YouTubeのアノテーションは、動画の再生中に、文字の枠やほかの動画へのリンクを重ねて表示できた機能です。 2017年5月に新しく作ることも直すこともできなくなり、2019年1月15日には、すでに付いていたアノテーションも表示されなくなりました。 いま、動画の途中や最後でほかの動画やチャンネル登録を案内するには、カードと終了画面を使います。
この記事では、アノテーションがどんな機能だったか、廃止までの経緯とYouTubeが挙げた理由、代わりに使うカードと終了画面の条件と使い分けを説明します。 内容は、2026年10月19日時点のYouTubeの公式ブログとYouTubeヘルプに基づいています。 なお、AIの学習データに目印を付ける作業も「アノテーション」と呼ばれますが、この記事で扱うのはYouTubeの機能です。
YouTubeのアノテーションとは
アノテーションは、2008年6月にYouTubeが始めた機能です。 投稿者は、動画の任意の時点に文字の枠を重ね、補足の説明を書いたり、ほかの動画やチャンネルへのリンクを付けたりできました(YouTube公式ブログ、2008年6月4日)。 英語の annotation は「注釈」という意味です。
アノテーションの5つの種類
当時のYouTubeヘルプでは、アノテーションの種類を次の5つとしていました。
| 種類 | できたこと |
|---|---|
| 吹き出し | 文字を入れた吹き出しを、動画の上に出す |
| メモ | 文字を入れた四角い枠を出す |
| タイトル | 動画の上に、題名の文字を重ねる |
| スポットライト | 動画の一部を枠で囲み、マウスを重ねると文字を出す |
| ラベル | 動画の一部を示して、名前を付ける |
枠にはリンクを付けられ、ほかの動画、自分のチャンネル、再生リストへ案内したり、チャンネル登録を呼びかけたりできました。 枠の大きさはプレーヤーの30%までで、表示する時間は開始と終了の時間を指定して決めました。
パソコンでしか表示されなかった
アノテーションが表示されたのは、パソコンで見るYouTubeのプレーヤーと、ほかのサイトに埋め込んだプレーヤーです。 スマートフォン、タブレット、テレビでは表示されませんでした(当時のYouTubeヘルプ「アノテーションの作成および編集」による。リンク先はWayback Machineに保存された2015年の版)。 この点が、のちの廃止の大きな理由になります。
アノテーションが廃止された経緯と理由
アノテーションは、代わりの機能が出そろってから、2段階で廃止されました。
| 時期 | できごと |
|---|---|
| 2008年6月 | アノテーションの提供が始まる |
| 2015年3月 | カードの提供が始まる |
| 2016年10月 | 終了画面の提供が始まる |
| 2017年5月2日 | アノテーションを新しく作ることも、直すこともできなくなる |
| 2019年1月15日 | 付いていたアノテーションの表示が終わり、すべて削除される |
カードを始めたとき、YouTubeはカードを「アノテーションの発展形」と呼び、モバイルでも動くカードでいずれアノテーションを置き換えると説明していました(YouTube公式ブログ、2015年3月16日)。 終了画面を始めたときには、パソコンでしか表示されないアノテーションで動画の最後の案内を手作りしていた投稿者に、その手間が要らなくなると伝えています(YouTube公式ブログ、2016年10月26日)。
2017年3月16日、YouTubeはアノテーションを作るエディタの終了を発表しました。 5月2日からは、アノテーションを削除することしかできなくなりました。 すでに付いていたアノテーションは、このときはまだパソコンで表示されていました。 その後、YouTubeヘルプで、2019年1月15日をもって既存のアノテーションの表示を停止し、すべて削除すると告知されました(YouTubeヘルプの告知。リンク先はWayback Machineに保存された2018年12月の版)。
YouTubeが挙げた廃止の理由
2017年の発表で、YouTubeは廃止の理由を次のように説明しています(YouTube公式ブログ、2017年3月16日)。
- モバイルで表示されない。 アノテーションはモバイルが広がる前の2008年に始まった機能で、モバイルでは表示されませんでした。発表の時点で、YouTubeの視聴時間の60%はモバイルでした。
- 使われなくなった。 終了画面とカードが広がるにつれて、アノテーションの利用は70%以上減りました。
- 視聴者に押されにくい。 YouTube全体で、終了画面とカードはアノテーションの7倍クリックされていました。視聴者は、平均で12個のアノテーションを閉じてから、ようやく1つをクリックしていたといいます。アノテーションをオフにする視聴者も増えていました。
- 終了画面のほうが作りやすい。 動画の最後の案内は、アノテーションで作るより終了画面のほうが、最大で10倍速く作れます。
いまはアノテーションを使えない
2019年1月15日からは、アノテーションは作れず、表示もされません。 昔の動画に付けていたアノテーションも、削除されたので見られません。 動画の途中や最後で案内したいときは、アノテーションの代わりに、次に説明するカードと終了画面を使います。
代わりに使う機能:カードと終了画面
アノテーションでしていた案内は、いまはカードと終了画面で行います。 どちらも、YouTube Studioで動画ごとに追加し、あとから変えられます。
カード(情報カード)
カードは、動画の再生中に、指定した時間に小さな案内(ティーザー)を出す機能です。 視聴者がティーザーやプレーヤーのカードのアイコンを押すと、カードが開き、案内した動画などへ進めます。 YouTube Studioでの名前は「情報カード」です。
- 置けるのは、動画、再生リスト、チャンネル、リンクの4種類です。
- 1本の動画に5枚まで置けます。
- リンクのカードで外部のサイトへ案内できるのは、YouTubeパートナープログラム(YPP)に参加しているチャンネルです。
- 子ども向けに設定した動画では使えません。
条件は、YouTubeヘルプの動画に情報カードを追加するで確かめられます。
終了画面
終了画面は、動画の最後の5〜20秒に、ほかの動画や再生リスト、チャンネル登録のボタンなどを重ねて表示する機能です。
- 25秒以上の動画で使えます。
- 16:9の動画では、要素を4つまで置けます。
- 置けるのは、動画、再生リスト、チャンネル登録、チャンネル、リンク(YPPに参加しているチャンネルだけ)です。
- 子ども向けに設定した動画、モバイル版のウェブサイト(iPad向けを除く)、YouTube Musicのアプリ、360°動画では表示されません。
- 視聴者は、再生中に終了画面を非表示にできます。
要素の置き方や、要素を置く場所を空けたエンディングの作り方は、YouTubeの終了画面の設定方法で詳しく説明しています。
アノテーションでしていたことの置き換え先
アノテーションの使い方ごとに、いま使う機能をまとめると次のようになります。
| アノテーションの使い方 | いま使う機能 |
|---|---|
| 途中で、関連する動画や再生リストを案内する | カード(動画・再生リスト) |
| ほかのチャンネルを紹介する | カード(チャンネル)、終了画面(チャンネル) |
| 最後に、次の動画やチャンネル登録を案内する | 終了画面 |
| 外部のサイトへ案内する | カードと終了画面のリンク(YPP参加後)、動画の説明 |
| 補足の説明や題名を、画面に文字で出す | 動画の中の文字(テロップ) |
カードと終了画面は、ほかの動画やチャンネル、サイトへ案内するための機能です。 吹き出しやメモのように補足の説明を画面に出したいときは、動画を編集するときに、テロップとして映像の中に入れます。 映像に入れた文字は、パソコンでもスマートフォンでも同じように表示されます。 テロップの入れ方は、テロップとは?字幕との違いと動画への入れ方で説明しています。
YPPに参加する条件は、YouTubeの収益化の条件と申請の流れで説明しています。
カードと終了画面の使い分け
カードと終了画面は、出る時間と置けるものが違います。
| 項目 | カード | 終了画面 |
|---|---|---|
| 出る時間 | 動画の途中の、指定した時間 | 動画の最後の5〜20秒 |
| 置ける数 | 1本に5枚まで | 16:9の動画で4つまで |
| 置けるもの | 動画、再生リスト、チャンネル、リンク | 動画、再生リスト、チャンネル登録、チャンネル、リンク |
| 向いている案内 | 話の流れに関連する動画 | 見終えた人が次に見る動画、チャンネル登録 |
カードは、動画の中で関連する話題に触れた時点に出すと、視聴者に案内の意図が伝わりやすくなります。 たとえば「詳しくは別の回で説明しています」と話す時点にカードを置くと、話を聞いた人がそのまま別の回へ進めます。
終了画面は、動画を最後まで見た人に、次の動画やチャンネル登録を案内するための機能です。 動画の最後の5〜20秒にしか表示されないので、エンディングには、要素を表示する時間と、画面内で要素を置く場所を確保しておきます。
1本の動画に、カードと終了画面の両方を使えます。 終了画面が出ている間は、カードのティーザーは表示されません。
パソコンでカードを追加する手順
カードは、パソコンのブラウザでYouTube Studioを開いて追加します(YouTubeヘルプの手順)。
- YouTube Studioにログインします。
- 左のメニューで[コンテンツ]を選び、カードを追加する動画を押します。
- 左のメニューで[エディタ]を選びます。
- [情報カード]を選び、追加するカードの種類(動画、再生リスト、チャンネル、リンク)を選んで、案内する動画などを指定します。
- 動画の下のタイムラインで、カードを出し始める時間を決めます。
- 必要に応じて、メッセージとティーザーの文を入れます(チャンネルのカードでは必ず入れます)。
- [保存]を押します。
終了画面を追加する手順は、YouTubeの終了画面の設定方法で画面とともに説明しています。
カードと終了画面を使う動画をNoLangで作る
カードと終了画面は、動画をアップロードした後に、YouTube Studioで追加します。 ただ、どの時点でどの動画を案内するかは、動画を作る段階で決めておくと、案内が話の流れに合います。 終了画面の要素を置く最後の5〜20秒も、動画の中に用意しておきます。
NoLangでは、作りたい動画の内容を入力すると、ナレーションの入った動画ができます。 下のテンプレートは、「ビジネスメールの書き方」シリーズの第3回として作った解説動画の例です。 本文を結論から組み立てる方法を説明する途中で、宛名を扱う第2回と、件名を扱う第1回に触れ、最後の20秒で次の第4回を案内します。
ビジネスメールの書き方 第3回|本文は「結論から」組み立てる
ビジネスメールの書き方シリーズの第3回として、本文を結論から組み立てる方法を説明する解説動画を作ってください。 途中で第2回と第1回に触れ、最後の20秒で次の第4回へつなげてください。
この動画に置くカードと終了画面
この動画をYouTubeにアップロードしたら、YouTube Studioで次のように設定します。
| 時間 | 置くもの | 案内する内容 |
|---|---|---|
| 0:48 | カード(動画) | 第2回「宛名と書き出しのあいさつ」 |
| 2:22 | カード(動画) | 第1回「件名だけで用件が伝わる書き方」 |
| 最後の20秒 | 終了画面 | 第4回の動画、シリーズの再生リスト、チャンネル登録 |
0:48は、ナレーションで「宛名とあいさつの書き方は、第2回で解説しています」と話す時点です。 2:22は、「件名の付け方は、第1回で解説しています」と話す時点です。 話の中で回の名前を出した時点にカードを出すと、視聴者は、どの回への案内かが分かったうえでカードを開けます。
最後の20秒は字幕を出さず、第4回の動画、再生リスト、チャンネル登録の要素を重ねる枠を描いた画面にしています。 枠の大きさと位置は、YouTube Studioで要素を置ける大きさと範囲に合わせています。 YouTube Studioの終了画面では、この枠に合わせて、動画の要素(第4回を指定)、再生リストの要素、チャンネル登録の要素を置きます。 要素を置ける範囲と大きさは、YouTubeの終了画面の設定方法で説明しています。
NoLangで作った動画は、NoLangからYouTubeへ直接投稿できます。 投稿の手順は、YouTubeに動画をアップロードする方法で説明しています。
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