「MV」はミュージックビデオ(Music Video)、「PV」はプロモーションビデオ(Promotion Video)の略です。 歌手やバンドの曲に映像をつけた作品については、MVとPVはほとんど同じものを指し、どちらの呼び方も使われています。 ただしPVは、曲に限らず、商品やサービス、アニメなどを宣伝する映像にも使われる、より広い意味を持つ言葉です。
この記事では、辞書の説明をもとにMVとPVの意味を確かめ、目的・主役・長さ・公開する場所の違いを表で整理します。 そのうえで、企業がPVを作るときの流れと、MVやPVで音楽を使うときに確かめる権利をまとめます。 後半では、NoLangで作った企業のPVの作例を、同じ構成で自社のPVを作れるテンプレートとして掲載しています。
MVとは:ミュージックビデオの略
MVは、英語のMusic Video(ミュージックビデオ)の頭文字をとった略語です。 デジタル大辞泉は、ミュージックビデオを「音楽に映像をつけて編集したもの。特に、ポピュラーソングの宣伝のために制作されるもの」と説明しています。
MVの主役は曲です。 曲に合わせて映像を組み立て、歌詞の内容や曲の雰囲気、アーティストの個性を、目と耳の両方から伝えます。 物語を演じるもの、歌ったり演奏したりする姿を見せるもの、歌詞を文字で見せるものなど、見せ方はさまざまです。 完成したMVは、アーティストやレコード会社の公式YouTubeチャンネルなどで公開され、曲を知ってもらう入り口になります。
PVとは:プロモーションビデオの略
PVは、英語のPromotion Video(プロモーションビデオ)の略語です。 デジタル大辞泉は、プロモーションビデオを「宣伝・販売促進用のビデオソフト。特に、宣伝用のミュージックビデオのこと」と説明しています。 精選版 日本国語大辞典の説明は「レコードの宣伝、販売促進のために制作された音楽ビデオ」です。 日本では、新しい曲のレコードやCDを売るための宣伝映像が、PVと呼ばれてきました。
一方で、プロモーションビデオという言葉そのものは「宣伝のための映像」という意味なので、曲以外の宣伝映像にも使われます。 企業が商品やサービス、会社そのものを紹介する映像をPVと呼ぶことがあるほか、アニメの公式サイトでは、放送前に公開する告知映像を「第1弾PV」「ティザーPV」のように表記しています。
MVとPVの違い
曲の映像に限れば、MVとPVはほとんど同じものを指します。 辞書でも、PVは「特に宣伝用のミュージックビデオ」と説明されていて、2つの言葉が指す範囲は重なっています。 PVとMVの違いがはっきり出るのは、PVを曲以外の宣伝映像に使うときです。 次の表は、典型的なMVと、企業などが宣伝のために作るPVを比べたものです。
| 項目 | MV(ミュージックビデオ) | PV(プロモーションビデオ) |
|---|---|---|
| 略す前の言葉 | Music Video | Promotion Video |
| 主な目的 | 曲を聴いてもらい、曲の世界観を伝える | 商品やサービス、作品、曲を知ってもらい、買う・見る・申し込むといった行動につなげる |
| 主役 | 曲 | 宣伝したいもの。音楽はBGMとして支え役になることが多い |
| 長さ | 1曲分が基本 | 決まりはなく、流す場所と伝える内容に合わせる |
| 映像で伝えること | 歌詞や曲の雰囲気、アーティストの個性 | 名前、特長、日付、申し込み先などの情報 |
| 主な公開場所 | アーティストやレコード会社の公式YouTubeチャンネル、公式サイト | 広告、SNS、自社のWebサイト、店頭やイベント会場の画面 |
| 使われる分野 | 音楽 | 音楽のほか、企業の商品やサービス、アニメなどの作品 |
MVでは曲が先にあり、映像は曲に合わせて作られます。 企業のPVでは伝えたいことが先にあり、場面も音楽も、それを伝えるために選びます。 同じ「音楽と映像」の組み合わせでも、何が主役かで作り方が変わります。
呼び方は「PV」から「MV」へ
宣伝のための音楽ビデオは、1970年代後半からアメリカで作られるようになり、1980年代には各社が凝った内容のものを制作するようになりました。 ブリタニカ国際大百科事典は、ミュージシャンのビデオを24時間流すアメリカのMTV(ミュージック・テレビジョン)で、その柱となっているのがプロモーション・ビデオだと説明しています。 日本でも、こうした音楽ビデオは新しい曲を売るための宣伝映像として扱われ、PVと呼ばれてきました。
その後、YouTubeなどで曲の映像が全編公開され、宣伝の素材というより一つの作品として見られるようになったことで、MVという呼び方が広がったと説明されることが多くあります。 ただ、呼び方を切り替える決まりがあるわけではなく、今も曲の映像をPVと呼ぶ人はいます。 辞書にはどちらの言葉も載っており、曲の映像をどちらで呼んでも意味は通じます。
「MV」「PV」のほかの意味
MVとPVは、音楽や映像とは関係のない分野でも使われる略語です。 調べものをするときは、どの意味で使われているかを文脈で見分けます。
| 略語 | 略す前の言葉 | 使われる分野と意味 |
|---|---|---|
| PV | Page View(ページビュー) | Webサイトの分析。ページが表示された回数の単位 |
| MV | Main Visual(メインビジュアル) | Webデザインや広告。Webサイトを開いて最初に目に入る、上部の大きな画像など |
デジタル大辞泉は、ページビューを「ウェブサイトの閲覧数の単位の一」と説明しています。 アクセス解析の資料に出てくる「月間〇万PV」は、この意味です。 検索するときは、「ミュージックビデオ」「メインビジュアル」「ページビュー」のように略す前の言葉で調べると、目的の情報にたどり着きやすくなります。
企業がPVを作るときの流れ
企業が商品やサービスを宣伝するために作るPVは、PR動画やプロモーション動画とも呼ばれます。 作るときは、次の順に決めていきます。
- 目的と見る人を決める。 誰に見せて、見終わった人に何をしてほしいか(商品を覚えてもらう、発売日を知ってもらう、サイトを見てもらうなど)を一文にします。
- 伝えることを絞る。 商品の名前と、いちばん伝えたい特長を決めます。短い動画に情報を詰め込むと、どれも印象に残りません。
- 流す場所と長さを決める。 SNSの広告、自社のWebサイト、店頭や展示会の画面など、流す場所によって、画面の向きや長さ、音を出して見てもらえるかが変わります。
- 構成と素材を用意する。 場面ごとに見せるものと画面の文字を書き出し、商品の写真やロゴ、資料などを集めます。
- 作って確かめる。 商品名や日付、価格などに誤りがないかを確認し、使った音楽や写真の権利も確かめてから公開します。
MVづくりのように曲から映像を考えるのではなく、伝えたいことから場面と音楽を選ぶのが、企業のPVの作り方です。 企画メモの書き方、目的と素材から見せ方を選ぶ方法、撮影する場合を含めた作り方の流れは、PR動画(プロモーション動画)の作り方で詳しく説明しています。
作例:NoLangで作った新商品の発売を告知するPV
ここからは、企業のPVの例として、架空のオーディオ機器ブランド「NAGI」が、新しい完全ワイヤレスイヤホン「NAGI ZERO」の発売を告知するPVを見ていきます。 ブランドも製品も、価格や発売日などの数字も、作例のために考えた架空のものです。 動画はNoLangで作り、同じ構成で自社の商品のPVを作れるテンプレートにしています。 横型16:9で約68秒、落ち着いた声のナレーションとBGMで進みます。
ワイヤレスイヤホンの発売告知PV
完全ワイヤレスイヤホン「NAGI ZERO」の発売を告知する、横型で1分ほどのPVを作ってください。 街の騒がしさから始めて、ノイズキャンセリングなどの特長を1つずつ見せ、最後は発売日と予約受付中で締めてください。
この作例は、次の7つの場面でできています。
| 場面と役割 | 画面 | ナレーション |
|---|---|---|
| 1 困りごとを見せる | 満員の電車、工事現場、混んだカフェを短く切り替える | 朝の電車。工事の音。カフェのざわめき。世界はいつも、少しだけうるさい。 |
| 2 製品につなぐ | 暗転のあと、耳にイヤホンを入れる | ひとつ、耳に入れるだけで。 |
| 3 名前を覚えてもらう | 製品の映像、商品名「NAGI ZERO」、キャッチコピー | 静けさを耳にまとう。新しい完全ワイヤレスイヤホン、ナギ ゼロ。 |
| 4 特長を伝える | 4つの特長を1つずつ、大きな数字で見せる | 騒音を打ち消す機能、11ミリのドライバー、再生時間、片耳4.6グラムの軽さを順に紹介 |
| 5 特長をたたみかける | 防滴、2台同時接続、ワイヤレス充電を短く続ける | 雨の日も。2台同時接続。ワイヤレス充電。 |
| 6 使う場面を思い浮かべてもらう | 朝の通勤、午後の仕事、夜にくつろぐ人 | 通勤の朝も、集中したい午後も、ひとりの夜も。いつでも、耳もとに凪を。 |
| 7 行動につなげる | 3色の製品、発売日と価格、予約受付中、ロゴ | カラーは、3色。ナギ ゼロ、11月20日、発売。ただいま、予約受付中です。 |
この作例の主役は、曲ではなく製品です。 音楽はBGMとして流れ、製品の名前、特長、発売日は、ナレーションと画面の文字で伝えています。 場面1で「騒がしい」という困りごとを見せてから製品を出し、場面7で「予約受付中」という次の行動で締めるのも、宣伝のための映像であるPVの組み立てです。 MVなら、曲を最初から最後まで聴かせることが先にあり、映像は曲の雰囲気や歌詞に合わせて組み立てます。
テンプレートを使うときは、商品名、特長、発売日などを自社の商品に置き換えて入力します。
MVやPVで音楽を使うときの権利
MVでもPVでも、映像に音楽を使うときは、その音楽の権利を確かめます。 JASRACとNexToneは、CDや音楽配信など市販されている音源には、次の3つの権利が含まれていると説明しています。
| 権利 | 権利を持つ人 | 許諾を得る先の例 |
|---|---|---|
| 著作権 | 作詞者・作曲者など | JASRACやNexToneなどの管理事業者、音楽出版社 |
| 実演家の権利(著作隣接権) | 歌手や演奏者 | レコード会社や所属事務所など |
| レコード製作者の権利(著作隣接権) | 音を最初に録音して原盤を作った人 | レコード会社など |
JASRACとNexToneが許諾するのは、作詞者・作曲者などの著作権だけです。 市販のCDや配信の音源をそのまま使う場合は、それとは別に、レコード会社など音源の権利者の許諾が要ります。 曲を編曲したり、替え歌にしたりする場合は、作詞者・作曲者の意向を確かめる必要があります。
企業のPVで既存の曲を使う場合は、さらに手続きが加わります。 JASRACは、動画の内容が「特定の企業・団体や商品、サービスを宣伝するもの」にあたる場合、あらかじめ「広告目的複製」の手続きが必要だと案内しています。 YouTubeのようにJASRACと利用許諾契約を結んでいる動画サービスでも、宣伝のための動画はこの手続きの対象で、使用料は権利者が指定する金額になります。 NexToneも、動画に特定の企業や商品を宣伝する内容が含まれる場合は「広告目的複製」の利用申請を求めています。
NoLangで動画を作る場合は、NoLangが用意しているBGMから選んで使えます。 作例のBGMも、その中から選んだものです。 提供元の名前などの表記が必要な素材の扱いと、使える曲かどうかの調べ方、配布されている音楽の利用規約で確かめる点は、動画の著作権の記事で詳しく説明しています。
会社でPVを作るとき
商品を知らせるより、会社やブランドの印象を伝えたい場合の動画の目的と作り方は、ブランディング動画の作り方で説明しています。
新商品の発売、展示会やイベントの告知、会社の紹介など、会社で作る宣伝の動画にもNoLangを使えます。 NoLangは、入力した文章や手元の写真・資料から、ナレーションや画像を含む動画を作ります。 会社での使い方はお問い合わせから相談でき、詳しい資料は下のボタンから請求できます。
資料をダウンロード