HACCP(ハサップ)は、食中毒菌や異物の混入などの危害要因を把握したうえで、特に重要な工程を管理して、食品の安全を確保する衛生管理の手法です。 2021年6月1日から、原則としてすべての食品等事業者が、HACCPに沿った衛生管理に取り組むことになっています。
この記事では、HACCPの意味と考え方、制度の対象と2つの基準、7原則12手順、小さな飲食店の取り組み方、従業員への衛生教育の進め方を説明します。 例として「手洗い」を、手順書の見本、教え方、従業員に見せる動画まで通して使います。 制度と手順は、厚生労働省のページと、同省が内容を確認した手引書をもとに説明しています(2026年10月時点)。
HACCPとは?意味と考え方
HACCPの意味と読み方
HACCPは、Hazard Analysis and Critical Control Point の頭文字をとった言葉で、「危害要因分析重要管理点」と訳されます。 厚生労働省は「HACCP(ハサップ)」と表記しています。
厚生労働省は、HACCPを次のように説明しています。
HACCPとは、食品等事業者自らが食中毒菌汚染や異物混入等の危害要因(ハザード)を把握した上で、原材料の入荷から製品の出荷に至る全工程の中で、それらの危害要因を除去又は低減させるために特に重要な工程を管理し、製品の安全性を確保しようとする衛生管理の手法です。
名前の2つの部分は、次の作業を指します。
- HA(Hazard Analysis:危害要因分析):原材料の受け入れから提供・出荷までの工程ごとに、食中毒菌、異物など、健康を害するおそれのある要因を洗い出し、それを防ぐ方法を決めます。
- CCP(Critical Control Point:重要管理点):洗い出した危害要因を防ぐために、特に重要な工程を決めて、そこを重点的に管理します。加熱して出す料理なら、加熱の工程がこれにあたります。
HACCPは、国連食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)の合同機関である食品規格(コーデックス)委員会が示し、各国に採用を勧めている手法です。
従来の衛生管理との違い
従来の衛生管理は、できあがった製品の一部を抜き取って検査する方法が中心でした。 HACCPでは、原材料の受け入れから最終製品までの工程ごとに危害を予測し、特に重要な工程を続けて確かめて、記録します。
| 観点 | 最終製品の抜き取り検査 | HACCP |
|---|---|---|
| 確かめる対象 | できあがった製品の一部 | 原材料の受け入れから出荷・提供までの工程 |
| 確かめ方 | 抜き取った製品を検査する | 特に重要な工程(加熱の温度や時間など)を続けて確かめ、記録する |
厚生労働省は、HACCPを取り入れると、抜き取り検査による衛生管理に比べて、問題のある製品の出荷をより効果的に防げるほか、問題が起きたときに原因を突き止めやすくなると説明しています。 工程ごとの確認が記録に残るので、食品の事故や苦情があったときに、どこに問題があったのか、なかったのかを早く確かめられます。
一般的な衛生管理とHACCPの関係
HACCPは、それだけで衛生管理が完結するものではありません。 施設の清掃、器具の洗浄と消毒、食品を扱う人の健康管理や手洗いといった「一般的な衛生管理」が土台にあり、その上で、特に重要な工程をHACCPで管理します。
食品衛生法の施行規則も、「一般的な衛生管理」の基準(別表第17)と「HACCPに沿った衛生管理」の基準(別表第18)を分けて定めています。 一般的な衛生管理の基準には、食品を扱う人の手洗いや体調の確認、従業員への教育訓練も含まれます。 この記事の後半で扱う手洗いと従業員への教育は、この一般的な衛生管理にあたります。
HACCPの制度化:いつから、誰が対象か
2021年6月1日から、原則すべての食品等事業者が対象
2018年(平成30年)6月13日に公布された「食品衛生法等の一部を改正する法律」で、HACCPに沿った衛生管理が制度化されました。 2020年(令和2年)6月1日に施行され、1年間の経過措置を経て、2021年(令和3年)6月1日から完全に施行されています。
厚生労働省はこれを「HACCPに沿った衛生管理の制度化」と呼んでいます。 食品衛生法は、営業者に、定められた基準に従って衛生上必要な措置を定めて守ることを求めています(第51条第2項)。
対象は、食品の製造・加工、調理、販売などを行う、原則としてすべての食品等事業者です。 飲食店や食品の小売店も含まれます。 厚生労働省のHACCPのページの「制度の対象」では、次の事業者の扱いが分けて説明されています。
- 農業と水産業での食品の採取業は、制度の対象外です。
- 公衆衛生に与える影響が少ない次の4つの営業は、一般的な衛生管理は必要ですが、HACCPに沿った衛生管理は必要ありません。
- 食品または添加物の輸入業
- 食品または添加物の貯蔵または運搬だけをする営業(冷凍・冷蔵倉庫業を除く)
- 常温で長い期間保存しても腐敗や変敗などのおそれがない包装食品の販売業
- 器具と容器包装の輸入または販売業
- 学校や病院など、営業ではない集団給食施設もHACCPに沿った衛生管理が必要です。1回の提供食数が20食程度未満の施設は、対応が不要です。
2つの基準:HACCPに基づく衛生管理と、HACCPの考え方を取り入れた衛生管理
HACCPに沿った衛生管理には、事業者の規模や業態によって2つの基準があります。
| 観点 | HACCPに基づく衛生管理 | HACCPの考え方を取り入れた衛生管理 |
|---|---|---|
| 対象 | 大規模事業者、と畜場、食鳥処理場 | 小規模な営業者等 |
| 進め方 | コーデックスのHACCP7原則に沿って、使う原材料や製造方法に合わせて自ら計画を作り、管理する | 業界団体が作り、厚生労働省が内容を確認した手引書を参考に、簡略化した方法で管理する |
「小規模な営業者等」には、次の5つが含まれます(厚生労働省「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」)。
- 食品を製造・加工する施設に併設または隣接した店舗で、その施設で作った食品の全部または大部分を小売りする営業者(菓子や豆腐の製造販売、食肉や魚介類の販売など)
- 飲食店営業や喫茶店営業など、食品を調理する営業者(そうざい製造業、消費期限がおおむね5日程度のパンの製造業、営業ではない集団給食施設なども含む)
- 容器包装に入った食品だけを貯蔵・運搬・販売する営業者
- 食品を分けて容器包装に入れ、小売りする営業者(八百屋、米屋、コーヒーの量り売りなど)
- 食品の取り扱いに従事する人が50人未満の事業場(事務職員など、食品の取り扱いに直接従事しない人は含めない)
小さな飲食店は、「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」の対象です。 なお、この対象の事業者も、「HACCPに基づく衛生管理」を選んで行えます。
営業者が実施する4つのこと
どちらの基準でも、営業者が実施することは次の4つです。
- 「一般的な衛生管理」と「HACCPに沿った衛生管理」の基準に基づいて衛生管理計画を作り、従業員に周知する
- 必要に応じて、清掃・洗浄・消毒や食品の取り扱いなどの具体的な方法を定めた手順書を作る
- 衛生管理の実施状況を記録し、保存する
- 衛生管理計画と手順書の効果を定期的に(工程が変わったときなども)振り返り、必要に応じて内容を見直す
衛生管理計画は、作るだけでなく、従業員に伝えて毎日の作業で守ってもらう必要があります。 伝え方は、後半の「従業員に衛生管理の手順を教える」で説明します。
取り組まないとどうなるか
保健所の食品衛生監視員は、定期的な立ち入り検査や営業許可の更新などの機会に、衛生管理計画の内容や実施状況を確かめ、必要な指導や助言をしています。
計画に不備があった場合の扱いについて、厚生労働省の「HACCPに沿った衛生管理の制度化に関するQ&A」(問16)は、次のように説明しています。
- 衛生管理計画を作らない、内容に不備がある、作っても守っていない場合は、一般的には、まず改善のための行政指導が行われる。
- 行政指導に従わない場合は、改善が認められるまでの間、営業の禁止や停止などの行政処分が行われることがある。
- 食中毒が発生した場合は、直ちに営業の禁止や停止などの行政処分がとられることがある。
行政処分の根拠は、食品衛生法の第60条第1項です。 都道府県知事は、営業者が第51条第2項に違反した場合に、営業の許可を取り消したり、営業の全部または一部を禁止・停止したりできます。 この処分に違反して営業した者は、3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金の対象になります(第81条第1項第3号)。
HACCPに沿った衛生管理の手順(7原則12手順)
「HACCPに基づく衛生管理」では、コーデックスが示す7原則12手順に沿って衛生管理計画を作ります。 手順1〜5は危害要因を正しく分析するための準備で、手順6〜12が7つの原則です。 手順の名前は厚生労働省の手引書、原則の内容は食品衛生法の施行規則(別表第18)によります。
| 手順 | 名前 | すること |
|---|---|---|
| 手順1 | HACCPチームの編成 | 製品を作るための情報がすべて集まるよう、各部門の担当者でチームを作る |
| 手順2 | 製品説明書の作成 | 原材料や製品の規格など、製品の安全管理上の特徴をまとめる |
| 手順3 | 意図する用途と対象となる消費者の確認 | どう使われ、誰が食べるかを確かめる |
| 手順4 | 製造工程一覧図の作成 | 危害要因を分析するために、工程を図にまとめる |
| 手順5 | 製造工程一覧図の現場確認 | 工程が変わっていないか、図に間違いがないかを現場で確かめる |
| 手順6(原則1) | 危害要因の分析 | 工程ごとに危害要因の一覧表を作り、防ぐ方法を決める |
| 手順7(原則2) | 重要管理点の決定 | 危害要因を防ぐために、管理が欠かせない工程を決める |
| 手順8(原則3) | 管理基準の設定 | 重要管理点で守る測定値の限界(中心温度など)を決める |
| 手順9(原則4) | モニタリング方法の設定 | 基準を守れているかを、続けて確かめる方法を決める |
| 手順10(原則5) | 改善措置の設定 | 基準から外れたときにすることを決める |
| 手順11(原則6) | 検証方法の設定 | ここまでの方法が効果を上げているかを、定期的に確かめる手順を決める |
| 手順12(原則7) | 記録の作成 | 計画の内容と、実施した記録を残す |
例えば、ハンバーグを焼いて出すなら、加熱の工程を重要管理点にして、中心まで火が通ったかを確かめる基準と方法、足りなかったときに加熱時間を延ばすといった対応を決め、記録します。
「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」の対象の事業者は、この12の手順を一から進める必要はありません。 業種ごとの手引書に、業界団体がまとめた危害要因の分析の内容や、衛生管理計画と記録のひな形が載っています。
小さな飲食店の取り組み方
手引書を使って進める6つのこと
小規模な営業者等は、手引書を参考にして次の6つを行っていれば、基準に従って衛生上必要な措置を定め、守っているとみなされます(厚生労働省「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」)。
- 手引書の解説を読み、自分の業種・業態で何が危害要因になるかを理解する
- 手引書のひな形を使って、衛生管理計画と(必要に応じて)手順書を用意する
- その内容を従業員に周知する
- 手引書の記録様式を使って、衛生管理の実施状況を記録する
- 手引書で勧められた期間、記録を保存する
- 記録などを定期的に振り返り、必要に応じて衛生管理計画や手順書の内容を見直す
手引書は、厚生労働省の「食品等事業者団体が作成した業種別手引書」のページから探せます。 自分の業種の手引書が見つからないときは、原材料や工程が似ていて危害要因が共通する業種の手引書を参考にし、必要に応じて管轄の保健所の食品衛生監視員に助言を求めます。
ここからは、公益社団法人日本食品衛生協会の「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理のための手引書(小規模な一般飲食店事業者向け)」(令和6年1月改訂)に沿って、小さな飲食店の衛生管理計画の中身を見ていきます。 この手引書は、従業員が数名程度の一般飲食店を対象にしています。
一般的な衛生管理の7つの項目
衛生管理計画の前半は、どの店でも行う一般的な衛生管理です。 手引書は、次の7つの項目について、「いつ」「どのように」「問題があったときはどうするか」を決めるよう示しています。 表の内容は、手引書に載っている例です。
| 項目 | いつ | どのように | 問題があったとき |
|---|---|---|---|
| 原材料の受入の確認 | 納入のとき | 外観、におい、包装の状態、表示(期限、保存方法)、品温などを確かめる | 返品し、交換する |
| 冷蔵・冷凍庫の温度の確認 | 始業前 | 温度計で庫内の温度を確かめる(冷蔵10℃以下、冷凍−15℃以下) | 原因を確かめて設定を直すか修理を頼む。食材は状態に応じて使わないか、加熱して出す |
| 交差汚染・二次汚染の防止 | 作業中 | 生肉や生魚はふた付きの容器で冷蔵庫の最下段に分けて置く。まな板や包丁は用途別に使い分け、使うたびに洗って消毒する | 汚染があった食材は必ず加熱して出すか、使わない |
| 器具等の洗浄・消毒・殺菌 | 使用後 | まな板、包丁、ボウルなどを使うたびに洗って消毒する | 汚れや洗剤が残っていたら、洗い直すかすすいで消毒する |
| トイレの洗浄・消毒 | 始業前 | 便座、水洗レバー、手すり、ドアノブなどを念入りに消毒する | 業務中に汚れていたら、洗い直して消毒する |
| 従業員の健康管理・衛生的作業着の着用など | 始業前、作業中 | 体調、手の傷の有無、作業着などを確かめる | 下痢などの症状がある人は調理させない。手の傷は耐水性の絆創膏の上から手袋をつける。汚れた作業着はすぐ替える |
| 衛生的な手洗いの実施 | トイレの後、調理施設に入る前、盛り付けの前など | 衛生的な手洗いをする | 必要なときに洗っていなければ、すぐに洗わせる |
重要管理:メニューを3つのグループに分ける
衛生管理計画の後半は、メニューに応じた重要管理です。 食品を10〜60℃の温度帯に置いたままにすると、食品についた細菌が増えます。 手引書は、加熱・冷却・保存のしかたでメニューを3つのグループに分け、グループごとに確かめる方法を決めるよう示しています。 常温で保管できるものは、分ける必要はありません。
| グループ | メニューの例 | 確かめること(例) |
|---|---|---|
| 第1グループ:加熱しないもの(冷蔵品を冷たいまま出す) | 刺身、冷奴 | 冷蔵庫から出したらすぐに出す |
| 第2グループ:加熱するもの(加熱して熱いまま出す) | ステーキ、焼き魚、焼き鳥、ハンバーグ、天ぷら、唐揚げ、ライス | 火の強さや時間、見た目、肉汁の色、焼き上がりの弾力、中心温度など |
| 第3グループ:加熱後に冷やすもの(冷やした後、温め直すか冷たいまま出す) | カレー、スープ、ソース、たれ、ポテトサラダ | すばやく冷やす(例:2時間以内に20℃以下)。温め直すときは気泡、見た目、温度で判断する |
確かめた結果に問題があったときの対応も決めておきます。 例えば第2グループで加熱が足りなければ、加熱時間を延ばすか、提供しないようにします。
記録と振り返り
決めた計画に沿って毎日の衛生管理を行い、1日の最後に、実施した結果を記録用紙に記録します。 問題があったときは、その内容も書き留めます。 手引書は、こうした一連の記録を1年間程度保管するよう勧めています。
記録は、定期的に振り返ります。 手引書の振り返りの用紙には、毎月、次のようなことを確かめる問いが並んでいます。
- 毎営業日、正しく記録をつけられたか
- 衛生上の問題があったところはどこか、その理由は何で、どう改善したか
- 従業員が代わったか。代わった場合、衛生管理計画を説明したか
- メニュー、原材料、納入業者を変えたか。変えた場合、衛生管理計画を見直したか
手引書の記入例には、「A君が手洗いを時々していない」という問題に対して、「手洗いの重要性を理解できていなかったので、目的を含めて再教育した」と書かれています。 新しく雇った従業員に衛生管理の教育をして、手洗いの重要性を説明できるようになったことを確かめた例もあります。 衛生管理は、計画と記録だけでなく、従業員への教育と組み合わせて回していくものです。
従業員に衛生管理の手順を教える
衛生管理計画は、毎日作業する従業員が守ってはじめて効果が出ます。 厚生労働省も、HACCPを取り入れた施設では、必要な教育・訓練を受けた従業員が、決められた手順や方法を日々の作業で守ることが欠かせないと説明しています。 食品衛生法の施行規則でも、食品を扱う人に衛生管理に必要な教育を行い、その効果を定期的に確かめて、必要に応じて教育の内容を見直すことが、一般的な衛生管理の基準に含まれています。
教える内容
教える内容は、衛生管理計画のうち、従業員が毎日の作業で行うことです。 上の7つの項目なら、手洗い、体調と手の傷の申告、作業着、まな板や包丁の使い分け、器具の洗浄と消毒、記録のつけ方などが、従業員に教える内容になります。
それぞれについて、次の3つをセットで伝えます。
- なぜ必要か:手洗いなら、「手には目に見えない有害な細菌やウイルスがついていることがあり、食品を汚染するおそれがあるから」
- いつ、どのようにするか:手順書に書いた手順
- 問題があったときにどうするか:体調が悪いときは誰に伝えるか、など
教え方の5つの手順
- 手順書を用意する。 1つの作業ごとに、「なぜ」「いつ」「どのように」「問題があったとき」を書いた手順書を作ります。手引書の項目の書き方をそのまま使えます。手順書の書き方全般は「手順書の作り方」で説明しています。
- 理由から伝える。 手引書の振り返りの例のように、手順を守れない原因が「重要性を理解していないこと」にある場合があります。手順の前に、なぜ必要かを話します。
- やって見せて、やらせて確かめる。 厚生労働省の手引書は、長い時間話を聞かせるより、体験させるほうが身につきやすいとしています。蛍光の液を手に塗り、洗った後に専用のライトで洗い残しを見る、といった体験型の手洗い教育の例も紹介されています。
- 教えたことを記録する。 誰に、いつ、何を教えたかを記録します。厚生労働省の手引書は、教育を行ったあとの記録も必要としています。
- 振り返りで見直す。 毎月の振り返りで、手順が守れていないところがあれば、教え直したり、手順書を直したりします。従業員が代わったときは、衛生管理計画を説明します。
一人ひとりに仕事を教える進め方は、「新人教育の進め方とコツ」でも説明しています。
手洗いの手順書の見本
日本食品衛生協会の手引書の「衛生的な手洗いの実施」と「日本食品衛生協会が推奨する衛生的な手洗い」をもとに、従業員に渡す手洗いの手順書の見本を作りました。
なぜ必要か
手には、目に見えない有害な細菌やウイルスがついていることがあり、食品を汚染するおそれがあります。 手洗いは、見た目の汚れを落とすだけでなく、有害な微生物が食品を汚染しないようにするために行います。
いつ洗うか
- トイレの後
- 調理施設に入る前
- 盛り付けの前
- 作業の内容を変えるとき
- 生肉や生魚などを扱った後
- お金をさわった後
- 清掃をした後
どのように洗うか
| 番号 | すること |
|---|---|
| 1 | 流水で手を洗う |
| 2 | 洗浄剤を手に取る |
| 3 | 手のひら、指の腹面を洗う |
| 4 | 手の甲、指の背を洗う |
| 5 | 指の間(側面)、股(付け根)を洗う |
| 6 | 親指と、拇指球(親指の付け根のふくらみ)を洗う |
| 7 | 指先を洗う |
| 8 | 手首を洗う |
| 9 | 洗浄剤を十分な流水でよく洗い流す |
| 10 | 手を拭き、乾燥させる |
| 11 | アルコールで消毒する(爪の下と爪の周りに直接かけた後、手指全体によくすり込む) |
2から9までをくり返す「2度洗い」が効果的です。
問題があったとき
作業中に、必要なタイミングで手を洗っていない人がいたら、すぐに手洗いをさせます。
教える場面を分ける
教える時間をまとめて取れない店でも、場面を分ければ続けられます。 厚生労働省の手引書は、次の3つの方法を組み合わせ、実施したら記録するよう勧めています。
| 方法 | 時間の目安 | 内容の例 |
|---|---|---|
| 回覧 | その都度 | 食品の安全に関する記事や業界の情報を回覧する。掲示板でもよい |
| 朝礼 | 5分程度 | 苦情があったときや、回覧した情報を伝える |
| 計画的な勉強会 | 30分から1時間程度 | 手洗いや異物の混入を防ぐ方法などのテーマを決めて行う |
新しい従業員が入ったときは、最初の勤務の日に衛生管理計画と手順書を説明し、手洗いを実際にやって見せます。
手順を動画にして教える
手洗いのように、全員が同じやり方で毎日くり返す手順は、短い動画にしておくと教えやすくなります。 従業員が入れ替わるたびに同じ説明をくり返さずに済み、シフトで勤務時間が異なる従業員にも同じ内容を見てもらえます。 教える人は、説明に使っていた時間を、従業員が実際に洗う様子を確かめる時間にあてられます。
動画にするときは、次の点をそろえると、手順書と一緒に使えます。
- 1本の動画で扱う手順は1つにする(手洗いなら手洗いだけ)
- 手順書と同じ順番、同じ言葉で説明する
- 「なぜ必要か」と「いつ行うか」も入れる
NoLangで作った衛生教育動画の例
飲食店の従業員に、衛生的な手洗いの手順を教える動画を、NoLangで作った例です(約3分)。 上の手洗いの手順書をもとに、手洗いの目的、洗う7つの場面、11の手順を順番に説明します。 冒頭では、ノロウイルス食中毒の約8割が調理従事者に由来するとされていることを図で示し、手洗いが欠かせない理由を伝えます。 11の手順は手元の映像に手順の番号と名前を重ねて表示し、2度洗いでは手順2から9をくり返す様子を見せます。 最後に、手を洗っていない人に気づいたらすぐに手洗いをしてもらうことを伝え、洗う場面と洗い方を1つの画面でおさらいします。
衛生的な手洗い|飲食店スタッフのための衛生教育
飲食店の従業員に、衛生的な手洗いの手順を教える動画にして。 洗う7つの場面と11の手順を順番に説明し、最後におさらいして。
「このテンプレートで作る」を押すと、NoLangのホームでこの動画が開き、お手本としてセットされます。 入力欄に自分の店の手順を書いて生成すると、同じ形式のまま、内容を変えた動画を作れます。 NoLangでは、PDFやPowerPoint(PPTX)のファイルを入力欄に添付できるため、手元の手順書から動画を作ることもできます。 できた動画は、共有リンクを発行すると、リンクを知っている人だけが見られます。
研修の動画やマニュアルの動画を作る手順は、次の記事で説明しています。
衛生管理の手順書や研修の資料は、NoLangにアップロードするとナレーション付きの動画になり、手順が変わったときは作り直せます。 研修動画の作り方と事例は、法人向けの研修動画のページで紹介しています。 会社での使い方はお問い合わせから相談でき、詳しい資料は下のボタンから請求できます。
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