展示会動画の作り方|音が届かない・途中から見られる会場で伝わる構成

この記事の要点

  1. 展示会場には、音が届かない・途中から見られる・遠くから短時間だけ見られるという三つの条件が重なります。ふだんの動画をそのまま流すと、この三つの条件によって内容が届きません。
  2. ブースのどこで流すかで役割が三つに分かれます。通路側は足を止めてもらう、ブース内は何ができるかを理解してもらう、商談席は詳しく見せる、です。
  3. 長さは覚える数字ではなく、モニターの向き・立ち止まる時間・場面数から決めます。通路側とブース内の動画は、どの場面から見始めても意味が通る作りにします。
  4. 通路側・ブース内・商談席のそれぞれに合うNoLangのテンプレートを1本ずつ選び、完成した動画を並べました。置き場所が変わると場面数・文字の量・音の扱いがどう変わるかを、動画で確かめられます。
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会期まで数週間。ブースで流す動画を用意することになって、まず思い浮かぶのは、去年作った会社紹介動画か、サイトに置いてあるサービス紹介の2分の動画でしょう。あれを持っていけば形にはなる、と考えます。

ところが当日、会場に立つと様子が違います。 通路は来場者の話し声と他社ブースの音で埋まっていて、動画のナレーションは自分のブースの前ですら聞き取れません。来場者は歩きながら画面を横目で見て、そのまま通り過ぎていきます。冒頭で「こんなお悩みはありませんか」と問いかける構成では、その問いかけが誰にも届かないまま2分間が過ぎていきます。

見直すべきは動画の出来ではなく、どこから見られても、音がなくても伝わる作りにすることです。 この記事では、会場の条件から展示会動画の設計を決めていきます。ブースのどこで流すかで役割を三つに分け、1周の長さと画面に出す文字を自分の条件から決め、会場で流す前の確認手順まで順を追って解説します。そのうえで、通路側・ブース内・商談席のそれぞれに合うNoLangのテンプレートを1本ずつ選び、完成した動画を並べました。置き場所が変わると何が変わるのかを、動画そのもので確かめられます。

展示会動画とは:会場の三つの条件が、ふだんの動画との違いを作る

展示会動画とは、展示会のブースや会場で流して、通りかかった来場者に自社と商品を知ってもらうための動画です。会社紹介、商品・サービスの紹介、発売前のティザー、イメージを伝えるプロモーションと、内容そのものはWebサイトに置く動画と大きくは変わりません。

違いは、見られる場所にあります。展示会場には、Webサイトやスマートフォンの画面にはない条件が三つ重なっています。

展示会場の三つの条件と、動画の作り方への影響
会場の条件会場で起きることそのまま作ると起きること作り方でどう受けるか
音が届かない来場者の話し声と他社ブースの音があり、自社ブースの前でもナレーションは聞き取れない。音量を上げれば隣のブースの妨げになる音声で説明する構成では内容が伝わらない。冒頭の問いかけも届かない画面の文字だけで内容が読み取れるようにする
途中から見られる画面はループ再生され、通りかかった人が任意の時点から見始める冒頭から順に積み上げる構成は、途中から見た人に意味が通らない場面ごとに独立して読めるようにし、最後から冒頭へ戻る切れ目を目立たせない
遠くから短時間だけ見られる通路を歩きながら数秒。距離があり、会場の照明は明るい小さい文字、淡い色、細かい図は読めないまま通り過ぎられる文字を大きく、背景と差のある色にして、1場面に一つのことだけ置く

三つの条件を受けた作りにすると、動画の役目が変わります。

通路を歩いている人が立ち止まるきっかけになり、立ち止まった人に対しては、スタッフが同じ説明を最初から繰り返さなくても話の前提がそろう状態を作れます。大きくてブースに持ち込めない機械や、形のないサービスのように、その場に置けないものも見せられます。展示台に実物を並べられない出展者にとっては、動画が実物の代わりになります。

ブースのどこで流すかで、動画の役割が三つに分かれる

1本作れば、通路でもブース内でも同じものを流せばよいのでは、と考えたくなります。そう済ませたい、というのが正直なところです。

ただ、通路を歩いている人と、立ち止まって話を聞いている人では、その画面に求めるものが違います。歩いている人が知りたいのは「ここは何屋で、自分に関係があるか」だけで、立ち止まった人はその先の「具体的に何ができるか」を知りたい。商談席に座った人は、さらに細かい条件を確かめています。

置き場所で分けると、三つになります。小売の売り場づくりでVP・IP・PPと呼ばれる分け方が、展示会の解説でもよく使われます。呼び方はどれでもよいので、この記事では置き場所の言葉で通します。

置き場所ごとの役割と条件
置き場所見る人の状態動画の役割長さの目安音の扱い画面の例
通路側歩いている。数秒だけ視界に入る足を止めてもらう15〜60秒届かない前提通路に向けた大きめのモニター
ブース内立ち止まっている何ができるかを理解してもらう1〜2分届かない前提展示物の横のモニター
商談席座って話している。スタッフが再生を始める詳しく見せて、導入の判断をしてもらう3〜5分使えるタブレット、手元のモニター

三つに分けると、それぞれの動画から余計なものが落ちます。通路側の動画に会社の沿革を入れる必要はなく、商談席の動画で「何屋か」を大きく出し直す必要もありません。逆に1本で兼ねる場合は、前半の20〜30秒に足を止めるための内容を置き、そのあとに説明を続ける作りがよく採られます。この作りなら通路のモニターでも商談席のタブレットでも使えますが、通路で見る人には長く、商談席で見る人には浅い動画になります。

どれか一つから始めるなら、通路側です。立ち寄ってもらえなければ、ブース内の動画は誰にも見られません。

なお、商品やサービスそのものをどう訴求するかは置き場所とは別の話で、商品紹介動画の作り方とサービス紹介動画の作り方で扱っています。この記事では、そうした紹介内容を展示会場の条件に合わせる部分に絞って解説します。

1周の長さを決める:秒数の正解ではなく、自分の条件から決める

展示会動画の長さを調べると、数字がそろいません。足を止めるための動画は5〜15秒だと書いてある解説もあれば、15〜30秒、30〜60秒を基準に、60秒でループさせるのが最も効果的、と書いてあるものもあります。どれも展示会の現場を踏まえた目安ですが、一つ選んで覚えたところで、自分のブースで正しいかは分かりません。

長さは、次の順で決めると自分の条件から出せます。

  • 通路での見え方:モニターが通路のどちらを向くかで、歩いている人の視界に画面が入っている時間が決まります。通路と正対していれば長く、通路と平行なら一瞬です。
  • 立ち止まった人の滞在:足を止めた人がその場にとどまる時間が、動画で伝えるべき分量の目安になります。展示会の解説では20秒前後という目安がよく挙げられます。
  • 場面への割り振り:伝えたいことを場面に分け、1場面あたりに読める文字数で割ると、1周の長さが出ます。
置き場所ごとの長さの決め方
置き場所解説でよく挙がる目安決めるときに見る条件場面数の目安この記事の作例
通路側5〜60秒(記事によって幅がある)モニターの向きと通路の幅、立ち止まる人の滞在時間4〜8場面27.1秒・7場面
ブース内1〜2分展示物を見ながら視線を移す回数、スタッフが話しかけるまでの時間8〜15場面66.5秒・8場面
商談席3〜5分商談に使える時間のうち、動画に割ける割合通しで見る前提なので場面数で決めない75.4秒・15場面

右端は、この記事の後半で置き場所ごとに選んだ3本の実測です。商談席の作例は75秒で、目安の下限より短い動画です。展示会の商談席で座っていられる時間のうち、動画に割けるのは前半の数分だけなので、短い動画でも、商談の始めに見せる動画としては役目を果たせます。

通路側とブース内の画面には、もう一つ条件が加わります。どの場面から見始めても意味が通ることです。

具体的には三つあります。各場面の文字を、その場面だけで読めるようにすること。「そこで」「このように」のように、前の場面を受けた言い方を使わないこと。そして、最後の場面から冒頭へ戻ったときに、切れ目が目立たないようにすることです。商談席の動画はスタッフが再生を始めるので、この条件は外れます。通しで見る前提で順序を組めます。

音が聞こえない前提で、何を文字にするか

手元のサービス紹介動画に字幕を付ければ済むのではないか、と考えたくなります。この考えは半分だけ合っています。

字幕は音声の書き起こしなので、話した順序のまま文字になります。話し言葉は、結論にたどり着くまでに前置きを置きます。ところが展示会で先に伝えたいのは、話の順序ではなく「何屋か」です。字幕を付けただけの動画は、通路の来場者が読める数秒のあいだ、前置きを表示していることになります。

何を文字にするかについては、展示会の解説でも見解が分かれます。一方は「音が届かないので、まず自社が属するカテゴリを大きく出し、できることをテンポよく並べる。『こんなお悩みはありませんか』という問いかけは、音がないと成立しない」という主張です。もう一方は「文字に頼りすぎると映像ではなくスライド資料になる。文字は一つか二つのキーワードにとどめ、映像そのもので伝える」という考え方です。

どちらを採るかは、見せるものが画で伝わるかどうかで決まります。機械が動く様子、現場の作業、料理ができあがる過程のように、画そのものが説明になるものは、文字を減らして映像を大きく見せたほうが伝わります。仕組みや形のないサービスのように画にならないものは、文字で伝えるほかありません。自社の商材がどちらかを決めてから、文字の量を決めます。

文字の量そのものは、読める速さから逆算します。1場面に1つの文、歩きながら読み切れる長さ、そして背景と十分に差のある色。装飾的な細い書体や、写真の上に薄く重ねた文字は、明るい会場では読めなくなります。

生成した動画の文字は、あとから直せます。NoLangの編集画面では、ナレーションで読む文が中央の「読み上げ台本」に、画面に出す文字が右のタイムラインの「テキスト」の列に分かれています。プレビューで文字を選べば、読み上げはそのままで画面の文字だけを短くする、といった直し方ができます。

NoLangの動画編集画面。中央の「読み上げ台本」の欄と、右のタイムラインの「テキスト」の列が分かれている

作ってみる:通路側の1本をテンプレートから作る

ここからは、NoLangのテンプレートを置き場所ごとに1本ずつ選び、その完成動画で作りを見ていきます。 3本はそれぞれ別の架空の企業の動画で、同じ会社が作った3本ではありません。見比べるのは題材ではなく、場面の数、1場面の長さ、画面に出す文字、音の扱いです。自社で使うときは、写真や映像と文を自社のものに差し替えます。

想定するのは、通路に面した横型モニターが1台、ブース内にもう1台、商談席にタブレットを置くブースです。

通路側に選んだのは、写真と3つの特徴で会社や施設を紹介するテンプレートです。架空のコワーキング「まちのワークラウンジ」の27秒の動画で、場面は7つあります。

X01:通路側の動画の場面表(実測27.1秒・7場面)
場面画面に出す文字見せるもの秒数
1はたらく場所を、もっと自由に。
まちのワークラウンジ
白地にサービス名3.0
2ワークラウンジの3つのポイントラウンジ・相談・デスクの写真を3列に並べる3.7
301 集中できる空間、仕事がはかどる環境。
02 ひとりでも、チームでも、働き方に合わせて使える。
03 いつもの街でも、新しいつながりが生まれる。
3列の写真に番号と説明を重ねる6.7
4あなたに「自分らしく働ける場所」という選択肢を。
毎日の仕事に、心地よい時間を。
スタッフの集合写真4.4
5(場面4と同じ文)入口・ラウンジ・会議室・受付・外観の5枚3.4
6全国の街に、働ける場所を日本地図と拠点の写真3.9
7NEXT PLACE
まちのワークラウンジ
白地に社名とサービス名2.0

場面4と5は同じ文を出したまま、写真だけを入れ替えています。読む文字が変わらないので、途中から見た人も読み直さずに済みます。

最初と最後の場面は、どちらも白地にサービス名を出す画面です。最後から冒頭へ戻っても同じ画面が続くので、ループの切れ目が目立ちません。場面2〜6には読み上げも入っていますが、どの場面にも画面の文字があるので、音を消しても何の施設で何ができるかは追えます。

写真と3つの特徴で伝える会社・施設紹介

施設の写真で、展示会の通路に向けた30秒ほどの紹介動画に。 3つの特徴を番号つきで見せ、最初と最後にサービス名を出してください。

このテンプレートで動画を作る

音を出さずに再生して、何の会社で何ができるかが読み取れるかを確かめてください。読み取れるなら、通路側の動画としては足ります。

作り始めるときは、上の「このテンプレートで動画を作る」を押します。NoLangのホームが開き、入力欄にこのテンプレートが参照動画として入った状態になります。入力欄に自社の施設やサービスの内容と特徴を書き、使いたい写真は左下の「+」から添えて、「動画を生成」を押します。

NoLangのホーム画面。入力欄にテンプレートが参照動画として入っている

借りるモニターが縦置きなら、生成する前に入力欄の「横型」を押して、画面の向きを「縦型(9:16)」に切り替えます。1:1や4:3も選べるので、モニターの比率に近いものを選んでください。

入力欄の「横型」を押して開いた画面の向きのメニュー。横型(16:9)や縦型(9:16)などを選べる

ブース内用と商談席用を足す

通路側の1本を持ってブースに立つと、次の状況が見えてきます。画面で足を止めた来場者が、ブースに入ってきます。そこで同じ数十秒がもう一周流れても、その人が次に知りたいこと、つまり自分の会社で使えるのかどうかには答えられません。

ブース内のモニターは、その次に答える場所です。音が届かないのは通路と同じなので、文字で読める作りも同じ。変わるのは、読んでもらえる量です。

ブース内に選んだのは、導入企業3社の話でサービスを紹介するテンプレートです。架空の採用管理サービス「TeamHire」の66秒の動画で、場面は8つあります。

X02:ブース内の動画の場面表(実測66.5秒・8場面)
場面画面に出す文字見せるもの秒数
1デジタル人材採用を加速する 採用管理システム
TeamHire
ノートPCに映る製品画面5.2
2TeamHire の提供価値
自動で候補者情報を一元化/現場メンバーとの情報共有を促進/採用に関するデータの有効活用
黒地に3つのアイコン。1つ目を明るく2.5
3会社名・氏名
25以上の媒体と自動で連携
(発言の字幕)
1社目の担当者の話と製品画面15.1
4場面2と同じ3項目2つ目を明るく2.5
5会社名・氏名
Slackと連携、現場メンバーとの情報共有を促進
(発言の字幕)
2社目の担当者の話とスマホの通知画面15.1
6場面2と同じ3項目3つ目を明るく2.5
7会社名・氏名
詳細なレポート・分析サービスでデータドリブンな採用活動
(発言の字幕)
3社目の担当者の話と採用レポートの画面21.3
8デジタル人材採用を加速する 採用管理システム
候補者情報・現場連携・採用分析をひとつに
製品画面とサービス名2.3

3つの価値を並べた場面が、事例の前に1回ずつ、合わせて3回出ます。途中から見た人も、長くて30秒ほど待てばこの一覧に戻り、何のサービスで何ができるかを文字で読めます。

事例の場面では、担当者の発言を字幕で出しています。前の節で、字幕を付けただけの動画は数秒のあいだ前置きを表示してしまう、と書きました。この動画では、何ができるかを価値の一覧と図解の文字で先に示し、字幕には事例の中身を読ませる役割を持たせています。事例の中でも、図解に切り替わる区間では、字幕ではなく「25以上の媒体と自動で連携」のような図の見出しを大きな文字で出しています。人物が話す区間の字幕は歩いている人には読み切れませんが、立ち止まっている人なら、見出しと字幕を追って15秒ある事例を読み進められます。

3つの導入事例で伝える採用管理SaaSのサービス紹介

製品の画面と導入企業3社の担当者の映像で、ブース内のモニター用のサービス紹介動画に。 3つの価値を見出しにして、事例ごとに発言を字幕で出してください。

このテンプレートで動画を作る

入力も変わります。通路側は写真だけで作れましたが、事例を見せるブース内の動画には、話している人の映像が要ります。

商談席は、条件が三つとも変わります。スタッフが再生を始めるので途中から見られる前提が外れ、相手は座っていて画面が近く、声が届きます。ここで前の2本と同じ作りを続けると、読む文字が多すぎて、スタッフの説明の妨げになります。

商談席に選んだのは、説明をナレーションに任せる企業紹介のテンプレートです。架空のICT保守会社「アステラサポート」の75秒の動画で、場面は15あります。画面に出続ける文字は左上の略称「AST」だけで、キーメッセージが出るのは終盤の3場面です。場面1〜11では、読み上げを画面下に字幕でも出しています。

X03:商談席の動画の場面表(実測75.4秒・15場面)
場面画面に出す文字読み上げ秒数
1AST変わらぬ日々を届けるため、私たちは変わり続ける。6.4
2ASTICTシステムのトータルサポートサービスカンパニー、アステラサポート。4.4
3AST
24H365DAYS
医療/公共/流通
私たちはこれまで、24時間、365日、さまざまな業種のお客様のもとへ駆けつけ、この国のデジタル環境から人の暮らしまで、守り続けてきた。12.0
4・5AST例えば、あらゆるICTサービスを前進させる、課題解決型ソリューション。オファリング型のマネージドサービス。5.4/2.3
6ASTITインフラの設計から管理、ヘルプデスク、セキュリティ、クラウド運用までを網羅し、ワンストップで提供するビジネスモデルです。7.9
7・8ASTさらに、アステラサポートで注力している保守DX。保守受付からカスタマーエンジニア手配までの一連の流れを、AI活用により自動化。3.9/6.4
9ASTその先の保守作業についても現場作業をナビゲートし、全国均一レベルの高品質な保守を提供。7.8
10・11AST培ってきた知見を網羅的に生かして、未来の課題へ先回りする。すべては、お客様と社会のために。4.7/2.6
12いつもの今日を、ともに創る。
まだ見ぬ明日へ、ともに挑む。
画面の文字と同じ4.4
13・14デジタル環境から人の暮らしまで
トータルサポートサービスカンパニー
デジタル環境から、人の暮らしまで。トータルサポートサービスカンパニー。2.5/2.2
15アステラサポートなし2.5

場面4から9で事業の中身を説明していますが、そのあいだ画面に出るのは略称と字幕だけです。通路やブース内で流すと、音が届かないぶん小さな字幕を追うしかなく、読み切れません。座って話を聞いている相手には音声で届くので、画面を人と現場の映像に使えます。

実写とキーメッセージで伝える企業紹介

自社の事業と強みを、仕事の現場の映像とナレーションで伝える企業紹介動画に。 画面の文字はキーメッセージだけにして、説明は読み上げてください。

このテンプレートで動画を作る

3本を並べると、置き場所で何が変わったかが数字に出ます。

置き場所ごとに選んだ3本を比べる(実測値)
通路側ブース内商談席
長さ27.1秒66.5秒75.4秒
場面数7815
1場面あたり3.9秒8.3秒5.0秒
画面の文字(1場面あたり、字幕を除く)33字50字8字
音声読み上げ5場面(字幕なし)ナレーション1場面、発言3場面(字幕あり)読み上げ14場面(うち11場面に字幕)
入力写真8枚人物と製品画面の映像仕事の現場の映像

通路側からブース内へ移ると、1場面の長さも画面の文字も増えます。ブース内の動画は、3秒に満たない価値の一覧を挟みながら、事例の場面に15秒以上をかけています。立ち止まっている人が相手なら、それだけの長さの場面も読み進めてもらえます。

商談席の動画だけは、傾向が逆になっています。場面数は一番多いのに、画面の文字は1場面あたり8字。説明がナレーションへ移ったぶん、画面は映像とキーメッセージに使えます。音が使えるかどうかで、作りがここまで変わります。

ただし3本は題材も違うので、数字の差には、施設・サービス・企業という題材の違いも混ざっています。自社で作るときは、この3本を作り方の目安にとどめ、場面の数と文字の量は、1周の長さを決める手順に沿って自社の条件から決めてください。

3本すべてを用意しなければならない、という話ではありません。必要な役割から作れば足ります。場面表の書き方そのものは動画の構成案テンプレートで扱っています。

会場で流す前に確かめる

作り終わったら、あとは当日ファイルを持っていけばよいと考え、そのまま本番を迎えると、明るい会場で色が飛んで文字が読めない、借りたモニターの比率が合わず左右に黒帯が出る、といった問題が起こります。会期中に直す時間はありません。

会場で流す前の確認
確かめること確かめ方合っていないときに直す場所
画面の比率と向き出展要項とレンタル機材の仕様書で、モニターの解像度と設置の向き(横置きか縦置きか)を確認し、動画の比率と合わせる動画の画面の向き。作り直す前に、別の比率で書き出せるかを確かめる
明るいところでの見え方作業した部屋ではなく、明るい場所で画面を見る背景と文字の色の差
想定の距離からの読みやすさ本番と同じ大きさで表示し、通路に相当する距離まで離れて見る文字の大きさと、1場面に置く文字の量
途中から見たときの分かりやすさ再生の途中から見始めて、何屋で何ができるかが分かるか確かめる各場面の文字
繰り返し再生会場で使う再生機器(モニター本体、メディアプレーヤー、持ち込みのノートPC)で、繰り返し再生の設定ができるか確かめる再生機器側の設定と、動画の末尾から冒頭へのつながり
ファイル形式再生機器がその形式を読めるか、USBメモリから再生できるかを事前に試す書き出しの形式
商談席の音量座った位置で聞こえ、隣のブースまでは届かない音量か確かめるスピーカーの向き、または音量

電源の容量、搬入の時間、音量の規定、持ち込み機材の可否は、会場と主催者ごとに違います。出展要項を読み、分からないところは事務局に聞いてから決めてください。

展示会が終わったあと

会期の数日で終わりにする理由はありません。作った動画は、そのまま置き場所を変えられます。

ブース内用の動画は、内容が「何ができるか」なので、Webサイトの商品ページにそのまま置けます。商談席用の動画は、展示会で会えなかった相手との商談でも同じように使えます。営業が送る資料にリンクを添えておけば、説明の前提がそろった状態で打ち合わせを始められます。商談のどの場面でどう見せるかは営業動画の作り方で扱っています。

通路側の動画は短く、単体では説明が足りないので、SNSの投稿や広告の素材として使うほうが向いています。

外注するか、自分で作るか

撮影を伴う動画を作るには、撮影の体制が要ります。工場の現場、機械が動く様子、人が話す場面を本格的に撮るなら、制作会社に頼んだほうが確実です。展示会の解説では、開催の2〜3か月前に動き始め、制作期間は4〜8週間という進め方が共通して示されています。

外注するか内製するかの判断は、次の三つの軸で整理できます。

  • 会期までの日数:2か月を切っているなら、撮影を伴う制作は間に合わない可能性があります。手元の写真と文章から作るほうが現実的です。
  • 必要な本数:通路側・ブース内・商談席を分けるなら3本になります。1本ずつ外注するか、自分で作るかで、かかる費用と手間が変わります。
  • 直しの回数:社内の確認工程が何段階に分かれているかです。修正の回数に上限がある外注では、確認の段階が多いほど調整が要ります。

費用の目安は動画制作の費用相場にまとめています。外注する場合は、目的・相手・予算・参考にしたい動画を先に整理しておくと提案の精度が上がります。整理する項目は動画制作の企画書テンプレートを使ってください。

よくある質問

展示会動画は何秒にすればよいですか
置き場所で変わります。通路側で足を止めてもらう動画は、解説によって5〜60秒と幅がありますが、いずれも短くまとめてループ再生する前提です。ブース内で見せる説明の動画は1〜2分、商談席で見せる動画は3〜5分が目安として挙げられます。数字を一つ選ぶより、モニターが通路のどちらを向くか、立ち止まった人がその場にいる時間はどれくらいかを見て、伝えたいことを場面に割ってから決めてください。
動画は何本用意すればよいですか
通路側・ブース内・商談席で見る人の状態が違うので、分けて作ると、それぞれの動画から余計なものが落ちます。1本で兼ねる場合は、前半20〜30秒に足を止めるための内容を置き、そのあとに説明を続ける作りがよく採られます。この作りは通路のモニターでも商談席のタブレットでも使えますが、通路で見る人には長く、商談席で見る人には浅くなります。1本から始めるなら通路側です。
既存の会社紹介動画をそのまま流してもよいですか
流すこと自体はできます。ただし、音声で説明する構成になっている場合は、会場では内容が伝わりません。直すところは三つあります。音を消しても画面の文字だけで内容が読み取れるようにすること、どの場面から見始めても意味が通るようにすること、そして遠くから読める文字の大きさと色にすることです。沿革や理念の場面が長い場合は、通路側では外して、商談席用に残す分け方もできます。
ナレーションは入れたほうがよいですか
置き場所で変わります。通路側とブース内は会場の騒音で音声が届かず、音量を上げると隣のブースの妨げになるため、画面の文字だけで内容が読み取れる作りにします。商談席は相手が座っていて距離が近いので、ナレーションが使えます。この場合は画面の文字を減らして、説明を音声に載せたほうが読みやすくなります。
縦型のモニターでも使えますか
使えます。借りるモニターが縦置きなら、動画も縦の比率で作ってください。NoLangでは動画を作るときに画面の向きを選べて、横型16:9、縦型9:16のほか、1:1・4:5・2:3・4:3・21:9からも選べます。出展要項やレンタル機材の仕様書で、モニターの解像度と設置の向きを先に確認しておくと、当日に左右の黒帯が出るのを防げます。
海外からの来場者にも伝わるようにするには
画面の文字を減らし、何の会社で何ができるかが画そのものから分かる構成にすると、言語によらず伝わりやすくなります。そのうえで言語ごとに動画を分けて用意する方法もあります。NoLangは34言語の出力に対応しているので、同じ構成のまま別の言語の動画を作れます。日本語と英語を1画面に同時に載せる場合は、読む文字が2倍になるため、1場面の情報量を減らしてください。
制作会社に依頼すると費用はどのくらいかかりますか
内容によって幅が大きく、既存素材を組み合わせる簡易なものと、撮影や3DCGを伴うものでは桁が変わります。目的別・依頼先別の目安は、動画制作の費用相場を扱った記事にまとめています。見積もりを取るときは、何本必要か、撮影が要るか、修正は何回までかを先に決めておくと、比較できる見積もりになります。
どのくらい前から準備すればよいですか
展示会の解説では、開催の2〜3か月前に動き始め、制作期間は4〜8週間という進め方が共通して示されています。撮影や3DCGを伴う場合はさらに時間がかかります。会期まで2か月を切っている場合は、撮影を伴わない作り方、つまり手元の写真・資料・文章から作る方法に切り替えると間に合わせやすくなります。
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