がはっきりしている領域です。改訂のたびに再発注が必要になる点も込みで、寿命の長い教材に向いています。

一方、実技や現場の作業手順は、実際に動いている映像そのものが教材になるため撮影が発生しますが、撮影した映像をそのまま使う必要はありません。撮影は自社で行うか撮影だけを依頼するかを選び、撮った映像に字幕や解説を足して教材に仕上げる工程はAIで内製できます(事例の社内ツールの操作研修がこの形です)。機密性の高い題材や社内システムの画面のように外部の人が立ち入りにくい題材ほど、素材の用意から社内で完結できるこの組み合わせが現実的です。

AIでの内製を選んだ場合、運用はどう変わる?

NoLangを使う場合、研修動画づくりの何が変わるのかを、運用の観点で3点に絞って整理します。

  • 手持ちの研修資料がそのまま素材になる:「資料から生成」を選び、PDFまたはPowerPoint(PPTX)の資料をアップロードすると、ナレーション付きの動画が生成されます。新しく素材を作り起こす工程が省けます。
  • 配る言語を出力時に選べる:日本語のほか英語・中国語・ベトナム語など34言語から出力言語を指定できるため、海外拠点向けの版を言語ごとに手配し直さずに用意できます。
  • 改訂は元資料の差し替えで完結する:法改正や商品改定が入ったときは、元の資料を直して作り直します。動画側だけを修正すると次の改訂でずれるため、資料を正として直す運用が続けやすくなります。

実際の操作手順は作り方の記事で画面に沿って解説しています。まずは1本試すなら、手元の研修資料をそのまま入れてみるのが早道です。

手持ちの資料で研修動画を作ってみる

最初の1本はどこから始める?

手段が決まったら、対象テーマを1つに絞って小さく回します。順番は次のとおりです。

  • 改訂頻度の高い定型研修を1つ選ぶ:毎年配り直しているテーマなら、動画にした効果を翌年すぐ実感できます。全社の研修体系を整えてから、と考えると着手が遅れます。
  • 既にある資料を棚卸しする:研修スライド、手順書、過去の講義メモを集め、そのまま素材として使えるものを選びます。資料が新しいテーマほど立ち上げが速くなります。
  • 試作して関係部署に見せてから配る:短い1本を作り、所管部署に内容を確認してもらってから配信します。この流れを一度通しておくと、2本目以降の段取りが読めるようになります。

研修動画は作った後が本番 — 効果測定と改訂運用

研修動画の成否は、公開した後に測る仕組みと直す仕組みを持っているかどうかで分かれます。作って配るところまでを企画に書き、その先を空欄にしたまま運用が始まる例は少なくありません。

受講状況と理解度をどう測る?

測る対象は、視聴が完了したか・内容を理解したか・現場の行動が変わったかの3段階に分かれます。最初にどこまでを測ると決めておかないと、後から遡って集計できません。

段階が上がるほど測定は難しくなります。産業能率大学総合研究所「通信教育およびeラーニングの活用実態調査」(2025年2月公表、有効回答179)では、満足度や知識の獲得については効果を実感している一方、行動変容やパフォーマンス向上については「効果測定をしていないため分からない」という回答が目立ちました。測っていないから分からない、という状態が広く残っているわけです。

現実的な進め方は、視聴完了率は配信先の記録で自動的に取り、理解度は動画の後に短い確認テストを別途用意し、行動の変化は既存の人事評価や現場の指標に紐づけて年単位で見る、という分担です。3つを同じ道具で測ろうとしないほうが、運用は続きます。

内容の改訂をどう回す?

改訂が動くきっかけは、おおむね法改正・組織改編・商品や制度の改定の3つです。この3つが起きたときに誰が棚卸しするかを、公開前に決めておきます。

原則は、元の資料を正として直し、そこから動画を作り直すことです。動画のナレーションだけを修正すると、次に改訂したときに資料と映像の内容が食い違います。NoLangでは過去に作った動画を参照しながら生成できるため、前回の研修動画の作りを引き継ぎつつ、更新後の資料を入力するだけで新しい版に差し替えられます。

改訂の単位を小さくしておくことも効きます。1本に複数テーマを詰め込むと、1か所の変更で全体を作り直すことになります。1本=1テーマで分けておけば、変わった1本だけ差し替えて配り直せます。

配信先はどう決める?

置き場所は、受講の記録をどこまで残す必要があるかで決まります。

  • 社内ポータルや共有ストレージ:視聴させることが目的で、記録は出席簿や別のアンケートで足りる場合に最も手軽です。
  • 動画配信サービスの限定公開:視聴回数や再生の途中離脱を確認したい場合に向きます。
  • LMS(学習管理システム):誰がいつ受講を完了したかを個人単位で管理し、未受講者を督促する必要がある場合に選びます。

受講管理そのものが要件に入るならLMS、動画を見せることが目的なら社内ポータル、という役割分担で考えると迷いません。LMSに載せるときの技術仕様やSCORMの扱いは、eラーニング教材を主題にした記事で詳しく解説しています。

よくある質問

研修動画の導入を検討する段階で、人事・教育研修のご担当者からよく寄せられる質問をまとめました。効果や費用感、内製できる範囲、AIで作れる範囲について、判断材料になる形で回答しています。

よくある質問

研修動画に本当に効果はありますか?
効果として実感しやすいのは、説明のばらつきがなくなること、受講者が必要な箇所を見直せること、翌年は変わった部分だけ直して配り直せることの3点です。一方で、産業能率大学総合研究所「通信教育およびeラーニングの活用実態調査」(2025年2月公表、有効回答179)では、満足度や知識の獲得については効果を実感する回答が多い反面、行動変容やパフォーマンス向上は「効果測定をしていないため分からない」という回答が目立ちました。何をもって効果とするかを、公開前に決めておくことをおすすめします。
研修動画の費用はどのくらい見ておけばよいですか?
1本あたり10分の動画を基準にすると、撮影が不要なスライド資料型・画面録画型は内製で1万〜10万円、外注で5万〜50万円が目安です。撮影を伴う講師登壇型・実演撮影型・ロールプレイ型は内製で10万〜50万円、外注で10万〜500万円と幅が広がります。金額を左右する最大の要素は撮影の有無なので、まず自社の研修に撮影が必要かどうかを確認してください。
研修動画の制作にはどのくらい期間がかかりますか?
種類と手段によって、数日から2.5ヶ月程度まで開きがあります。撮影が不要で資料がそろっている研修は短く、撮影・演者・現場調整が入る研修や、制作会社に発注する場合は長くなります。種類ごとの制作期間の目安は、作り方を主題にした記事に一覧があります。
研修動画1本の尺は何分を目安に企画すればよいですか?
本記事では、知識を伝えるタイプの研修は1本=1テーマ・5〜10分程度を目安としています。最後まで視聴されやすく、内容が変わったときに1本だけ差し替えられるためです。話す内容が多い研修は、長い1本にせずテーマごとに分けて作るほうが運用しやすくなります。
研修動画は自社で内製できますか?
種類によります。スライド資料型や画面録画型は特別な撮影機材が不要で、PCと既存の研修資料があれば社内で作れます。講師登壇型も、実在の講師を撮る代わりにアバター講師をAIで生成すれば撮影なしで内製できます。一方、実演撮影型のように現場の撮影が必須な種類は、機材・出演者・現場の調整が必要になるため体制の確保が前提になります。最初の1本は撮影の要らない種類から始めるのが無理のない進め方です。
研修動画はAIで作れますか?
コンプライアンス、情報セキュリティ、商品知識、社内ツールの操作のように、伝える内容が文章と図で完結する定型情報の研修は、手持ちの資料から動画を作れます。NoLangの「資料から生成」では、PDFまたはPowerPoint(PPTX)の資料をアップロードするとナレーション付きの動画が生成され、出力言語も34言語から選べます。実技や現場の作業手順は、実際に動いている映像そのものが教材になるため撮影が発生します。
研修動画の外注先はどう選べばよいですか?
確認したいのは、自社と近いジャンル(実技・接客・コンプライアンスなど)の制作実績があるか、改訂時の費用と対応範囲が見積もりに含まれているか、撮影素材やイラストの権利が納品後にどう扱われるかの3点です。映像の完成度が学習成果を左右する教材ほど、制作会社の設計力が生きます。改訂が毎年入るテーマは、再発注の条件まで含めて比較してください。
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