AI音声ナレーションの選び方|同じ原稿を4つの声と読み方で聞き比べる

この記事の要点

  1. ナレーションの仕上がりは、声の性質・原稿の書き方・読み上げの設定の3つの層で決まります。決める順番は原稿、声、設定です。
  2. 声は用途から逆算して選びます。研修・マニュアルは低めでクール、商品紹介は高めでフレンドリー、案内は癖の少ない明瞭な声、のように性別・年代・声質・トーンを組み合わせます。
  3. 同じ4文の原稿を4つの声で読んだ聞き比べ動画で、声ごとの聞こえ方と向く用途を確認できます。
  4. 読み間違いや不自然な間は、声を替える前に原稿の整形、読み方の指定、速度の調整で直せます。同じ声での前後を動画の後半で聞けます。
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動画のナレーションにAI音声を使おうとして、声の一覧を開いたところで手が止まることがあります。 候補は数十、数百とあるのに、どれが自分の動画に合うのかを決める材料がありません。 サンプル音声は聞けます。ただ、それはあらかじめ用意された短い定型文で、自分の原稿を読ませた音ではありません。

この記事では、同じ日本語の原稿を4つの声で読ませた聞き比べ動画を軸に、声を選ぶときに何を決めればよいか、不自然に聞こえたときにどこを直せばよいかを説明します。 声の性質を用途別に組み合わせる基準表、原稿と読み方を整える前後の実例、動画に入れた後の確認表も載せています。 先に音を聞きたい場合は「同じ原稿を4つの声で聞き比べる」へ進んでください。

仕上がりを決める3つの層:声・原稿・読み上げ設定

声を替えても直らない不自然さがあります。 数字の読み間違い、固有名詞のアクセント、息継ぎのない長い一文。これらは声の問題ではなく、原稿と読み上げ設定の問題です。 逆に、原稿を整えても「研修動画なのに軽い」「案内なのに暗い」と感じるなら、それは声の性質が用途に合っていません。

AI音声のナレーションは、次の3つの層で仕上がりが決まります。

ナレーションの仕上がりを決める3つの層
決めること変わるもの直す場所
声の性質性別、年代、声質(低い・高い・重厚など)、トーン(クール・エネルギッシュ・温かいなど)印象、用途への適合、聞き手との距離声の一覧で選び直す
原稿の書き方数字・英字・固有名詞の表記、句読点、一文の長さ読みの正確さ、間の位置、聞き取りやすさ台本を書き換える
読み上げの設定読み方の指定、速度、音量誤読の修正、テンポ、他の音との釣り合い読み方修正、シーンの話者メニューの速度・音量

決める順番は、原稿、声、設定の順です。 原稿が整っていないと、どの声で聞いても同じ箇所でつまずくので、声の比較になりません。 声が決まってから、読みやテンポの過不足を設定で補います。

用途別の声の選定基準

用途が違えば、視聴者が聞く状況も違います。 研修動画は画面の手順を追いながら聞かれ、商品紹介は冒頭の数秒で興味を持たれるかが決まり、案内放送は一度で聞き取れなければ用をなしません。 声の性質は、この状況から逆算します。

用途別に組み合わせる声の性質
用途性別・年代声質トーン理由
研修・マニュアル大人。性別は問わない低い〜中くらい、重厚クール、信頼できる手順を追いながら聞くので、抑揚が均一で間が安定している声が疲れにくい。聞き返しやすさを優先する
商品・サービス紹介若い〜大人高め、明るいフレンドリー、エネルギッシュ冒頭で興味を持ってもらう必要がある。語尾が明るく、呼びかけが自然に聞こえる声が向く
SNS縦型・広告若い高めエネルギッシュ、自信に満ちた短い尺でテンポよく進む。速度を上げても言葉が崩れにくい、輪郭のはっきりした声を選ぶ
案内・アナウンス大人中くらい、明瞭クール、フォーマル一度で聞き取れることが最優先。癖が少なく、日時や場所の数字を一音ずつ明瞭に読む声が向く

「女性向けの商品だから女性の声」のような属性の一致だけで決めると、外しやすくなります。 効くのは属性より視聴場面とトーンです。同じ女性の声でも、落ち着いた低めの声と明るい高めの声では、向く用途が変わります。

NoLangの声の一覧では、性別・年齢・声質・用途・トーンで絞り込み、各声のサンプルをその場で再生できます。 ただ、絞り込みの条件だけで決めると、実際の声と印象が合わないことがあります。各声には「深みのある低音の男性声。ゆっくりと安定したペースで、ビジネス研修動画に最適」のような説明文が付いていて、こちらのほうが実際の声の印象を具体的に表しています。 条件で候補を減らし、説明文を読んで、サンプルを聞く。この順で2〜3候補に絞ります。

NoLangの編集画面で、フリーボイスの一覧を用途「研修」で絞り込み、各声の再生ボタンでサンプルを聞く画面

絞り込みと試聴で2〜3候補を選んだら、最後は自分の原稿の冒頭を短い動画にして聞きます。 サンプル文で自然に聞こえた声が、自分の原稿の固有名詞や数字で崩れることは珍しくありません。

同じ原稿を4つの声で聞き比べる

架空の社内案内を題材にします。経費精算の締め切りと、アプリでの申請方法を知らせる4文です。 日付の数字、アプリの操作、人名、読者への呼びかけを含めてあります。

経費精算の締め切りは、毎月25日です。
領収書はスマホで撮影して、経費精算アプリにアップロードしてください。
金額は自動で読み取られるので、内容を確認して、申請ボタンを押すだけです。
わからないことがあれば、総務部の佐々木まで連絡してください。

この原稿を、性質の異なる4つの声で順に読ませました。 前半が4声の聞き比べ、後半が同じ声で原稿と読み方を変えた3段階です。

4つの声は、男女それぞれに、声の高さとトーン(落ち着いた/明るい)の違いを掛け合わせて選びました。名前はNoLangの一覧に表示される名前です。 聞こえ方と向く用途を並べます。

4つの声の聞こえ方と向く用途
性質聞こえ方向く用途
声1 畑耕平落ち着いた低めの男性4声で最も低く、ゆっくり安定したペース。わずかに掠れがあり、文末が静かに落ちる研修・マニュアル、ドキュメンタリー
声2 スラファト明るく高めの女性高めで輪郭がはっきりした発音。「してください」の語尾が明るく、呼びかけとして聞こえる商品・サービス紹介、SNS
声3 フミ落ち着いた女性声2と同じくらいの高さだが、テンポが穏やかで抑揚が控えめ。日付や部署名が一音一音はっきりと聞こえる案内・アナウンス、プレゼン
声4 アキルド元気な若い男性男性としては高めでハリがあり、テンポが速い。同じ文でも案内より宣伝に近い印象になるSNS縦型、広告

同じ4文でも、声1は手順の説明として聞こえ、声2は呼びかけとして聞こえます。 この差が用途への向き不向きに直結しますが、定型のサンプル文ではつかみにくく、自分の原稿で聞くとはっきり分かります。

声を替える前に、原稿と読み方で直す

不自然なら別の声にすればよいのでは、と思うかもしれません。 そうしたいところですが、動画の後半を聞くと、同じ声のまま原稿と設定を変えるだけで不自然さの大半が解消されることが分かります。

後半の3段階は、声1のまま次のように変えています。

後半の3段階で変えたこと
段階原稿読み方の指定速度
段階1整形前(一文が長く、記号・略語・表記ゆれを含む)なし100%
段階2整形後(4文に分け、記号と略語を言葉に置き換え)「佐々木」→「ささき」100%
段階3段階2と同じ段階2と同じ125%

段階1の原稿は次のとおりです。

経費精算の締め切りは毎月25日(木)17:00で、領収書はPDFかスマホ撮影で経費精算アプリにUPし、申請No.A-12を記入のうえ、不明点は総務部佐々木迄ご連絡下さい。

段階1では、「(木)」「17:00」「UP」「No.A-12」「迄」のように、書き手の頭の中では読めていた記号と略語が、そのまま音になります。一文が長いので、息継ぎの位置も決まりません。 段階2は原稿を4文に分け、記号と略語を言葉に置き換え、人名の読みを指定しただけです。声は同じなのに、聞き取りにくさの大半がここで消えます。 段階3は速度を125%にしています。手順の案内にはやや速く、短い告知には合う速さで、同じ原稿でも用途によって適切な速度が違うことが分かります。

原稿で直せる範囲は、次の表のとおりです。

原稿の整え方と聞こえ方の変化
項目書き方聞こえ方がどう変わるか
日付・番号・金額「25日(木)17:00」は「25日、木曜日の17時」のように、読ませたい形で書く。番号は「A-12」なら「A の 12」と区切る記号の読み飛ばしや、番号の連続読みがなくなる
英字・略語「UP」「No.」は「アップロード」「番号」と日本語にする。英字のまま残すのは、「PDF」や「SNS」のように表記が定着している略語だけにする英語読みと日本語読みが混ざらない
固有名詞人名・部署名・製品名は、読みが一つに決まらないものを読み方修正で指定するアクセントと読みが毎回同じになる
句読点と間息継ぎしてほしい場所に読点、話題の切れ目に句点を置く間の位置が意図どおりになり、早口に聞こえにくい
一文の長さ一文に用件は一つ。「〜で、〜し、〜のうえ」と続く文は分ける文末で声が落ち着き、聞き取りやすくなる

読み方を指定する場所は、編集画面の台本にある「読み方修正」です。 動画内の語を検索して、ひらがなかカタカナで読みを入れます。辞書に登録すると、次の動画からも同じ読みになります。

NoLangの編集画面の「読み方修正」で、動画内の語を検索し、読み方を入力する欄が並ぶ画面

速度と音量は、台本の各シーンにある話者のアイコンから変えます。「読み上げ速度」のプリセット(100%・125%・150%・200%)かスライダーで選び、「このキャラの全シーンに適用」で同じ声のシーンにまとめて反映します。同じメニューから「キャラのボイスを変更」もできます。 手順の説明は標準かやや遅め、SNS縦型はやや速め、が目安です。数値で決めるより、自分の原稿で一段階ずつ聞いて決めます。

NoLangの編集画面で、シーンの話者アイコンから開くメニュー。キャラのボイスを変更、読み上げ音量、読み上げ速度のプリセット、このキャラの全シーンに適用が並ぶ

動画に入れた後の確認

声と原稿が決まり、動画に入れたあとに確認することは5つです。 問題があったときに戻る場所を右の列に示します。

動画に入れた後の確認と、直す場所
確認すること見るポイント直す場所
字幕との一致読み上げと字幕の文が一致しているか。読み方修正で読みを指定した語が、字幕では元の漢字表記のまま表示されているか原稿
BGM・効果音を重ねたときの聞き取りBGMを重ねた状態で、数字と固有名詞が聞き取れるか設定(音量)、声(低め・重厚な声はBGMに埋もれにくい)
場面切替と間場面が変わる前に文が終わっているか。文の途中で画面が切り替わっていないか原稿(文を分ける)、設定(速度)
話者を分ける場面質問と回答、案内と注意のように役割が分かれる場面で、声を分けると伝わりやすいか声(キャラを追加して場面ごとに割り当てる)
第三者による試聴台本を見せずに聞いてもらい、聞き取れなかった語と、次に何をすべきだと思ったかを尋ねる原稿(声ではなく言葉や文の構成を直す)

研修動画として全体を設計する場合は研修動画の作り方、場面ごとの画面とナレーションの対応表は動画の構成案テンプレートで扱っています。

NoLangで声を選ぶ流れ

操作は3か所です。

  • 声の一覧で試聴して決める:編集画面の「キャラ設定」から「ボイス」の「変更する」を開くと、フリーボイスの一覧が出ます。「フィルタ」で性別・年齢・声質・用途・トーンを絞り、各声の説明文を読み、再生ボタンでサンプルを聞きます。
  • 作成後に声・速度・音量を変える:作成後の動画は、「キャラ設定」の「ボイス」か、台本の各シーンにある話者のアイコンから「キャラのボイスを変更」で別の声にできます。同じアイコンのメニューに「読み上げ速度」と「読み上げ音量」があり、「このキャラの全シーンに適用」でまとめて反映します。
  • 読み方を直す:台本の「読み方修正」で語を検索し、読みを入力します。辞書に登録すれば以降の動画にも反映されます。

最初の一本は、自分の原稿の冒頭だけを入れて、候補の声で短く作って聞き比べるのが早道です。 声の一覧のサンプルを聞き比べるより、その一本のほうが実際の相性をはっきり確かめられます。

動画に合う声を選ぶ材料は、自分の原稿を読ませた音です。原稿を整え、用途から声の性質を絞り、足りない部分を読み方と速度で補う。この順番で進めば、声の一覧で手が止まることはなくなります。

よくある質問

NoLangのAI音声読み上げは無料で使えますか?
Freeプランでログインすれば動画を生成でき、ナレーションの声も一覧から選べます。無料生成チケットは使い切りで、無料プランでは作成から2週間を過ぎた動画の視聴・編集・ダウンロードができなくなります。最新の条件は料金ページで確認してください。
作った動画のナレーションは商用利用できますか?
通常の動画はCC-BY-SAライセンスで、動画ページのコピーライトを明記すれば商用利用できます。Chrome拡張機能で作ったWebページの要約動画は、元記事の権利関係から商用利用や別媒体への投稿を控えてください。
動画を作った後に声を変えられますか?
作成済みの動画は、編集画面の「キャラ設定」の「ボイス」か、台本の各シーンにある話者のアイコンの「キャラのボイスを変更」から別の声にできます。次に作る動画の声は動画設定で変えられます。「音声から生成」「動画から生成」で作った動画は、読み上げの声の変更と読み方の修正の対象外です。
固有名詞や数字の読み間違いはどう直しますか?
編集画面の台本にある「読み方修正」で、動画内の語を検索してひらがな・カタカナで読みを指定します。辞書に登録すると、次の動画からも同じ読みになります。数字や記号は、原稿の段階で「25日、木曜日の17時」のように読ませたい形で書くと安定します。
一つの動画で複数の声を使えますか?
使えます。編集画面の「キャラ設定」でキャラを追加し、キャラごとにボイスを設定して、台本の各シーンの話者アイコンから場面ごとに割り当てます。読み上げ速度と音量は同じアイコンのメニューで調整し、「このキャラの全シーンに適用」でまとめて反映できます。この記事の聞き比べ動画も、一つの動画に4つの声を割り当てて作っています。
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