店頭に縦長の画面を置くことになり、まず流してみるのは、サイトに載せている商品紹介の動画かもしれません。ナレーションで順に説明していく、横長の1分半の動画です。
ところが店の前に立って見ると、様子が違います。前を通る人は画面を横目で見て、数秒で通り過ぎていきます。ナレーションは通りの音にまぎれて届きません。横長の映像は縦の画面の真ん中に小さく収まり、上下は黒い帯のままです。冒頭の「こんなお悩みはありませんか」は、ほとんどの人が見ないまま次の場面へ進みます。
サイネージで流す動画は、Webに置く動画と同じ作り方では伝わりません。見る人が自分から再生するのではなく、通りがかりや待ち時間に目に入るものだからです。作り始める前に、どこで、誰が、どのくらい離れて、何秒見るのかを決め、そこから長さ、文字の大きさ、音、画面の向きを決めていきます。
- 流す場所と目的を決める
- 長さと画面の向き(縦型か横型か)を決める
- 場面ごとに、画面に出す文字を決める
- 写真や映像を用意して、動画を作る
- 機器に合う形式で書き出す
- 実際の画面で確かめてから流す
この記事では、デジタルサイネージで動画を流す目的と、設置場所ごとの使い方を整理したうえで、長さ・文字・音・サイズと形式の決め方を順に解説します。後半では、店頭の縦型と待合室の横型の2本をNoLangで作り、場所が変わると動画の何が変わるのかを実物で比べています。
デジタルサイネージ動画とは
デジタルサイネージ動画とは、店舗や施設、駅などに置いたディスプレイ(デジタルサイネージ)で流すための動画です。デジタルサイネージ映像、サイネージ用のコンテンツと呼ばれることもあります。紙のポスターや看板の代わりに画面を置き、商品の宣伝、施設の案内、お知らせなどを映像で見せます。店舗や施設そのものを紹介する動画の作り方は、店舗紹介動画・施設紹介動画の作り方で説明しています。
業界団体のデジタルサイネージコンソーシアムは、屋外・店頭・公共空間・交通機関などで、ディスプレイなどの電子的な表示機器を使って情報を発信するメディアを、デジタルサイネージと総称しています。広告に限らず、店内の案内や社内のお知らせを流す画面も含まれます。
Webの動画やテレビCMとの違い
内容だけを見れば、Webサイトに置く動画やテレビCMと大きくは変わりません。違うのは見られ方です。サイネージの前にいる人は、その動画を見るために来たわけではありません。
| 見られる条件 | 起きること | そのまま作ると | 作り方での工夫 |
|---|---|---|---|
| 自分から見に来ない | 通りがかりや待ち時間に、たまたま目に入る | 前置きから始まる構成では、本題の前に目が離れる | 最初の場面で、何の動画で、自分にどう関係するのかを伝える |
| 音が届かない、出せない | 通りや店内の音にまぎれる。音を出せない場所も多い | ナレーションで説明する動画は、内容が伝わらない | 画面の文字だけで内容が分かるようにする |
| 途中から見る | 動画は繰り返し流れ(ループ再生)、見る人はどこからでも見始める | 前の場面を見た前提の説明は、途中から見た人に通じない | 場面ごとに意味が通るようにし、最後から最初へ自然につなげる |
| 離れて見る | 数メートル先から、歩きながら見ることがある | 小さな文字、細い線、淡い色は読めない | 文字を大きく、少なくし、背景との差をはっきりさせる |
この4つの条件が、この記事で扱う長さ・文字・音・サイズの決め方の前提になります。展示会のブースで流す動画も同じ条件の上にありますが、会場ならではの決め方は展示会動画の作り方で扱っています。
サイネージで動画を流す目的と効果
サイネージで流す動画は、目的によって内容も置き場所も変わります。まず、何のために流すのかを決めます。
| 目的 | 流す内容の例 | 置く場所の例 |
|---|---|---|
| 販促・集客 | 今月のおすすめ、新商品、セールやキャンペーンの告知 | 店頭、ショーウィンドウ、売場、レジ前 |
| 案内 | 営業時間、受付から会計までの流れ、フロアの案内、注意事項 | 受付、待合室、施設の入口 |
| 待ち時間の情報提供 | サービスや商品の説明、季節のお知らせ | 待合室、レジの列 |
| ブランディング | 会社やお店の考え方、世界観を伝える映像 | エントランス、ロビー |
| 社内の周知 | 安全の呼びかけ、社内イベント、手続きのお知らせ | オフィス、工場、休憩室 |
紙のポスターと比べたときの違いは、主に次の3つです。
- 1台の画面で、いくつもの内容を順に流せる。 ポスターなら何枚も貼る内容を、1か所で見せられます。
- 差し替えに印刷と貼り替えが要らない。 内容を変えるときは、新しい動画のファイルを機器に入れ直します。月替わりの商品や、急なお知らせにも合わせやすくなります。
- 動きと時間の流れで見せられる。 商品の使い方や手続きの順番のように、順を追うと分かりやすい内容は、静止した1枚より伝えやすくなります。
効果を確かめるときは、流す前と流した後で、紹介した商品の売上や問い合わせの件数を比べます。画面にQRコードを出して、読み取られた数を見る方法もあります。何を数えるかは、目的を決めた時点で一緒に決めておきます。
設置場所ごとの活用と、動画の作り分け
同じ「サイネージで流す動画」でも、置く場所によって見る人の状態が違い、合う動画も変わります。
| 場所 | 見る人の状態 | 音 | 1本の長さの考え方 | 向く内容 |
|---|---|---|---|---|
| 店頭・ショーウィンドウ | 歩きながら横目で見る。数秒で通り過ぎる | 通りの音で届かない | 1つの場面だけ見ても、何の店で何があるかが分かる短さ | 今月のおすすめ、新商品、セール |
| 売場・レジ前 | 商品を選ぶ間や列に並ぶ間、立ち止まって見る | 店内のBGMや会話と重なる | 数場面を順に見てもらえる | 商品の使い方、組み合わせ、会員やアプリの案内 |
| 受付・待合室 | 座って待つ。同じ人が何周も見ることがある | 静かな場所では、音がかえって気になる | 長めでもよいが、何周見ても飽きない内容にする | 手続きの流れ、サービスの案内、お知らせ |
| エントランス・ロビー | 来訪者が通り過ぎる、少し待つ | 場所による | 短い場面の積み重ね | 会社やお店の紹介、ブランドの映像 |
| オフィス・工場の社内 | 移動や休憩の合間に見る。毎日同じ人が見る | 仕事の妨げにならないよう、控えめにする | 短い内容を、こまめに入れ替える | 安全の呼びかけ、社内イベント、手続きのお知らせ |
| 駅・商業施設の広告枠 | 通行人が歩きながら見る | 媒体の規定による | 媒体が決めた秒数に合わせる | 広告 |
自社の店舗や施設の画面なら、長さも内容も自分で決められます。駅や商業施設の広告枠に出す場合は、秒数・解像度・形式・音の有無が媒体ごとに決まっているので、先に媒体の入稿規定を確かめます。たとえば東京メトロの駅のデジタルサイネージ(MCV)は1枠15秒で、入稿する動画に音声データを入れないよう定めています。JR東日本の駅のJ・ADビジョンも1枠15秒・音声なしです。
1本の長さ(尺)は「見ていられる時間」から決める
サイネージ動画に、どの場所にも当てはまる正解の秒数はありません。決めるときは、その場所で人が画面を見ていられる時間から考えます。
通り過ぎる場所は、1場面で伝わるように作る
店頭や通路のように、人が歩きながら見る場所では、画面が目に入っているのは数秒です。そのあいだに見えた1つの場面だけで、何の店で、何があるのかが分かるようにします。最初から最後まで見てもらうことを前提にせず、1本の長さよりも、1つの場面の短さと分かりやすさを優先します。
後半の作例の店頭の動画は全体で42秒ありますが、1つの場面は2〜5秒ほどで、どの場面にも商品名を出しています。数秒だけ見た人にも、何のパンをいくらで売っているかが伝わる作りです。
待つ場所は、順を追う構成にできる
受付や待合室、レジの列のように、人が立ち止まったり座ったりして見る場所では、数十秒〜数分のあいだ画面が目に入ります。ここでは、手続きの流れのように順を追う内容も伝えられます。
ただし、同じ人が何周も見ることになります。1本を長くするより、短い動画を数本用意して順番に流すほうが、繰り返し見ても飽きにくくなります。USBメモリに入れた複数の動画を順に再生できる機器もあるので、機器の説明書で確かめておきます。
ループで途中から見られることを前提にする
サイネージの動画は、多くの場合ループ再生で流れ続けます。見る人は途中から見始め、途中で見るのをやめます。
- 場面ごとに、前の場面を見ていなくても意味が通るようにします。「さらに」「次に」のように前の場面を受けることばは、画面の文字には使いません。
- 店名や商品名、施設名は、最初と最後の場面だけでなく、途中の場面にも出しておきます。
- 最後の場面と最初の場面を似た見た目にすると、最後から最初へ戻るときの切れ目が目立ちません。
文字の大きさは見る距離から決める
「文字は大きく」とよく言われますが、どのくらい大きければよいかは、見る人が画面からどれだけ離れているかで決まります。同じ大きさの文字でも、1m先なら読めて、5m先では読めません。
見る距離ごとの文字の高さの目安
目安になるのが、国土交通省の「バリアフリー整備ガイドライン(旅客施設編)」にある、駅などの案内表示の文字の高さです。電光掲示のような表示装置にも、この表を参考にするよう書かれています。
| 見る距離 | 文字の高さ | 当てはまる場面の例 |
|---|---|---|
| 1〜2m | 9mm以上 | レジ前、受付カウンター、売場の棚 |
| 4〜5m | 20mm以上 | 店内の通路、待合室の壁の画面 |
| 10m | 40mm以上 | 店頭から通りの向かい側、広いロビー |
| 20m | 80mm以上 | 駅のコンコース、吹き抜けの大型画面 |
出典:国土交通省「公共交通機関の旅客施設に関する移動等円滑化整備ガイドライン(旅客施設編)」令和7年9月版の参考2-2-3(視距離と文字の大きさの目安)。文字の高さは、漢字なら「木」の字の上から下までの高さです。
ガイドラインは、この値を最低限の目安としていて、見えにくい人も読めるようにするには、さらに大きくする必要があるとしています。いちばん伝えたい商品名や見出しは、この値より大きくします。
画面のピクセルに直す
動画を作るときに決めるのは、ミリではなくピクセルです。画面の大きさ(インチ)と解像度が分かれば、文字の高さを何ピクセルにすればよいかを計算できます。
| 見る距離(文字の高さ) | 32インチ | 43インチ | 55インチ | 65インチ |
|---|---|---|---|---|
| 1〜2m(9mm) | 25px | 19px | 15px | 12px |
| 4〜5m(20mm) | 55px | 41px | 32px | 27px |
| 10m(40mm) | 109px | 81px | 64px | 54px |
16:9の画面で、短い辺(横置きなら縦、縦置きなら横)の長さを1080ピクセルで割り、1ピクセルの大きさを求めて換算しました。55インチなら短い辺は約68.5cmで、1ピクセルは約0.63mmです。縦置きでも横置きでも同じ値を使えます。4K(短い辺2160ピクセル)の画面に4Kで作るなら、表の値を2倍にします。
表の値は文字そのものの高さです。編集ソフトで指定する文字の大きさ(フォントサイズ)は、文字の周りの余白を含むため、表の値よりひと回り大きく指定します。
大きい画面ほど、同じ距離で必要なピクセル数は少なくなります。1ピクセルが大きく映るからです。逆に、32インチの画面を5m離れて見る場所に置くなら、文字の高さは55ピクセル以上必要になり、1行に置ける文字数はかなり限られます。
1つの場面に置く文字の量
文字を大きくすると、1つの場面に置ける文字は自然に少なくなります。そのぶん、場面に載せる内容を絞ります。
- 1つの場面で伝えることは1つに絞ります。画面に載せるのも、商品名、ひとことの特徴、価格くらいにとどめます。
- 文章ではなく、短いことばで書きます。「〜となっております」より「〜です」、「〜をご用意しました」より名詞で止めます。
- 背景と文字の明るさの差をはっきりさせます。写真の上に文字を置くときは、文字の後ろに帯を敷くか、写真を暗くします。
- 文字は画面の端に寄せず、周りに余白を取ります。
最後は、実際の画面の前で、見る人が立つ位置まで離れて読めるかどうかで判断します。
音は「なくても伝わる」を基本にする
サイネージの前では、音は届かないもの、出せないものと考えて作ります。店頭では通りの音にまぎれ、店内ではBGMや会話と重なり、待合室やオフィスでは音を出すこと自体が周りの迷惑になることがあります。
- 伝えたい内容は、すべて画面の文字にする。 ナレーションで説明している内容は、要点を画面の文字にも出します。音を消して再生し、文字だけで内容が追えるかを確かめます。
- 離れて見る場所では、字幕は要点を短く出す。 話したことばを全部字幕にすると文字が多くなり、通りがかりの人や離れた場所の人は読み切れません。座って近くから見られる待合室なら、ナレーションをそのまま字幕に出す作り方も使えます(後半の待合室の作例)。
- 音を出せる場所では、補助に使う。 売場で調理の音や効果音を小さく流すように、音は内容を伝えるためではなく、目を向けてもらうきっかけとして使います。
サイズと形式:画面の向き、解像度、ファイル形式
サイズと形式は、動画の出来とは別の問題です。流す機器に合っていなければ、再生されません。作り始める前に、機器の説明書(仕様書)を手元に用意します。
画面の向きと解像度は、置いた画面に合わせる
画面を横に置くなら横型(16:9)、縦に置くなら縦型(9:16)で作ります。画面と動画の向きが合っていないと、映像が小さく映って上下か左右に黒い帯が残るか、引き伸ばされて形がゆがみます。
解像度は、画面の解像度に合わせます。業務用のディスプレイにはフルHD(1920×1080)のものと4K(3840×2160)のものがあり、縦に置いたときは縦横を入れ替えた1080×1920や2160×3840になります。解像度とアスペクト比の考え方は、動画の解像度とアスペクト比の解説で詳しく扱っています。
縦置きの画面では、ファイルの向きを機器の説明書で確かめる
縦置きの画面に縦長の動画を流すとき、ファイルをどう作るかは機器によって違います。メーカーの説明書を見ると、次の3つの方式があります。
- 縦長(1080×1920)の動画ファイルを、そのまま再生する方式
- 機器の設定で、画面の表示を90度回転させる方式
- 縦長に作った映像を90度回転させ、横長(1920×1080)のファイルとして保存して入れる方式
3つめの方式の機器には、説明書の指定どおりに回転させたファイルを用意します。駅の広告枠にも、縦向きに流す映像を90度回転させ、横長のファイルで入稿するよう定めている媒体があります。回転させる向き(右に90度か、左に90度か)も機器や媒体ごとに決まっているので、説明書の指定に合わせます。
ファイル形式は、仕様書の5つの項目を確かめる
業務用ディスプレイやサイネージプレーヤーの説明書を見ると、MP4(映像の圧縮方式はH.264)の動画を再生できる機種が多い一方で、WMVの動画だけを再生する機種もあります。同じメーカーでも機種や発売の時期で変わるので、使う機器の説明書で次の項目を確かめます。
| 項目 | 確かめること | 説明書での書かれ方の例 |
|---|---|---|
| ファイル形式 | 再生できるファイルの種類 | MP4、WMV、MOV、TS |
| 映像の圧縮方式(コーデック) | 再生できる圧縮方式と、その方式で再生できる最大の解像度 | 「H.264は最大3840×2160」「4KはH.265(HEVC)のみ」 |
| フレームレート・ビットレート | 1秒あたりのコマ数と、データ量の上限 | 30fps・60fps、最大80Mbps |
| ファイルの大きさと置き方 | 1ファイルの容量の上限、USBメモリの形式と容量、ファイルを置くフォルダ | 1ファイル2GBまで、FAT32、フォルダに入れずに置く |
| 縦置きのときのファイルの向き | 縦長のまま入れるか、回転させて横長で保存するか | 縦長のまま再生、設定で表示を回転、90度回転させて横長で保存 |
説明書の条件を満たしていても再生できない場合がある、と書いているメーカーもあります。書き出したら、本番と同じ機器で一度再生して確かめます。
NoLangで作れるサイズと形式
NoLangでは、動画を作るときに縦横比を選べます。縦型(9:16)と横型(16:9)のほか、1:1、4:5、2:3、4:3、21:9があり、作った後で別の縦横比に変換することもできます。ダウンロードする動画はMP4形式で、映像の圧縮方式はH.264です。解像度はHD(短い辺720ピクセル)かFull HD(短い辺1080ピクセル)で、縦型をFull HDで書き出すと1080×1920、横型なら1920×1080になります。
デジタルサイネージ動画の作り方
ここまでの決め方を、作業の順番に並べます。デジタルサイネージ映像の制作を制作会社に頼む場合も、1と2は自分で決めて伝えます。
- 1. 流す場所と目的を決める:画面を置く場所、そこで見る人(通りがかりか、待っている人か、社員か)、見てほしい内容と、見た後にしてほしいことを決めます。効果を確かめるなら、何を数えるかもここで決めます。
- 2. 長さと画面の向きを決める:見ていられる時間から1本の長さを決めます。画面の向き(縦型か横型か)と解像度は、設置する画面に合わせます。広告枠なら媒体の規定に従います。
- 3. 場面ごとに、画面に出す文字を決める:1つの場面で伝える内容を1つに絞り、画面に出す文字を短く書き出します。どの場面から見ても意味が通るか、店名や商品名が途中の場面にも出ているかを確かめます。
- 4. 写真や映像を用意して、動画を作る:商品や店内の写真、ロゴなどを集めます。写真は画面の向きに合わせて、切り取っても主役が収まるものを選びます。
- 5. 機器に合う形式で書き出す:機器の仕様書で、再生できるファイル形式・解像度・フレームレートを確かめ、それに合わせて書き出します。
- 6. 実際の画面で確かめてから流す:設置した画面にファイルを入れ、見る人が立つ位置まで離れて、音を消した状態で見ます。文字が読めるか、画面の端で文字が切れていないか、最後から最初へのつなぎが自然かを確かめます。
NoLangで作った2本の作例
ここまでの決め方を、NoLangで作った2本の動画で確かめます。1本目はパン屋の店頭に縦置きした画面、2本目は歯科医院の待合室の壁に横置きした画面を想定した、架空の店と医院の動画です。どちらも音を出さずに流す前提で作りました。
置く場所が変わると、長さ、場面の数、1つの場面に載せる文字の量、画面の向きが変わります。
| 店頭の縦型(パン屋) | 待合室の横型(歯科医院) | |
|---|---|---|
| 見る人 | 店の前を通る人。数秒だけ見る | 座って待つ人。何周か見ることがある |
| 画面の向き | 縦型(9:16) | 横型(16:9) |
| 長さ | 42秒 | 82秒 |
| 場面の数と1場面の長さ | 12場面。1場面は2〜5秒ほど | 10場面。1場面は2〜13秒ほど |
| 構成 | 3つのパンを、名前→特徴→価格の順に1つずつ | 問いかけ→検診を受ける理由→5つの手順→所要時間と相談 |
| 途中から見た人への工夫 | パンの名前を、そのパンの場面のあいだ画面の下に出し続ける | 画面の上に、今が5つの手順のどれにあたるかを①〜⑤で出し続ける |
| 文字の大きさ(フルHDでのフォントサイズ) | パンの名前 87px、説明の字幕 54px | 手順の名前 114px、字幕 51px、箇条書き 45px |
| 音 | ナレーションとBGMが入っているが、内容はすべて画面の文字で読める | 同じ |
店頭の縦型:今月のおすすめパン
最初の場面は、焼きたてのパンが並ぶ天板に「秋の焼きたて、できました。」の一文です。続けて「今月のおすすめパン」と出し、何の動画かを先に伝えます。
そこから3つのパンを1つずつ紹介します。どのパンも、名前、食感を表すひとこと(サクッ、パカッなど)、中身の説明、価格の順で、1つの場面は2〜5秒ほどです。パンの名前は、そのパンの場面のあいだ画面の下に出し続けているので、途中から見た人も、どのパンの話かがすぐに分かります。価格は丸いスタンプにして大きく出しています。
最後に3つのパンを価格つきの一覧にまとめ、「秋の味、どれにしますか?」と問いかけてから、「店内でお待ちしています」で締めます。最後の場面が暗くなってから最初の天板の場面に戻るので、ループのつなぎ目が目立ちません。
3つの商品を順に見せる店頭の今月のおすすめ(縦型)
今月のおすすめパン3つを、店頭の縦型サイネージで音を出さずに流す動画に。 パンの名前と価格を大きく出してください。
待合室の横型:定期検診の受け方
最初の場面は「歯医者さんは、痛くなってから行くところ?」という問いかけです。続いて定期検診を受ける理由と目安の間隔を見せ、「受け方は、かんたん5ステップ」と全体の数を伝えます。
予約、受付、お口のチェック、クリーニング、結果の説明の5つの手順は、どれも左に手順の名前と持ち物などの要点、右にイラストや映像を置いた同じ配置です。画面の上には、今が5つのうちどの手順かを①〜⑤で示しています。座って待つ人が途中から見始めても、今どの手順の話かが分かります。最後は所要時間と相談の案内、次回の予約の案内で締めます。
画面の下には字幕を常に出していて、ナレーションの内容をそのまま読めます。1つの場面に、見出し、要点、字幕と文字が多めに載っているのは、座って何十秒も見ていられる場所だからです。同じ量の文字を、店頭で通りがかりの人に見せても読み切れません。
5つの手順で伝える待合室の案内(横型)
定期検診の受け方を、待合室の横型サイネージで流す案内動画に。 5つの手順に番号を付けて、字幕を常に出してください。
2本の文字を、「文字の大きさは見る距離から決める」の表に当てはめてみます。書き出した動画で文字そのものの高さを測ると、待合室の動画の箇条書きは、漢字で約41ピクセル(フォントサイズは45ピクセル)でした。55インチの画面なら、4〜5m先から読む目安の32ピクセルを上回ります。店頭の動画のパンの名前は、カタカナで約56ピクセル(フォントサイズは87ピクセル)でした。55インチの画面なら、店の前を通る人が4〜5m先から読む目安は大きく上回りますが、通りの向かい側の10m先から読む目安(64ピクセル)には届きません。もっと遠くから読ませたい場所なら、名前をさらに大きくします。
流す前に確かめること
動画ができたら、流し始める前に、本番と同じ機器と場所で確かめます。編集画面では読めた文字も、設置した場所で離れて見ると読めないことがあります。
| 確かめること | 見るところ |
|---|---|
| 機器で再生できる | 書き出したファイルの形式・解像度・向きが説明書の条件に合っているか。USBメモリの形式とファイルを置く場所も含めて、本番の機器で再生できるか |
| 離れた位置から読める | 見る人が立つ位置まで離れて、いちばん小さい文字が読めるか |
| 光で見えにくくならない | 外の光や照明が画面に映り込まないか。昼と夜、照明を点けたときと消したときで見る |
| 音がなくても伝わる | 音を消して、初めて見る人のつもりで、何の店(施設)で何の話かが分かるか |
| 途中から見ても分かる | 適当な場面から見始めても、意味が通るか |
| ループのつなぎが自然 | 最後から最初へ戻るところで、不自然な切れ目がないか。動画が切り替わるときに一瞬黒い画面が入る機器もあるので、続けて何周か再生して確かめる |
| 情報が正しい | 価格、日付、キャンペーンの期間、営業時間が正しいか。期限のある情報は、いつ差し替えるかも決めておく |
| 素材を店頭で流してよい | 写真、イラスト、音楽、フォントの使用条件が、店頭や施設で流す使い方を認めているか |
作った動画を更新し続ける
サイネージは、流し始めてからも中身を入れ替えていくものです。同じ動画を何か月も流していると、毎日前を通る人には見慣れた画面になり、目に留まりにくくなります。
- 入れ替える時期を、最初に決めておく。 月替わりの商品、季節、キャンペーンの期間など、内容が古くなる日を動画を作るときに書き出しておきます。期限のある情報を出すなら、終わる日に差し替える準備もしておきます。
- 毎回ゼロから作らない。 構成と見た目を決めた1本を型にして、次からは商品名、写真、価格などの中身だけを入れ替えます。作るたびに文字の大きさや場面の長さを決め直さずに済み、流す前の確認も変わった箇所に絞れます。
- ファイル名に時期を入れる。 機器に入れる動画のファイル名に「2026-11」のように時期を入れておくと、差し替えのときに古いファイルと取り違えにくくなります。
作例の2本も、NoLangのテンプレートにしてあります。テンプレート紹介の「このテンプレートで動画を作る」から始めると、構成と見た目はそのままに、自分の店の商品や自分の施設の手順に入れ替えた動画を作れます。
店頭や待合室で流す動画を社内で作り続けるなら、NoLangを使う方法もあります。手元の写真や資料、文章から、縦型と横型のどちらの動画も作れます。会社での使い方はお問い合わせから相談でき、詳しい資料は下のボタンから請求できます。
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