バイラル動画とは、見た人がSNSなどで共有し、人から人へ広がっていく動画のことです。 SNSで一気に話題になることを「バズる」と言い、バイラル動画は「バズる動画」「バズ動画」とも呼ばれます。
この記事では、バイラル動画の意味とバズる動画との違い、バズる動画に共通する特徴、SNSごとの違い、作り方の手順、企業が使うときの注意点を説明します。 特徴とSNSごとの違いは、多く共有されたコンテンツを調べた研究と、YouTube・TikTok・Instagram・Xが公開しているおすすめの仕組みの説明をもとにまとめました。 後半では、NoLangで作った縦型の作例と、そのテンプレートから題材や冒頭を変えて試作する手順を紹介します。
バイラル動画とは
「バイラル(viral)」は、英語で「ウイルス性の」という意味の言葉です。 デジタル大辞泉は、バイラルを「ウイルス性であること」「口コミによるもの」と説明しています(コトバンク「バイラル」)。 英語でも、インターネットで公開されたり人から人へ送られたりして、すぐに広く知られるようになったものを viral と言い、急に大きな人気が出ることを「go viral」と表現します(Cambridge Dictionary「viral」)。
バイラル動画は、見た人が友人に送ったり、自分のアカウントで紹介したりすることで広がります。 共有が重なるほど、投稿したアカウントをフォローしていない人にも届くようになります。
バズる動画・バズ動画との違い
「バズる」は、英語の buzz(ざわめき、うわさ話)を動詞にした言葉です(コトバンク「バズ」)。 デジタル大辞泉は「バズる」を、SNSを通じて多人数がうわさをしたり、意見や感想を述べ合ったりして「一挙に話題が広まること」と説明しています(コトバンク「バズる」)。
バイラル動画とバズる動画は、ふだんの会話ではほぼ同じ意味で使われます。 違いを挙げるなら、言葉が注目している点です。
| 言葉 | 元の英語の意味 | 言葉が注目している点 |
|---|---|---|
| バイラル動画 | viral(ウイルス性の) | 見た人の共有で、人から人へ広まっていく様子 |
| バズる動画 | buzz(ざわめき、うわさ話) | 多くの人が一度に話題にし、意見や感想を言い合っている状態 |
何回再生されたら「バズった」と言える?
何回再生されたら「バズった」と言えるかには、決まった基準はありません。 辞書の説明も「一挙に話題が広まる」「口コミによるもの」というもので、回数は決められていません。 同じ1万回の再生でも、ふだん100回ほど再生されるアカウントと、ふだんから10万回再生されるアカウントでは意味が違います。
自分の動画が広がったかどうかは、次の2つを見て判断します。
- ふだんの動画と比べて、再生数や共有の数がどれだけ多いか
- フォローしていない人に、どれだけ届いているか
たとえばTikTokの分析画面では、動画がおすすめフィード・プロフィール・検索のどこから見られたかを確かめられます(TikTok クリエイターアカデミー)。 各SNSの分析画面で見る数字は、作り方の手順6で紹介します。
バイラルマーケティングと動画広告の違い
商品やサービスを、口コミで人から人へ広めようとするマーケティングを「バイラルマーケティング」と言います。 デジタル大辞泉は「個人間の口コミを利用した宣伝手法」と説明し、評判がウイルス感染のように広がるさまから名付けられたとしています(コトバンク「バイラルマーケティング」)。
動画広告との違いは、届く範囲を誰が決めるかです。 動画広告は、広告費を払い、配信する相手や期間を決めて届けます。 バイラルマーケティングでは、広がるかどうかが見た人の共有にかかっているため、配信に広告費をかけずに多くの人へ届くことがある一方、どこまで届くかを決めることはできません。 同じページに載っている日本大百科全書(ニッポニカ)の解説も、どのくらいの人に伝わるかは「不確定な要素が多い」と書き、宣伝であることを隠すステルスマーケティングに陥る危険も指摘しています。
企業がバイラル動画を使うときに期待できることと、難しいことは次のとおりです。
- 期待できること:配信に広告費をかけずに、フォローしていない人にも届くことがあります。見た人の紹介として届くため、広告とは別の経路で知ってもらえます。
- 難しいこと:どこまで、いつ届くかを決められません。同じ作り方をしても毎回広がるとは限らず、批判が集まる投稿も同じように広がります。
批判につながる表現を公開前に確かめる方法は、後半の「企業がバイラル動画を使うときの注意」で説明します。
届けたい相手に確実に見せたいときは、動画広告を使います。 動画広告の種類や出し方は、動画広告とは?メリット・種類・媒体と効果の測り方で説明しています。
バズる動画に共通する7つの特徴
ここでは、多く共有された記事を調べた研究と、YouTube・TikTok・Instagramが公開しているおすすめの仕組みの説明をもとに、バズる動画に共通する特徴を7つにまとめました。 ただし、これらを満たせば再生数が伸びるとは限りません。 各SNSのおすすめは、見る人ごとの好みや行動に合わせて変わるためです。
1. 最初の数秒で、見る理由が伝わる
おすすめに表示された動画を、見る人は視聴するか、飛ばすかを選びます。 YouTubeは、ショート動画をおすすめに表示したあと、視聴を選択した視聴者の割合、平均視聴時間、平均視聴率を使って順位を決めると説明しています(YouTubeヘルプ「検索と見つけやすさのヒント - YouTube ショート」)。 Instagramも、クリエイター向けの解説で、最初の3秒で視聴者を引き込むことを勧めています(Instagram for Creators)。
冒頭の数秒で「何の動画か」「最後まで見ると何が分かるか」を伝えると、見続ける理由になります。 冒頭の型は、作り方の手順3で紹介します。
2. 気持ちが大きく動く
ジョナ・バーガー氏とキャサリン・ミルクマン氏は、ニューヨーク・タイムズに3か月間に掲載された約7,000本の記事を対象に、どんな記事が多く共有されるかを調べました(Berger & Milkman, 2012)。 全体としては、前向きな内容の記事のほうが、後ろ向きな内容の記事より多く共有されていました。 ただし、それだけでは決まらず、気持ちがどれだけ高ぶるかが関わっていました。
畏敬(圧倒されるような感動)のように気持ちが高ぶる前向きな感情や、怒り・不安のように気持ちが高ぶる後ろ向きな感情を呼び起こす記事は、多く共有されました。 一方、悲しみのように気持ちが沈む感情を呼び起こす記事は、共有されにくい結果でした。 この研究の対象は新聞の記事で、動画ではありません。 それでも動画を企画するときに、見た人の気持ちがどれだけ動くかを考える手がかりになります。
企業の動画では、怒りや不安をあおる表現は避けます。 共有されたとしても、批判が集まる炎上につながるおそれがあるためです。 公開前に確かめることは、後半の「企業がバイラル動画を使うときの注意」で説明します。
3. 誰かに教えたくなる
同じ研究では、驚きのある内容、興味をひく内容、実際に役に立つ内容も、多く共有されることと関係していました。 バーガー氏は2013年の著書『Contagious』で、人が話題にしたり共有したりする理由を、6つの頭文字をとって「STEPPS」とまとめています。 その中では、自分をよく見せられることを話題にする(Social Currency)、人の役に立つ情報を共有する(Practical Value)ことが挙げられています(Knowledge at Wharton)。
「知らなかった」と思える豆知識や、すぐに試せるコツは、見た人が友人に送る理由になります。 Instagramも、リールのおすすめで最も重要な予測の一つに、そのリールが再共有されるかを挙げています(Instagram「Instagram Ranking Explained」)。
4. まねしたり、参加したりできる
バーガー氏は、人は他の人がしていることが見えると、それをまねしやすいとも述べています(STEPPSの Public)。 同じお題に答えて自分の動画を投稿できる、同じ形式で撮れる、友人にバトンを回せるといった仕組みがあると、見た人が次の投稿者になります。 参加した人の投稿をその人のフォロワーが見ることで、元の動画を見ていない人にも広がります。 このあと紹介するアイス・バケツ・チャレンジは、この形で世界に広がった例です。
5. 伝えることが一つに絞られている
短い動画で伝えられることは限られます。 「この動画を見ると何が分かるか」を一文で言えるくらいに絞ると、冒頭で見る理由を示しやすくなり、見た人も人に紹介しやすくなります。 伝えたいことが3つあるなら、1本に詰め込まず、3本に分けて作ります。
6. 音を出さなくても内容が分かる
音を出せない場所にいる人や、音を消して見ている人にも伝わるように、話している内容や要点を字幕で画面に出します。 ただし、音を付けなくてよいわけではありません。 Instagramは、音のないリールや、画面の大半が文字のリールを、表示されにくくすると説明しています(Instagram「Instagram Ranking Explained」)。 字幕は要点に絞り、ナレーションやBGMも付けます。 字幕とテロップの入れ方は、テロップとは?字幕との違い、種類と使い分け、動画への入れ方で説明しています。
7. 自分で作った、オリジナルの動画である
話題の動画をまねしたくなっても、他人の動画をそのまま転載したり、少しだけ手を加えて投稿したりはしません。 Instagramは、他から流用してわずかな編集しか加えていない、オリジナルでないコンテンツを、おすすめに表示しない場合があると説明しています(Instagramヘルプ「Recommendations on Instagram」)。 TikTokも、新しい要素を加えていない、オリジナルでない素材や使い回した素材は、おすすめフィードの対象外になると定めています(TikTok コミュニティガイドライン「Integrity and Authenticity」)。
参考にするのは「冒頭で問いかけ、最後に答えを見せる」といった構成の型までにし、題材・映像・言葉は自分で用意します。 他人の動画や音楽を使うときの権利は、後半の「音楽・映像・人物の権利を確かめる」で説明します。
事例:特徴が表れた3つの動画
広く共有された動画のうち、公式の発表や公式チャンネルで内容を確かめられる3つを紹介します。 再生回数は、2026年10月12日に確認した数字です。
アイス・バケツ・チャレンジ(2014年):見た人が参加できる
2014年の夏、ALS(筋萎縮性側索硬化症)への関心を高めるために、頭から氷水をかぶる様子を撮影して投稿し、友人や家族にチャレンジを回す「アイス・バケツ・チャレンジ」が世界に広がりました。 米国のALS協会によると、世界で1,700万人以上が氷水をかぶり、ALSの団体に寄付しました(The ALS Association)。 日本ALS協会にも、このブームで約3,900万円の寄付が寄せられています(日本ALS協会「アイス・バケツ・チャレンジ(IBC)を振り返って」)。 見た人が同じことをして、次の人にチャレンジを回せる仕組みが、特徴4の「まねしたり、参加したりできる」にあたります。
資生堂「High School Girl? メーク女子高生のヒミツ」(2015年):予想を裏切る結末
資生堂が、メークの楽しさを若い人に伝えることを目的に制作し、2015年10月16日にYouTubeだけで公開した動画です。 女子高の教室を映したあと、教室に男子がいたことに気づいたかを問いかけ、生徒が全員男子だったことを明かします。 資生堂によると、公開から約1か月で再生回数は800万回を超えました(資生堂のニュースリリース)。 2026年10月12日時点の再生回数は約1,213万回です(YouTube)。 予想を裏切る結末で見た人を驚かせ(特徴2)、「誰かに教えたい」と思わせる(特徴3)構成です。
別府市「湯~園地」計画(2016年):見ることが参加になる約束
大分県別府市は、2016年11月21日に公式YouTubeチャンネルで「100万再生で本当にやります!別府市・湯~園地計画!」を公開しました。 遊園地と温泉を組み合わせた「湯~園地」を、動画の視聴回数が100万回に達したら実現すると約束した動画です(別府市公式チャンネル)。 2026年10月12日時点の再生回数は約602万回です。 計画は2017年に実現しました(別府市長のメッセージ「創」平成29年9月号)。 市長は、実現のための資金を税金ではなく寄付とクラウドファンディングで集めることを、動画を作る段階から決めていたと書いています(同 平成29年10月号)。 動画を見て共有すること自体が、計画の実現への参加になる仕組みが、特徴4にあたります。
SNSごとの違い:おすすめの仕組みと動画の形
YouTube・TikTok・Instagram・Xは、どれもフォローしていないアカウントの動画を「おすすめ」に表示します。 各SNSが公開している説明から、おすすめで重視していることと、動画の形の条件をまとめました。
| SNS | おすすめで重視されること | 動画の形と、知っておきたい条件 |
|---|---|---|
| YouTube(ショート) | 視聴を選択した視聴者の割合、平均視聴時間、平均視聴率。高評価と視聴後のアンケートで、視聴者が楽しんだかも確かめる | 正方形か縦長で、3分以内の動画がショートに分類される |
| TikTok | いいね・共有・コメントなどの反応と、長い動画を最後まで見たか。フォロワー数や、過去に人気の動画があったかは、直接の要素ではない(2020年の説明) | 新しい要素を加えていない、オリジナルでない素材や使い回した素材は、おすすめフィードの対象外 |
| Instagram(リール) | 再共有されるか、最後まで見られるか、いいねされるか、音声のページに進むか(2023年の説明) | 9:16の縦型を勧める。3分を超えるリールは新しい視聴者におすすめされない。低解像度、透かし入り、音なし、枠付き、画面の大半が文字、すでに投稿済みのリールは表示されにくい |
| X | いいね・リポスト・返信などの反応が起きる確率を予測して並べる(2023年の説明) | おすすめは平均して半分がフォローしていない人の投稿。その投稿は、フォローしている人が反応したものか、フォローしている人がフォローしているアカウントのものに限られる(2023年の説明) |
出典:YouTubeヘルプ「検索と見つけやすさのヒント - YouTube ショート」、YouTubeヘルプ「3 分間の YouTube ショートについて」、TikTok「How TikTok recommends videos #ForYou」、TikTok コミュニティガイドライン「Integrity and Authenticity」、Instagram「Instagram Ranking Explained」、Instagramヘルプ「Record a reel on Instagram」、Instagram for Creators、X Engineering「Twitter’s Recommendation Algorithm」
表から分かることは2つあります。
1つ目は、どのSNSも、見た人の反応をもとにほかの人へのおすすめを決めていることです。 最後まで見られたか、共有されたか、いいねされたかが、次に誰に届くかに関わります。 TikTokはフォロワー数を直接の要素にしないと説明しており、フォロワーが少ないアカウントの動画でも、見た人の反応しだいで広がることがあります。
2つ目は、動画の作りの条件です。 縦型で、音を付け、文字を詰め込まず、ほかのSNSのロゴ(透かし)や枠を入れない形は、Instagramのリールの条件として公式に書かれています。 同じ動画を複数のSNSに出すときは、この形で作っておくと、ほかのSNSにも出しやすくなります。
YouTubeのショート動画の作り方と投稿の手順はYouTubeショート動画の作り方、Instagramのリールはインスタのリールの作り方で説明しています。
バズる動画の作り方:6つの手順
7つの特徴を、企画から投稿後の見直しまでの6つの手順に落とし込みます。
1. 目的と、見てほしい人を決める
まず、動画で何を達成したいかを決めます。 商品を知ってもらう、アカウントをフォローしてもらう、サイトを訪れてもらうなど、目的によって作る動画と投稿後に見る数字が変わります。 再生数だけを目標にすると、商品やサービスに関心のない人にばかり届き、目的につながらないことがあります。
見てほしい人も決めておきます。 「誰が、どんなときに見て、誰に送りたくなるか」まで考えると、次の手順で共有される理由を決めやすくなります。 目的と数値目標の決め方は、動画マーケティングとは?メリット・事例・戦略の立て方・KPIで説明しています。
2. 共有される理由を一つ決める
7つの特徴のうち、この動画で中心にする理由を一つ選びます。 理由が決まったら、企画を一文にまとめておきます。
〇〇を使っている人が、知らずにやっている間違いに気づいて、
同じものを使う友人に送りたくなる動画
| 共有される理由 | 題材の例 | 企業のアカウントでの例 |
|---|---|---|
| 驚き(特徴2) | 予想を裏切る結末、ビフォーアフター | 製品が作られる工程の意外な場面 |
| 役に立つ(特徴3) | すぐ試せるコツ、間違えやすい言葉の正しい意味 | 製品の手入れのコツ、業界でよくある勘違い |
| 参加できる(特徴4) | クイズ、同じ形式で答えられるお題 | 自社の製品にちなんだお題やクイズ |
3. 冒頭の数秒を先に作る
冒頭は、見続けるかどうかが決まる場面です(特徴1)。 本題より先に冒頭を作り、最初の画面と一言で、何の動画か、見ると何が分かるかを伝えます。
| 型 | 冒頭の例 | 向いている内容 |
|---|---|---|
| 問いかける | 「この言葉、正しい意味で使えていますか?」 | クイズ、豆知識 |
| 結論から言う | 「〇〇は、△△するだけで長持ちします」 | コツ、手順 |
| 結果を先に見せる | 完成した料理や、片付いた部屋を最初に映す | 作り方、変化を見せる内容 |
| 思い込みを否定する | 「〇〇は△△だと思っていませんか?実は違います」 | よくある誤解 |
| 呼び止める | 「〇〇を使っている人、ちょっと待ってください」 | 注意してほしいこと、よくある失敗 |
冒頭で約束したことには、動画の中で必ず答えます。 YouTubeは、高評価と視聴後のアンケートで、視聴者がショート動画を楽しんだかを確かめていると説明しています。 冒頭で期待を持たせたまま答えを示さないと、見た人の満足につながりません。
4. 台本を短くまとめる
台本は「つかみ(冒頭)→本題→締め」の3つに分けて書きます。 本題では、手順2で決めた一つのことだけを伝えます。 締めでは答えやまとめを見せ、必要ならプロフィールやほかの動画を見てもらうなど、次の行動を一言で案内します。
長さに決まりはありませんが、YouTubeは3分以内の動画をショートに分類し、Instagramは3分を超えるリールを新しい視聴者におすすめしないと説明しています。 TikTokやInstagramは最後まで見られたかを重視しているため、伝えることを一つに絞り、必要な長さにします。 台本を声に出して読み、言わなくても伝わる部分を削ります。
5. 縦型・字幕・音で仕上げる
仕上げでは、次の4つを確かめます。
- 縦型(9:16)で作る。Instagramは9:16の縦型を勧め、YouTubeは縦長か正方形の動画をショートに分類します。
- 字幕で要点を見せる。画面の大半を文字で覆わないようにします。
- ナレーションやBGMなど、音を付ける。使う音楽の利用条件も確かめます。
- 枠や、ほかのSNSのロゴ(透かし)を入れない。解像度の高い動画で書き出します。
6. 投稿後に数字を見て、冒頭の型を比べる
投稿したら、各SNSの分析画面で、どこで見るのをやめられたか、最後まで見られたかを確かめます。 どのSNSの分析画面も、PCのブラウザで開けます。
| SNS | 分析画面 | 見る数字(画面の表示名) |
|---|---|---|
| YouTube | YouTube Studio のアナリティクス | 視聴者維持率、平均視聴時間、視聴を継続(ショート) |
| TikTok | TikTok Studio のインサイト | 継続率、平均視聴時間、動画を最後まで視聴、トラフィックソース |
| インサイト | 再生数、平均再生時間、リーチしたアカウント数、インタラクション(保存・シェアなど) | |
| X | 動画アクティビティ管理画面 | 保持率、再生率、完了率 |
出典:YouTubeヘルプ「視聴者維持率を左右する重要なシーンを測定する」、YouTubeヘルプ「YouTube 動画のリーチについて理解する」、TikTok クリエイターアカデミー、Instagramヘルプ「Instagramリール動画のインサイトを表示する」、X「ツイートアクティビティ管理画面と動画アクティビティ管理画面」
YouTubeの「視聴を継続」は、ショート動画を視聴した視聴者数と、スワイプして閉じた視聴者数の割合です。 冒頭で離れる人が多いなら冒頭を、途中で離れる人が多いならその場面を見直します。 TikTokのクリエイター向けの解説も、視聴者のほとんどが2秒で見るのをやめているなら、冒頭のつかみが欠けていないかを確かめるよう勧めています(TikTok クリエイターアカデミー)。
冒頭の型を比べるときは、同じ動画の冒頭だけを変えて何度も投稿するのではなく、同じ形式の動画で題材を変えながら、冒頭の型を変えて投稿します。 TikTokは、重複したコンテンツをおすすめしないと説明しているためです(TikTok「How TikTok recommends videos #ForYou」)。
- 長さ・構成・仕上げが同じ形式の動画を何本か用意し、冒頭を「問いかける」型と「結論から言う」型に分けます。
- 同じアカウントから、近い曜日と時間帯に投稿します。
- 型ごとに、冒頭で離れた人の割合と、最後まで見た人の割合を比べます。
- 差が小さいときは本数を増やして同じ比べ方を続け、結果がよかった型を次の動画の基本にします。
NoLangで、テンプレートから試作を作る
NoLangは、作りたい動画の内容を文章で入力すると、動画を作れるAIの動画生成サービスです。 お手本にする動画(参照動画)を指定して作ることもできるため、同じ形式で題材や冒頭を変えた試作を作れます。
下の作例は、意味を勘違いしやすい日本語を3問のクイズで問いかける、約60秒の縦型動画です。
勘違いしやすい日本語クイズ
意味を勘違いしやすい日本語を3問、クイズで問いかける縦型のショート動画にしてください。冒頭で「最後の問題は正解率13.1%」と予告し、各問の答えのあとに語源と正解率を見せてください。
冒頭で「全3問」と「最後の問題は正解率13.1%」を見せ、最後まで見る理由を最初に伝えています(特徴1)。 各問は、問いかけ、2つの選択肢、3・2・1のカウントダウン、正解、語源の絵と意味、正解率の順に進みます。 出題と選択肢は画面の文字で、解説は字幕で見せるため、音を出さなくても内容が分かります(特徴6)。 最後に3つの言葉の本来の意味を振り返り、「何問わかった?」とコメントを呼びかけて終わります。 正解率は、文化庁の「国語に関する世論調査」(令和7年度)で、辞書などで本来の意味とされてきた方を選んだ人の割合です(文化庁)。
この作例と同じ形式で、自分の題材の動画を作る手順です。
- 作例の「このテンプレートで作る」を押します。PCでは、NoLangのホーム画面でテンプレートのプレビューが開き、入力欄にこの動画が「参照動画」として付きます。縦横比も、お手本と同じ縦型(9:16)になります。
- 作りたい題材と、冒頭の一言を入力して送ります。
業界でよくある勘違いを3つ、クイズで問いかける縦型の動画にしてください。
冒頭は「その使い方、実は間違いかもしれません」で始めてください。
- できた動画を確認し、必要なら編集画面で字幕・ナレーション・BGMを直します。
- 冒頭の型を変えた版を作るときは、できた動画のページの下にある入力欄に、変えたいことを書いて送ります。入力欄にはその動画が「参照動画」として付いているため、それをお手本にした新しい動画を作れます。
同じ構成で、別の勘違いを題材にしてください。
冒頭は「〇〇の正しい意味、知っていますか?」という問いかけにしてください。
- 動画のページの「ダウンロード」から動画を保存し、各SNSに投稿します。
企業がバイラル動画を使うときの注意
広告であることを隠さない(ステルスマーケティング規制)
2023年10月1日から、広告であることを隠す「ステルスマーケティング」は、景品表示法の違反になりました(消費者庁)。 規制の対象は、商品やサービスを提供する事業者(広告主)です。 企業がインフルエンサーなどに依頼した投稿も、企業の広告として扱われます。 はっきり依頼していなくても、商品を無償で提供して投稿してもらう場合などは、やり取りの内容や提供の目的によって、企業の広告と判断されることがあります(消費者庁「ステルスマーケティングに関するQ&A」)。 違反すると、消費者庁から措置命令を受けることがあります。
広告であることは、「広告」「宣伝」「プロモーション」「PR」といった言葉や、「A社から商品の提供を受けて投稿している」といった文章で、はっきり示します(消費者庁の運用基準)。 動画では、冒頭に「広告」と出すだけでは、途中から見た人が見逃すおそれがあります。 消費者庁は、画面上に常に「広告」と表示するなど、動画全体を通して広告だと分かるようにしておくことが望ましいとしています。
企業が自社のSNSアカウントで投稿する動画は、企業の表示であることが明らかなため、規制の対象にならない例として挙げられています。 SNSのキャンペーンに応募するために、参加した人が自分の意思で決めた内容を投稿する場合も、企業の表示に当たらない例とされています。 一方、社員が個人のアカウントで自社の商品を紹介する場合は、社内での立場や投稿の目的によっては、企業の表示に当たることがあります。
各SNSにも、広告やタイアップであることを示す機能とルールがあります。
| SNS | 使う機能 | 見る人への表示 |
|---|---|---|
| YouTube | 動画の詳細で「有料プロモーション」をオンにする。有料のプロダクト プレースメントやおすすめ情報などを含む動画は、申告が必要 | 動画の冒頭10秒間、開示のメッセージが表示される |
| TikTok | 「商用コンテンツの公開」の設定を有効にする。ブランド・商品・サービスを宣伝する投稿は、有効にする必要がある | 「商用コンテンツ」のラベルが付く。ほかのブランドを宣伝するブランドコンテンツは「有償パートナーシップ」と表示される |
| ブランドコンテンツのラベルで、提携するブランドをタグ付けする。ブランドコンテンツは、ラベルを付ける必要がある | ブランドが承認すると、ラベルにブランドの名前が表示される | |
| X | 投稿の作成時に、有料パートナーシップ(Paid Partnership)の開示をオンにする。有料パートナーシップの投稿は、オンにする必要がある | 有料パートナーシップの投稿であることを示すラベルが付く |
出典:YouTubeヘルプ「有料プロダクト プレースメント、スポンサーシップ、おすすめ情報を追加する」、TikTok「商用コンテンツ開示設定について(クリエイター向け)」、TikTok「商用コンテンツ公開設定を有効にする方法」、Instagramヘルプ(ブランドコンテンツのラベル)、X「Paid Partnerships Policy」
各SNSのラベルは、それぞれのSNSのルールとして求められるものです。 景品表示法の面では、広告であることが表示内容の全体から分かるかどうかで判断されるため、動画の中や説明文でも広告だと分かるようにしておきます。
音楽・映像・人物の権利を確かめる
バズった動画をまねるときや、話題の音楽を使うときは、権利に注意します。 まねるのは構成の型までにし、題材・映像・言葉は自分で用意します(特徴7)。 動画の著作権の考え方と、音楽や素材を使うときの確かめ方は、YouTubeと動画の著作権で説明しています。
人物を映すときも注意が必要です。 肖像権は、法律に定めがなく、判例の積み重ねによって確立してきた権利です(文化庁「マンガでわかる著作物の利用」キーワード解説集)。 社員やお客様、街の人が映る動画を公開するときは、映る人の了解を得ておきます。
人の氏名や肖像を商品の広告として使うなど、専らその人の顧客を引きつける力を利用する目的で無断で使うと、パブリシティ権の侵害として違法になると最高裁は判断しています(最高裁判所 平成24年2月2日判決)。 生成AIで実在の人の顔や声に似せた動画を作るときも、本人の了解を得ておきます。 生成AIによる肖像や声の無断利用の考え方は、法務省の検討会が2026年8月に報告書(解釈の指針)としてまとめています(法務省「肖像、声等の無断利用による民事責任の在り方に関する検討会」)。
公開前に、炎上につながる表現がないか確かめる
特徴2で紹介した研究では、怒りや不安を呼び起こす記事も多く共有されていました。 総務省の情報通信白書も、SNSへの投稿をきっかけに投稿した本人や企業が非難を受ける「炎上」を取り上げ、SNSでは投稿が連鎖的に共有されて広い範囲に広がると説明しています(平成27年版 情報通信白書)。
令和元年版の情報通信白書は、炎上の書き込みに直接参加する人は、インターネット利用者の数パーセント以下のごく少数だという研究を紹介しています(令和元年版 情報通信白書)。 一方で、炎上をテレビのバラエティ番組で知った人が多いという調査も紹介し、マスメディアで報道されて知られたものが、またSNSで拡散されるという指摘も載せています(令和元年版 情報通信白書)。 書き込む人が少なくても、多くの人に知られることがあるため、公開前に次の点を確かめます。
| 確かめること | 見るポイント |
|---|---|
| 人をからかったり、決めつけたりしていないか | 性別・年齢・職業・地域・国籍などで、ひとくくりにした表現 |
| 不安をあおっていないか | 根拠なく「今すぐ」「危ない」と行動を急がせる表現 |
| 事実や数字に根拠があるか | 効果・性能・順位などの表現と、その根拠の資料 |
| 危険なまねを誘っていないか | 参加型の企画で、けがや周りの人への迷惑につながる行為 |
| 素材の権利者と、映っている人の了解を得ているか | 音楽・映像・画像の利用条件と、映っている人の了解 |
| 広告であることが分かるか | 依頼した投稿や、提供した商品を紹介してもらう投稿の表示 |
| 社外の人が見ても同じ意味に受け取れるか | 社内や一部の人にしか通じない冗談や言い回し |
制作に関わっていない人にも公開前に見てもらうと、作った人が気づかない受け取られ方に気づきやすくなります。
まとめ
- バイラル動画は、見た人の共有で人から人へ広がる動画です。「バズる」は多くの人が一挙に話題にする状態を指し、何回再生されたらバズったと言えるかの決まった基準はありません。
- バズる動画には、最初の数秒で見る理由が伝わる、気持ちが大きく動く、誰かに教えたくなる、参加できる、伝えることが一つ、音を出さなくても分かる、オリジナルである、という共通点があります。満たしても再生数が伸びるとは限りません。
- YouTube・TikTok・Instagram・Xのおすすめは、視聴を選んだか、最後まで見たか、共有したかなど、見た人の反応を使います。
- 作り方は、目的を決める、共有される理由を決める、冒頭を先に作る、台本を短くする、縦型・字幕・音で仕上げる、数字を見て冒頭の型を比べる、の順に進めます。
- 企業は、広告であることを隠さず、公開前に素材や出演者の権利を確かめ、炎上につながる表現がないかを点検します。
会社のSNSアカウントで発信を続けるなら、投稿する縦型の動画をNoLangで作る方法もあります。 介護業界向けの身元保証サービスを運営する株式会社パートクローズは、NoLangで作った動画を、YouTubeやTikTokなど4つのSNSで発信しています(導入事例)。 会社での使い方はお問い合わせから相談でき、詳しい資料は下のボタンから請求できます。
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