ChatGPTの回答が長くて、目で追うのが億劫になることがあります。 手が離せない作業の途中で、答えだけ耳で聞きたい場面もあります。 書かせたメールの文案を、送る前に声で確かめたいこともあるでしょう。 こういう場面で「チャットGPTに読み上げさせたい」と探すと、回答の下のスピーカーのアイコンを押す、という説明に行き当たります。 ところが、いまのWeb版を開いても、そのアイコンは並んでいません。
読み上げの機能自体はあります。 ただ、置き場所が変わっていて、回答の下の「…」というメニューの中に入っています(2026年9月にWeb版で確認)。 この記事では、その場所と操作、声の変え方、読み上げでできることとできないこと、出ない・鳴らないときに何から確かめるかを、実際の画面で説明します。 後半では、自分の文章を読ませる指示の書き方と、読み上げた音声を動画として残したいときの別の作り方も紹介します。
読み上げ、音声入力、音声モードの違い
ChatGPTには、声に関わる機能が三つあります。 「しゃべらせたい」という言い方は、このうちどれにも当てはまるので、先に分けておきます。
| 機能 | 何をするか | どこにあるか | 無料プランで使えるか |
|---|---|---|---|
| 読み上げ | ChatGPTの回答を、ChatGPTの声で読み上げる。文字で質問し、答えを耳で聞く | 回答の下の「…」を開き、「音声で読み上げる」 | 使える |
| 音声入力 | 話した内容が文字になり、質問として送られる。答えは文字で返る | 入力欄の右のマイクのアイコン | 使える |
| 音声モード | 声で会話する。答えも声で返り、途中で口を挟める | 入力欄の右の波形のアイコン | 使える(会話できる時間の上限はプランで異なる) |
「回答を聞きたい」なら読み上げ、「会話したい」なら音声モードです。 この記事で扱うのは読み上げで、音声モードの使い方や時間の上限はOpenAIのヘルプにまとまっています。
入力欄の右にある二つのアイコンです。マイクが音声入力、波形が音声モードで、読み上げはここではなく回答側にあります。
回答を読み上げる手順
Web版(パソコンのブラウザー)
回答が表示されたら、その下に並ぶアイコンの右端を見ます。
回答の下の「…」を開く
回答の下には、コピー、評価、共有、モデルの切り替えのアイコンが並び、右端に「…」(その他のアクション)があります。これをクリックします。
「音声で読み上げる」を選ぶ
メニューに「ソースを表示」「新しいチャットに分岐します」と並んで「音声で読み上げる」があります。選ぶと、少し待ってから再生が始まります。
止めるときは同じメニューの「停止します」
再生中にもう一度「…」を開くと、項目が「停止します」に変わっています。最後まで聞くなら何もしなくてかまいません。
回答の下の「…」を開いたところです。「音声で読み上げる」がメニューの一番下にあります。
再生中に同じメニューを開くと、「停止します」に変わります。再生バーは表示されないので、止める場所はここだけです。
回答の下にはアイコンが五つ並んでいますが、スピーカーの形をしたものはありません。 以前はここにスピーカーのアイコンがあったので、「読み上げがなくなった」と感じた人は、「…」の中を見てください。
スマホアプリ(iPhone・Android)
ChatGPTのアプリでは、読み上げたい回答を長押しして、表示されるメニューから「読み上げ」を選びます。 アプリの版によっては回答の下にスピーカーのアイコンが表示され、それをタップしても同じように読み上げが始まります。
声の変え方と、できること・できないこと
声は設定の「音声」で選ぶ
読み上げの声は、画面左下のアカウントのアイコンから「設定」を開き、「音声」で選びます。 ここで選んだ声は音声モードと共通で、読み上げ専用の声の設定はありません。
設定の「音声」です。左右の矢印で声を切り替えると、名前と一言の説明が表示されます。
声は九つあり、設定画面には次の説明が付いています。
| 名前 | 設定画面の説明 |
|---|---|
| Maple | 快活で、率直 |
| Spruce | 穏やかで、共感的 |
| Ember | 自信に満ち、前向き |
| Juniper | 開放的で、元気 |
| Sol | 機転が効き、温和 |
| Cove | 冷静で、率直 |
| Breeze | 活気に満ち、誠実 |
| Vale | 明るく、好奇心旺盛 |
| Arbor | おおらかで、臨機応変 |
声によって、日本語の聞こえ方や受ける印象が変わります。 説明文だけでは決めにくいので、声を切り替えながら同じ回答を読み上げさせて、聞きやすいものを選んでください。
探しても見つからない設定
読み上げには、あると思って探しがちな設定がいくつかありません。 できないことをあらかじめ把握しておくと、設定画面を探し回る手間を省けます。
| 項目 | 状況 |
|---|---|
| 声を変える | できる。設定の「音声」で九つから選ぶ |
| 止める | できる。回答の「…」から「停止します」 |
| 速度を変える | 設定がない |
| 声の高さや話し方を変える | 設定がない |
| 一時停止して途中から聞く | 操作がない。止めるか、最後まで聞くかのどちらか |
| 読み上げた音声を保存する | できない。会話の中で聞く機能で、ファイルにはならない |
| 読み間違いを直す | できない。読ませる文章のほうを書き換える |
この表はWeb版で確認した内容で、アプリの版によって表示が変わることがあります。
読み上げが出ない、鳴らない、止まらないとき
症状ごとに、確かめる順序が違います。 「項目が出ない」「聞こえない」の二つは、機能の不具合ではなくログイン状態や端末の設定によることが多いので、そこから確かめます。
| 症状 | 確かめる順序 |
|---|---|
| 「音声で読み上げる」の項目が出ない | ①ログインしているか。ログインしていない状態では、回答の下にコピーと共有しか出ない ②回答の下のアイコン列ではなく、右端の「…」を開いたか ③アプリなら最新版に更新しているか |
| 選んだのに聞こえない | ①端末が消音や無音になっていないか、イヤホンやBluetooth機器につながっていないか ②ブラウザーのタブがミュートになっていないか ③「…」を開いて「読み込んでいます」と出ていれば、そのまま少し待つ |
| 止まらない、別の回答を読み始めない | 再生中の回答の「…」を開いて「停止します」。読み上げている回答が画面の上のほうにあるときは、そこまで戻って開く |
ログインしていない状態でもChatGPTに質問はできるので、読み上げが「ない」ように見えます。 無料プランでかまわないので、ログインしてから試してください。
自分の文章を読ませる
読み上げは、ChatGPTの回答を読む機能です。 そのため、自分で書いた案内文やメールの文案を聞きたいときは、その文章をいったんChatGPTに「そのまま出力」させて、その回答を読み上げます。
ただ、「この文章を読んで」とだけ頼むと、要約したり、前置きを付けたり、誤字を直したりすることがあります。 一字一句変えないことと、前置きを付けないことを、指示に書いておきます。
次の文章を、一字一句変えず、前置きや補足を付けずにそのまま出力してください。
「本日は午後3時から、第2会議室で定例会を行います。資料は当日の正午までに共有フォルダへ入れてください。」
この指示で、二文の案内文がそのまま出力されることを確認しました。 長い文章では言い換えや補足が入ることがあるので、出力された文章を目で見て元の文と同じであることを確かめてから、読み上げてください。
読み上げて気づいた読み間違いは、読み上げ側では直せません。 数字や固有名詞の読みが気になるときは、元の文章のほうを書き換えて(「10時30分」を「10時半」にする、読みにくい社名にふりがなを添えるなど)、もう一度出力させます。
読み上げを動画として残す
ChatGPTの読み上げは、その場で聞くための機能です。 音声を保存したり、人に渡したり、読みや速さを決めてから仕上げたりすることはできません。 案内文を社内に配りたい、原稿を音声付きで共有したい、という場合は、ChatGPTに書かせた文章を台本にして、NoLangで読み上げ動画にします。
ChatGPTで文章を作る
案内文や原稿をChatGPTに書かせます。自分の文章を使うなら、前の節の指示でそのまま出力させます。
NoLangの「台本から」に貼り付けて生成する
NoLangのホームで「台本から」を選び、文章を貼り付けます。声を選んで生成すると、文章を読み上げるナレーションと、内容に合わせた画面が付いた動画になります。
読みと速さを直して、MP4を保存する
生成後にエディタで場面ごとの読み方や速さを直し、ダウンロードしたMP4をチャットや社内の掲示板で共有します。
NoLangのホームで「台本から」を開き、ChatGPTが書いた案内文を貼り付けたところです。
作例:防災訓練の案内
ChatGPTに「来月の防災訓練の案内文を、読み上げて自然な文章で5〜6文」と頼んで書かせた6文を、一字も変えずに台本にした38秒の横型の動画です。 日付、時刻、集合場所、持ち物、担当部署の内線番号が入っていて、生成後に「3階」と「2041」の読みを読み方修正で指定しています。
社内のお知らせ動画
10月15日水曜日の午前10時30分から3階エレベーターホールで行う社内防災訓練の案内動画を作ってください。 持ち物は社員証とヘルメット、問い合わせ先は総務部の内線2041です。
同じテンプレートで、日付や場所、持ち物、連絡先を差し替えれば、別のお知らせ動画になります。 声の選び方と、生成後に読み方を直す手順は、文章からAI音声を作る手順で説明しています。
まとめ
ChatGPTの読み上げは、回答の下の「…」の中にあります。 声は設定の「音声」で九つから選び、速度や保存の設定はありません。 項目が出ないときはログインしているかと「…」の中を、聞こえないときは端末とブラウザーの音を確かめます。 自分の文章を聞くなら、一字一句そのまま出力させてから読み上げ、音声として残したいときは、その文章をNoLangで読み上げ動画にします。