社内研修の担当になったら、最初に決めるのは「誰に、研修の後に職場で何ができるようになってほしいか」です。 それが決まれば、研修で扱う内容と、集合研修・オンライン研修・動画などのどの形式で行うかを決められます。
この記事では、社内研修の種類と内容、形式ごとの特徴と選び方、計画から評価までの進め方を説明します。 後半では、管理職向けの研修を例にした実施計画(企画書)の見本と準備のスケジュール、集合研修の前に受講者が見る事前学習の動画の作例も紹介します。
社内研修とは
社内研修とは、会社が自社の社員を対象に、社内の人材で企画して行う研修です。 社員が講師を務める場合は、自社の業務やルール、実際の事例に合わせた内容にできます。 研修会社などに企画や講師を依頼する研修や、外部の講座に社員を参加させる研修は、外部研修(社外研修)と呼んで区別します。 この記事では、一部に外部の講師や講座を使う場合も含めて、会社が自社の社員のために企画する研修の進め方を説明します。
会社が社員に行う教育は、厚生労働省の能力開発基本調査では次の3つに分けて扱われています。 社内研修は、このうちOFF-JTにあたります。
| 区分 | 意味(厚生労働省「能力開発基本調査」の用語の説明から) | 例 |
|---|---|---|
| OFF-JT | 業務命令に基づき、通常の仕事を一時的に離れて行う教育訓練(研修)。社内で労働者を1か所に集めて行う集合訓練も、社外の教育訓練機関に派遣するものも含む | 集合研修、オンライン研修、会社が受講を指示するeラーニング |
| 計画的なOJT | 日常の業務に就きながら行う教育訓練のうち、計画書などで教育担当者・対象者・期間・内容を決めて、段階的・継続的に行うもの | 配属先の先輩が、育成の計画に沿って仕事を教える。詳しくはOJTのやり方と具体例で扱っています |
| 自己啓発 | 労働者が、職業に関する能力を自発的に開発し、向上させるための活動 | 資格の勉強、社外の勉強会への参加 |
厚生労働省の令和7年度 能力開発基本調査(2026年7月公表)では、正社員にOFF-JTを実施した事業所は70.9%、計画的なOJTを実施した事業所は60.6%でした。 OFF-JTを実施した事業所に、どこが実施した研修かを聞くと(複数回答)、正社員では「自社」が76.4%で最も多く、「民間教育訓練機関(民間教育研修会社、民間企業主催のセミナー等)」が41.4%で続きます。 多くの会社が、研修の少なくとも一部を自社で行っています。
社内研修の目的
社内研修の目的は会社によって違いますが、大きく次の3つに分けられます。 1つの研修が、複数の目的を持つこともあります。
- 仕事に必要な知識・スキルを身につける:業務の手順、商品の知識、部下を育てるスキルなど、仕事で使う知識と技術を学びます。
- 会社の方針とルールを全員で共有する:理念、コンプライアンス、情報の扱い方など、全員が同じように理解しておく必要があることを伝えます。
- 部署や階層を越えた関係をつくる:同じ時期に入社した社員どうしや、新しく管理職になった人どうしが、顔を合わせて相談できる関係をつくります。
目的は「研修の後に職場でできること」で書く
目的が「重要性を理解する」「意識を高める」のままだと、研修で何を練習すればよいかも、研修の後に何を確かめればよいかも決まりません。 研修が終わった後、職場で何ができるようになっていればよいかを、行動の形で書きます。
| 書き換える前 | 書き換えた後 |
|---|---|
| 部下指導の重要性を理解する | 部下との1on1ミーティングを月1回、決めた流れで行える |
| 情報セキュリティの意識を高める | 不審なメールを受け取ったとき、開かずに決められた窓口へ報告できる |
| ビジネスマナーを身につける | 来客の受付から応接室への案内までを、手順どおりに行える |
| 営業の提案力を強化する | 初回の商談で、ヒアリングシートの5つの項目をお客様から聞き取れる |
前述の令和7年度能力開発基本調査では、能力開発や人材育成に何らかの問題があるとした事業所が80.1%ありました。 問題の内容は「指導する人材が不足している」(59.5%)、「人材を育成しても辞めてしまう」(51.6%)、「人材育成を行う時間がない」(45.5%)が上位です。 教える人と時間が限られているからこそ、研修で変えたいことを行動の形で絞り込んでおくことが大切です。
社内研修の種類と内容
社内研修の種類は、誰を対象にするか(階層別・職種別)と、何を扱うか(テーマ別)で整理できます。
階層別の研修
入社からの年数や役職に合わせて行う研修です。 入社や昇格など、役割が変わる時期に合わせて行います。
| 対象 | 主な目的 | 内容の例 |
|---|---|---|
| 新入社員 | 社会人として、自社の社員としての基本を身につける | ビジネスマナー、会社の理念と事業、社内のルール、報告・連絡・相談の仕方 |
| 若手社員(入社2〜3年目) | 自分で仕事を進め、改善できるようになる | 問題解決の進め方、時間の使い方、これからのキャリアの考え方 |
| 中堅社員 | チームの中心として仕事を進め、後輩を育てる | リーダーシップ、プロジェクトの進め方、後輩や新人の指導 |
| 新任管理職 | 管理職の役割と、部下を持つ立場の基本を知る | 管理職の役割、労働時間などの労務管理、評価の仕方、ハラスメントの防止 |
| 管理職 | 部下を育て、組織として成果を上げる | 部下との面談(1on1ミーティング)、目標の立て方と進み具合の確認、組織づくり |
テーマ別の研修
階層をまたいで、全員や特定の人に共通して必要なテーマを扱う研修です。 法令や社内のルールに関わるテーマは、全社員を対象に毎年行う会社もあります。
| テーマ | 内容の例 | 主な対象 |
|---|---|---|
| ビジネスマナー | あいさつ、言葉づかい、電話・メール・来客の対応 | 新入社員、若手社員 |
| コンプライアンス | 守るべき法令と社内の規程、不正の防止、相談と通報の窓口 | 全社員 |
| ハラスメントの防止 | ハラスメントにあたる言動、相談を受けたときの対応 | 全社員、管理職 |
| 情報セキュリティ | パスワードと端末の管理、不審なメールへの対応、情報の持ち出しのルール | 全社員 |
| コミュニケーション | 話の聞き方と伝え方、会議の進め方 | 全社員 |
| IT・デジタル | 社内ツールの使い方、データの扱い方、生成AIの使い方 | 全社員、担当部署 |
| メンタルヘルス | 自分のストレスへの気づき方、部下の不調への気づき方と対応 | 全社員、管理職 |
| キャリア | これからの働き方と身につけたいスキルを考える | 若手社員、中堅社員 |
職種別の研修
営業、事務、技術、製造など、職種ごとに必要な知識と手順を扱う研修です。 自社の商品や業務の手順を扱うことが多いので、その仕事を担当している社員が講師を務めやすい研修です。
よく行われている研修の内容
令和7年度能力開発基本調査で、事業所が実施したOFF-JTの内容(複数回答)の上位は次のとおりです。
| 内容 | 実施した事業所の割合 |
|---|---|
| 新規採用者など初任層を対象とする研修 | 75.7% |
| 新たに中堅社員となった者を対象とする研修 | 49.3% |
| マネジメント(管理・監督能力を高める内容など) | 46.9% |
| ビジネスマナー等のビジネスの基礎知識 | 46.6% |
| 新たに管理職となった者を対象とする研修 | 44.3% |
| 法務・コンプライアンス | 39.9% |
| コミュニケーション能力 | 38.5% |
出典:厚生労働省「令和7年度 能力開発基本調査」図29
入社や昇格で役割が変わるときの研修が、上位に多く入っています。 今後実施したい内容では、「マネジメント」(35.5%)、「新たに中堅社員となった者を対象とする研修」(35.2%)、「新たに管理職となった者を対象とする研修」(35.1%)が上位でした。
社内研修の形式
同じ内容でも、どの形式で行うかによって、準備するものと受講者の学び方が変わります。 研修の方法(形式)は、主に次の5つです。
| 形式 | どう学ぶか | 向く内容 | 主な準備 | 気をつけること |
|---|---|---|---|---|
| 集合研修(対面) | 受講者が会場に集まり、講師の説明を聞いて演習をする | ロールプレイやグループワークなどの演習、受講者どうしの関係づくり | 会場、日程の調整、講師、教材 | 全員の日程を合わせる必要がある。会場と移動に費用と時間がかかる |
| オンライン研修(ライブ配信) | 決まった時間にWeb会議でつなぎ、講師の説明を聞いて質疑や話し合いをする | 拠点が分かれている人への講義、短い説明会 | Web会議の環境、受講者の機材と通信、進行の補助役 | 長くなる場合は休憩と発言の機会を多めに入れる。手を動かす実技は練習しにくい |
| eラーニング・動画 | 用意した動画や教材を、各自が都合のよい時間に見る。理解度テストを組み合わせることが多い | 知識やルールの説明、手順の説明、毎年や入社のたびに行う同じ内容 | 動画・スライド・テストなどの教材、配信と受講記録の仕組み | その場で質問できない。見て終わりにならないよう、テストや職場での確認を組み合わせる |
| OJT | 職場で、先輩や上司が仕事を見せ、任せ、助言する | 実際の業務の手順と判断 | 指導する人、育成の計画 | 指導する人によって、教え方と教える内容に差が出やすい |
| 外部の講座への参加(外部研修) | 研修会社などが開く講座に社員が参加する | 専門性の高いテーマ、少人数だけが受ける研修 | 講座の選び方の基準、受講料と日程 | 自社の業務やルールに合わせた内容にはしにくい |
eラーニングで使う動画教材の作り方と配り方は、eラーニング動画の作り方で説明しています。
社内講師と外部講師の使い分け
講師を社内の人が務めるか、外部に依頼するかは、テーマごとに決められます。
| 観点 | 社内講師 | 外部講師・外部の講座 |
|---|---|---|
| 向く内容 | 自社の業務の手順、社内のルール、自社の商品、理念 | 一般的なビジネススキル、法令などの専門的なテーマ、社内に詳しい人がいないテーマ |
| よいところ | 自社の事例で説明できる。研修の後も職場で相談しやすい | 専門の知識と、研修を進める経験がある |
| 準備の手間 | 講師が教える内容を準備し、練習する時間がかかる | 研修の目的と自社の事情を伝え、内容をすり合わせる時間がかかる |
| 費用の主な内訳 | 講師と受講者の勤務時間、会場、教材 | 講師料や受講料、会場、教材 |
自社の業務と外部の専門性の両方が要るときは、一般的な知識の部分を外部の講師に頼み、自社の事例や手順の部分を社内の担当者が話す、という分け方もできます。
集合研修とは?メリット・デメリットとオンライン研修との違い
集合研修とは、受講者が同じ時間に同じ場所へ集まって受ける研修です。 会議室や研修施設に集まり、講師の説明を聞いて、演習をします。
なお、Web会議で同じ時間に集まって受ける研修を「オンライン集合研修」と呼ぶこともあり、呼び方は会社や資料によって違います。 この記事では、会場に集まる対面の研修を集合研修、Web会議で行う研修をオンライン研修と呼んで分けます。
集合研修で行うこと
集合研修では、次のような学び方を組み合わせます。 講義だけで終わらせず、講義の後に演習を入れて、聞いたことを実際に使う時間をつくるのが基本です。
- 講義:講師が、知識やルール、やり方を説明します。
- 個人ワーク:問いに対して、自分の考えや自分の職場の課題を書き出します。
- グループワーク:数人で話し合って意見をまとめ、発表します。ほかの人の考え方に触れることが目的の一つです。
- ロールプレイ:上司と部下、営業担当とお客様などの役を決めて実際の場面を演じ、見ている人が気づいたことを伝えます。
- ケーススタディ:起こりそうな事例を読み、どう判断して対応するかを考えます。
集合研修のメリット
- その場で質問して答えを聞けます。講師も受講者の表情を見て、分かりにくそうな点を説明し直せます。
- ロールプレイやグループワークなど、ほかの人と一緒に行う演習ができ、講師やほかの受講者からすぐに助言をもらえます。
- 受講者どうしが顔を合わせるので、部署を越えて相談できる関係ができます。
- 職場を離れた場所で、自分の仕事を振り返る時間をとれます。
集合研修のデメリット
- 全員の日程を合わせる必要があります。人数が多い場合は、複数回に分けて開きます。
- 会場、講師、受講者の移動に費用と時間がかかります。拠点が分かれている会社では、移動の負担が大きくなります。
- 受講者の経験や理解の度合いに差があると、全員に合う説明が難しくなります。
- 研修でできたことを職場で続けてもらうには、研修の後の実践とフォローを別に用意する必要があります。
これらは、講義の部分を事前の動画に移す、拠点ごとに開く、研修の後に職場での実践とフォローを組み込む、といった形式の組み合わせで補えます。 組み合わせ方は、次の「研修の形式の選び方」で説明します。
オンライン研修との違い
| 観点 | 集合研修(対面) | オンライン研修(ライブ配信) |
|---|---|---|
| 参加する場所 | 会議室や研修施設に集まる | 自分の席や自宅からWeb会議で参加する |
| 講師とのやりとり | 表情や様子を見ながら、その場で質疑できる | 発言やチャットで質疑する。画面越しなので表情は分かりにくい |
| 演習 | ロールプレイ、実技、グループワークを行いやすい | 少人数のグループに分かれる機能を使えば、話し合いはできる。手を動かす実技は練習しにくい |
| 受講者どうしの交流 | 休憩や研修の前後にも話せる | 話す場を、研修の時間の中で意図してつくる |
| 準備するもの | 会場、機材、配布物、移動の手配 | Web会議の環境、受講者の機材と通信の確認、進行の補助役 |
| 費用の主な内訳 | 会場費、講師料、交通費・宿泊費、印刷費 | Web会議ツールの費用、講師料 |
| 向く内容 | 演習が中心の研修、関係づくりが目的の研修 | 講義が中心の研修、拠点が分かれている人への研修 |
研修の形式の選び方
形式は、研修で変えたいことから候補を絞り、受講者の人数・拠点・繰り返しの有無・日程で決めます。
研修で変えたいことから考える
| 研修で変えたいこと | 例 | 向く形式 | 理由 |
|---|---|---|---|
| 知識やルールを知っている状態にする | 情報セキュリティの決まり、社内の制度の説明 | eラーニング・動画、オンライン研修 | 説明が中心で、各自が見返せる。理解したかはテストで確かめられる |
| 手順どおりに作業できるようにする | 社内システムの操作、経費精算の手順 | 動画とOJTの組み合わせ | 手順を動画で見てから、職場で実際にやって確かめる |
| 判断や対人のスキルを身につける | 部下との面談、苦情への対応、商談 | 集合研修(ロールプレイ・ケーススタディ) | 練習して、その場で助言をもらう必要がある |
| 関係や意識をつくる | 新しく管理職になった人どうしのつながり、理念の共有 | 集合研修 | 顔を合わせて話し合う時間そのものが目的になる |
人数・拠点・繰り返し・日程で決める
- 拠点が分かれている、在宅勤務の人が多い:移動が要らないオンライン研修や、各自が見る動画が向きます。
- 毎年、または入社のたびに同じ説明をする:説明を動画にしておけば、講師が毎回同じ話をしなくて済みます。
- 全員の日程がそろわない:各自が都合のよい時間に見るeラーニング・動画が向きます。
- 少人数で、演習とフィードバックが中心:集合研修が向きます。
形式を組み合わせる
1つの研修を、1つの形式だけで行う必要はありません。 講義の部分を動画にして受講者に事前に見てもらい、集合研修の時間はロールプレイや質疑に使う、という組み合わせ方があります。 研修の後は、学んだことを職場で試してもらい、後日フォローの場を設けます。
このように複数の形式を組み合わせる学び方をブレンデッドラーニング、講義を事前に済ませて集まる時間を演習に使う進め方を反転学習と呼ぶことがあります。 講義を動画に移せば、集合研修の時間を短くしたり、受講者が同じ説明を聞いた状態で演習に入ったりできます。 ただし、事前の動画を見ないまま参加する人が出ないよう、視聴の期限と、見たかどうかの確かめ方を決めておきます。
組み合わせた研修の計画の例は、この後の「実施計画の見本と準備のスケジュール」で示します。
社内研修の進め方(6つの手順)
社内研修は、次の6つの手順で進めます。 課題の確認から実施、評価までの研修の流れは、教材や研修の設計で使われるADDIEモデル(分析・設計・開発・実施・評価)の考え方とも重なります。
課題を確かめる
現場の上司や研修を受ける社員に話を聞き、アンケートや業務の記録も見て、「今どうなっていて、どうなってほしいか」の差(課題)を確かめます。 その課題が研修で解決できるものかも、ここで見極めます。 仕事の手順やルール、人の配置を変えるべき課題であれば、研修を開いても解決しません。
目的と目標を決める
研修の後に職場で何ができるようになればよいかを、行動の形で書きます。 研修が終わる時点の目標と、職場での目標(1か月後など)を分けて書くと、評価の方法も決めやすくなります。
対象者と内容を決める
誰に受けてもらうか、何人か、受講者が今どこまでできるかを確かめます。 内容は、目標に必要なことを書き出してから、研修で扱うもの、資料を渡せば足りるもの、職場で教えるものに分けます。 研修の時間は限られているので、練習が必要な内容と、集まって話し合う必要がある内容を優先します。
形式・講師・日程・会場を決める
「研修の形式の選び方」で説明した考え方に沿って形式を選び、講師(社内か外部か)、日程、会場(オンラインなら使うツール)を決めます。 ここまでを実施計画(企画書)にまとめ、上司や関係する部署の承認を得ます。
教材と当日の進行を用意する
スライド、配布資料、演習の場面設定、事前に見てもらう動画、理解度テスト、アンケートを作ります。 当日の時間割を作り、講師と運営の担当で役割を分担します。 受講者とその上司には、研修の目的、日時、事前に準備することを案内します。
実施し、評価して職場につなげる
当日は時間割に沿って進め、最後にアンケートとテストを行います。 研修の後は、受講者が学んだことを職場で試せるよう、上司に協力を頼みます。 1〜3か月後に職場での様子を確かめ、その結果をもとに、次回に向けて研修の内容を見直します。
効果の確かめ方
研修の効果は、アンケートの満足度だけでは分かりません。 研修の評価でよく使われるカークパトリックの4段階評価では、次の4つの段階に分けて確かめます。
| 段階 | 確かめること | 方法の例 | 時期の例 |
|---|---|---|---|
| 1 反応 | 受講者が研修をどう受け止めたか | アンケート(仕事に役立ちそうか、分かりにくかった点) | 研修の直後 |
| 2 学習 | 知識やスキルが身についたか | 理解度テスト、ロールプレイの観察 | 研修の最後 |
| 3 行動 | 職場での行動が変わったか | 本人の振り返り、上司による確認、実施の記録 | 1〜3か月後 |
| 4 結果 | 組織の成果につながったか | 研修の目的に合わせた指標(ミスの件数、部下の定着など)の変化 | 数か月〜1年後 |
どの段階まで確かめるかは、研修の目的とかけられる手間で決めます。 少なくとも、職場での行動(段階3)を誰がいつ確かめるかを計画の時点で決めておくと、研修の後に何を見ればよいかが受講者と上司の間ではっきりします。
実施計画の見本と準備のスケジュール
ここでは、管理職向けの「1on1ミーティング研修」を例に、実施計画(企画書)と準備のスケジュールを示します。 講義の部分を事前の動画に、練習を集合研修に分け、研修の後に職場での実践とフォローを組み込んだ計画です。 人数や時間は例なので、自社の課題と目標に合わせて変えてください。
実施計画(企画書)の見本
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| 研修名 | 管理職向け 1on1ミーティング研修 |
| 背景と課題 | 部下との面談が、評価の時期の年2回だけになっている。1on1ミーティングを始めた部署もあるが、進め方が管理職によって違う |
| 目的 | 管理職が部下と定期的に話し、仕事の課題や悩みを早めに聞ける状態をつくる |
| 研修が終わる時点の目標 | 事前の動画で学ぶ5つのステップ(チェックイン、テーマを決める、深める、次の一歩を決める、振り返って記録する)に沿って、10分の1on1をロールプレイで進められる |
| 職場での目標 | 研修の後1か月で、部下全員と1回以上1on1を行い、記録シートに残す |
| 対象者と人数 | 部下を持つ管理職20名(10名ずつ、2回に分けて開く) |
| 形式と流れ | ①事前:1on1の進め方を説明する動画(約3分)を各自で見て、最近の1on1で自分が話していた割合をメモしてくる ②集合研修(3時間・対面):ロールプレイが中心 ③職場で1か月実践する ④フォロー(1時間・オンライン):うまくいったことと困ったことを共有する |
| 講師 | 人事部の研修担当(社内講師)。ロールプレイの観察役として、1on1を続けている管理職2名に協力を頼む |
| 日程と会場 | 集合研修は本社の会議室。フォローは1か月後にWeb会議で行う |
| 教材 | 事前学習の動画、スライド、ロールプレイの場面設定(3種類)、1on1の記録シート、アンケート |
| 評価 | 当日:アンケートとロールプレイの観察シート。1か月後:1on1の実施記録と本人の振り返り。3か月後:部下へのアンケート |
| 関係者への依頼 | 受講者の上司(部長)に研修の目的を伝え、研修の後の実践を後押ししてもらう |
集合研修(3時間)の時間割の例
| 時間 | 内容 | 進め方 |
|---|---|---|
| 0:00〜0:15 | はじめに | 研修の目的と今日の目標を確かめる。事前課題のメモ(自分が話していた割合)を見せ合い、動画で分かりにくかった点を聞く |
| 0:15〜0:35 | 講義:話の聞き方と質問の仕方 | 事前の動画の内容を、具体的な場面の例で補う |
| 0:35〜0:45 | 個人ワーク | 自分の部下に聞いてみたい、一言では終わらない問いを書き出す |
| 0:45〜1:30 | ロールプレイ①(2人1組) | 上司役と部下役に分かれて10分の1on1を行い、5分で振り返る。役を交代してもう1回行う。講師と観察役は組を回り、振り返りで助言する |
| 1:30〜1:40 | 休憩 | — |
| 1:40〜2:20 | ロールプレイ②(難しい場面) | 部下があまり話さない、不満を打ち明けられた、などの場面で練習する |
| 2:20〜2:45 | 共有 | うまくいった聞き方と迷った場面をグループで話し合い、全体で共有する |
| 2:45〜3:00 | 職場での計画とアンケート | 1か月の間にいつ誰と1on1を行うかを書き、アンケートに答える |
準備のスケジュール例
研修の日から逆算して、次の順で準備します。
| 時期 | すること | 作るもの | 関わる人 |
|---|---|---|---|
| 3か月前 | 管理職と部下に話を聞いて課題を確かめ、目的と目標の案を作る | ヒアリングのメモ、課題の整理 | 人事、管理職、部長 |
| 2か月前 | 形式・講師・日程・会場を決め、実施計画をまとめて承認を得る | 実施計画(企画書) | 人事、部長、経営層 |
| 1か月前 | 教材と事前学習の動画を作り、受講者とその上司に研修の案内を送る | スライド、場面設定、記録シート、観察シート、動画、案内文 | 人事、講師、観察役 |
| 2週間前 | 事前学習の動画を配り、研修の前日までに見て事前課題のメモを用意するよう伝える | 視聴と事前課題の案内 | 人事 |
| 1週間前 | 会場・機材と当日の進行を確かめ、講師と観察役でリハーサルをする | 当日の進行表、役割分担表 | 人事、講師、観察役 |
| 当日 | 研修を行い、アンケートを集め、ロールプレイの様子を観察シートに記録する | アンケートの結果、観察シート | 講師、観察役、受講者 |
| 1か月後 | オンラインのフォローを行い、1on1の実施記録を確かめる | 実施記録の集計 | 人事、受講者、上司 |
| 3か月後 | 部下へのアンケートで職場の変化を確かめ、次回に向けて研修の内容を見直す | 振り返りの報告 | 人事、部長 |
研修で動画を使う
研修の一部を動画にしておくと、同じ説明を、いつでも同じ内容で届けられます。 次のような研修で使われます。
- 毎年、または入社のたびに同じ説明をする研修(社内のルール、コンプライアンス、情報セキュリティなど)
- 拠点や勤務時間が分かれていて、全員が同じ時間に集まれない研修
- 集合研修の前に、講義の部分を予習してもらう研修
- 研修の後に、手順やポイントを見直してもらう研修
講師が毎回同じ説明をする手間が減り、集合研修の時間を演習や質疑に使えます。 既成の研修動画を使うか、自社で作るかの判断は、研修動画とはで説明しています。
集合研修の前に見る、事前学習の動画の例
実施計画の見本(管理職向け1on1ミーティング研修)で、受講者が集合研修の前に見る動画を、NoLangで作った例です。 気まずい1on1の短い寸劇から始まり、1on1とは何かと目的、話す時間の割合を考えるクイズ、進め方の5つのステップを説明します。 続けて、冒頭の場面を問いかけを変えてやり直す寸劇と、やりがちな4つのNGを見せ、最後に研修までの事前課題(最近の1on1で自分が話していた割合をメモしてくる)を伝えて締めています。
1on1ミーティングの進め方|管理職研修の事前学習
管理職研修の前に受講者が見る、1on1ミーティングの進め方の事前学習動画にして。 気まずい1on1の寸劇から入り、5つのステップとやりがちなNGを説明して、研修までの事前課題で締めて。
「このテンプレートで作る」を押すと、NoLangのホームでこの動画が開き、お手本としてセットされます。 入力欄に自社の研修で扱うテーマを書いて動画を生成すると、同じ形式のまま内容を変えた事前学習の動画を作れます。
研修動画の作り方(目的と対象の決め方、台本、収録または生成、確認と修正、配信)は、次の記事で詳しく説明しています。
PDFやPowerPointの研修資料は、NoLangにアップロードするとナレーション付きの動画になり、内容が変わったときは台本を直して作り直せます。 研修動画の作り方と事例は、法人向けの研修動画のページで紹介しています。 会社での使い方はお問い合わせから相談でき、詳しい資料は下のボタンから請求できます。
資料をダウンロード