企業のYouTubeマーケティングは、自社のチャンネルで動画を公開して見込み客に見つけてもらい、問い合わせや購入、来店につなげる取り組みです。 始めるときには、何を目的にするか、どんな動画を作るか、動画から自社のサイトへどう案内するか、成果をどの数字で確かめるかを決めておく必要があります。
この記事では、YouTubeマーケティングの意味と、企業が使うメリットと注意点、進め方の6つの手順を説明します。 続けて、集客につなげる動画の作り分け、動画から自社サイトへの案内のしかた、成果の測り方、企業のチャンネルの事例を紹介します。 最後に、BtoB企業のチャンネルに載せる解説動画を、NoLangで作った例を紹介します。
YouTubeマーケティングとは
YouTubeマーケティングは、YouTubeで商品やサービスを知ってもらい、購入や問い合わせなどの成果につなげる取り組みです。 企業がYouTubeを使う方法には、主に次の3つがあります。
| 方法 | 内容 |
|---|---|
| 自社チャンネルの運用 | 自社のチャンネルで動画を公開し、検索やおすすめから見つけてもらう |
| YouTube広告 | 費用を払って、YouTubeに広告の動画を出す |
| クリエイターとのタイアップ | YouTubeで発信している人に、商品やサービスを取り上げた動画を作ってもらう |
この記事では、自社チャンネルの運用を扱います。 広告の種類と出し方はYouTube動画広告の種類と出し方、YouTube以外も含めた動画マーケティングの全体は動画マーケティングとはで説明しています。
YouTubeは、幅広い年代の人が使っているサービスです。 総務省の令和7年度の調査(13〜79歳の1,800人が対象、2025年12月に実施)では、YouTubeの利用率は全年代で81.5%でした。 年代別では、10代から40代がいずれも90%を超え、50代は84.9%、60代は72.6%、70代は48.5%でした(総務省「令和7年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」)。
動画が見つかる3つの経路
自社チャンネルの動画は、主に次の3つの経路で見つかります。
| 経路 | 仕組み | 企業がすること |
|---|---|---|
| YouTube検索 | 関連性、エンゲージメント、品質の3つを主に重視して並べる。関連性は、タイトル、タグ、説明、動画の内容が検索語にどれだけ一致するかなどから判断する | 見込み客が検索する言葉を決め、タイトル、説明、動画で話す内容をその言葉にそろえる |
| おすすめ(トップページと[次の動画]) | 視聴の履歴、高評価と低評価、登録チャンネル、満足度調査の回答などから、その人に合う動画を選ぶ | 見た人が満足する構成にし、続けて見たくなる動画を同じテーマで増やす |
| YouTubeの外 | 自社サイト、メール、SNSなどに置いたリンクや埋め込みから見られる | 製品のページや記事に動画を埋め込み、営業やサポートでも動画のリンクを送る |
検索の仕組みはYouTube ヘルプ「YouTube 検索の仕組み」、おすすめの仕組みはHow YouTube Works「YouTube のアルゴリズムに基づくおすすめ機能」で説明されています。 見込み客が検索する疑問に答え、見た人が満足する動画を作ることが、検索でもおすすめでも土台になります。
企業がYouTubeを使うメリットと注意点
メリット
- 探している人に、検索で届く。 YouTube検索は、タイトルや説明、動画の内容が検索語に合う動画を並べます。見込み客の疑問を題材にすれば、その疑問を検索した人に見つけてもらえます。
- 公開した動画を、あとから見つけてもらえる。 公開した動画は、削除しない限りチャンネルに残ります。公開から時間がたっても、同じ疑問を検索した人の検索結果や、おすすめに表示されることがあります。
- 文章では伝えにくいことを見せられる。 製品を操作する様子、使っている場面、店や働く人の雰囲気は、動画なら一度に見せられます。
- 1本の動画を、サイトや営業でも使える。 製品のページや記事に埋め込んだり、商談やメールでリンクを送ったりして、YouTubeの外でも同じ動画を使えます。
- 見られ方を数字で確かめられる。 YouTube アナリティクスで、動画ごとに、表示された回数、クリックされた割合、どこまで見られたか、どこから来たかが分かります。数字を見て、直す場所を絞れます。
注意点
- 始めてすぐに、検索の上位に出るとは限らない。 YouTube検索の順位には、その検索語で過去にエンゲージメントが高かった動画や、そのテーマで専門性、権威性、信頼性を備えたチャンネルかどうかも考慮されます(YouTube 検索の仕組み、検索結果に表示されない理由)。公開や更新が検索結果に反映されるまでに、数日かかることもあります。最初の数本の結果で判断せず、同じテーマの動画を増やしていきます。
- 作り続ける手間がかかる。 SaaS比較サイトのチャンネル「BOXIL CHANNEL」(スマートキャンプが2020年に開設)は、週2本を公開し続けるために、社員2名と非常勤の動画編集者2名のチームを作りました(2022年の取材記事)。担当者は、スライドや図解、字幕にこだわると、5分ほどの動画1本の編集に3〜5日以上かかることもある、と話しています。
- 公開した動画は、誰でも見られる。 動画に使う音楽、映像、写真、出演する人の権利を、公開の前に確かめます(YouTubeと動画の著作権)。タイトルやサムネイルも、YouTubeのポリシーに沿って作ります。
- 再生回数だけでは、成果が分からない。 再生回数が多くても、問い合わせや購入が増えているとは限りません。YouTubeの数字と、自社サイトの数字を分けて見ます。
YouTubeマーケティングの進め方:6つの手順
YouTubeマーケティングは、次の6つの手順で進めます。 表の右の列には、会議室予約システムを販売する会社が、資料請求を増やすためにチャンネルを始める場合の例を入れました。
| 手順 | 決めること | 決まった状態の例 |
|---|---|---|
| 1. 目的と成果の数字 | 何のためにYouTubeを使うか。何が増えたら成功か | 目的は資料請求を増やすこと。成果の数字は、YouTubeから来た人の資料請求の件数 |
| 2. 見てほしい人と検索語 | 誰に見てほしいか。その人が何を検索するか | 会議室の運用に困っている総務の担当者。「会議室 空予約」「会議室 予約 ルール」などの検索語 |
| 3. チャンネルと権限 | どのチャンネルで、誰が運営するか | 会社のチャンネルを作り、担当者2人に管理者と編集者の権限を付ける |
| 4. シリーズと本数 | 毎回同じ型で作るシリーズと、無理なく作れる本数 | 「会議室の困りごと解決」のシリーズを、2週間に1本 |
| 5. 投稿の設定 | タイトル、説明、サムネイル、再生リスト | タイトルに検索語を入れ、説明の最初の数行に資料請求のリンクを置く |
| 6. 数字の見直し | どの数字を、いつ見て、何を直すか | 月に1回、インプレッションのクリック率、視聴者維持率、資料請求の件数を見る |
1. 目的を一つに絞り、成果の数字を決める
最初に、YouTubeを何のために使うかを決めます。 企業の目的には、次のようなものがあります。
- 資料請求や問い合わせを増やす
- 店への来店や、オンラインストアでの購入を増やす
- 採用の応募を増やす
- 製品を使っている顧客からの、使い方の問い合わせを減らす
- 会社や製品を知ってもらう
目的は、最初は一つに絞ります。 BOXIL CHANNELは、リード獲得とサービス認知の2つを目的にしていました。 担当者は、2つは進め方が違うので「目的は1つに絞ったほうがよかったかもしれません」と振り返り、まずリード獲得に絞って動画のテーマを考え、達成してから認知に役立つ動画を作るほうが、気持ちのうえで楽だっただろう、と話しています。
目的が決まったら、何が増えれば成功かを、数えられる数字で決めます。 資料請求や購入の件数のように、成果の数字の多くは自社のサイトで生まれます。 YouTubeの数字だけでなく、サイトの数字も測れるように準備しておきます。 たとえば、資料請求の完了をGA4のキーイベントとしてマークし、動画から案内するリンクに印(UTMパラメータ)を付けます(後の「成果の測り方」で説明します)。
2. 見てほしい人と、その人が検索する言葉を決める
次に、誰に見てほしいかを決め、その人がYouTubeで何を検索するかを考えます。 検索語の候補は、社内にある次のものから集められます。
- 営業やサポートの窓口によく来る質問
- 自社サイトの記事のうち、問い合わせや資料請求につながっている記事の検索語
- 商談や展示会で、見込み客が最初に聞くこと
BOXIL CHANNELは、自社のメディアで成果(コンバージョン)が出ている記事の検索キーワードを最優先にして、動画のテーマを決めていました。 その次が、業界のニュースや時事、基礎用語の解説、ビジネスパーソン全体に向けた大きなテーマの順です。 面白そうでも、自社のサービスと関係しないテーマは扱わない、というルールも設けていました。
決めた検索語は、タイトル、説明、動画の中で話す内容にそろえて使います。 YouTubeのヘルプも、動画を表す1〜2語の主なキーワードを決めて、タイトルと説明の両方で使うことを勧めています(動画の説明に関するヒント)。
3. チャンネルを用意し、運営する人に権限を付ける
会社のチャンネルを用意します。 複数の人で運営するときは、パスワードを共有せずに、YouTube Studioの[設定]→[権限]から、一人ひとりのGoogleアカウントに役割(管理者、編集者、閲覧者など)を割り当てます。 YouTubeのヘルプは、この方法はパスワードなどのログイン情報を共有するより安全だと説明しています(YouTube ヘルプ)。 チャンネルの作り方と、一緒に運営する人の追加のしかたは、YouTubeのアカウント作成とチャンネルの作り方で説明しています。
4. 続けられるシリーズと本数を決める
動画は、1本ずつ別の企画を考えるより、シリーズを決めて作る方が続けやすくなります。 シリーズは、毎回同じ構成、長さ、見た目で、題材だけを変えて作る動画のまとまりです。 たとえば「会議室の困りごと解決」のシリーズなら、毎回「困りごとの場面→この動画で分かること→対策を1つずつ→おさらい→次の一歩」の順で、2〜3分にまとめます。 同じシリーズの動画を再生リストにまとめておくと、1本を見た人が次の動画に進めます。
本数と頻度は、作れる体制から決めます。 BOXIL CHANNELの担当者は、定期的に動画を公開するなら、専任の担当者として社員1人分の時間は確保した方がよい、と話しています。 また、社員が出演すると、異動や退職のときに続けにくくなることを考えて、アニメーションの動画にした、とも話しています。
| 体制 | 向いている場合 | 決めておくこと |
|---|---|---|
| 社内で作る | 製品や業務に詳しい社員が、企画から話す内容まで決められる | 担当者が1週間に使える時間と、公開前に確認する人 |
| 外部に頼む | 撮影や編集に社内の人を割けない | 企画と台本をどちらが作るか、修正の回数、納期 |
| 組み合わせる | 企画と台本は社内で作り、撮影や編集を外部に頼む | 台本の渡し方と、公開までの日程 |
YouTube動画を企画から投稿前の確認まで作る手順はYouTube動画の作り方、解説動画の作り方は解説動画の作り方、台本の書き方は動画の構成案テンプレートで説明しています。
5. 投稿するときに、タイトル・説明・サムネイル・再生リストを整える
動画を公開するときは、次の4つを整えます。
| 項目 | 整えること |
|---|---|
| タイトル | 決めた検索語を入れ、何が分かる動画かを短く伝える |
| 説明 | 最初の数行に、動画で分かることと、案内したいページのリンクを書く |
| サムネイル | 動画の内容と合う画面と文字にする |
| 再生リスト | シリーズごとにまとめる |
説明の最初の数行は、視聴者が[もっと見る]を押す前から表示されるので、大事なことはここに書きます(動画の説明に関するヒント)。 説明に書いたURLをクリックできるリンクにするための条件は、後の「動画から自社サイトや問い合わせへ導く方法」で説明します。 内容と違うことを思わせるタイトルやサムネイルで動画をクリックさせることは、YouTubeのスパムに関するポリシーで禁止されています。 動画に含まれていないものを見られると思わせるサムネイルも、サムネイルに関するポリシーで禁止されています。 自分で用意した画像をサムネイルにするには、電話番号によるアカウントの確認が必要です(YouTube クリエイター向け機能のご利用について)。
投稿の手順と各項目の設定は、YouTubeに動画をアップロードする方法で説明しています。
6. 数字を見て、直す場所を決める
公開したら、決めた間隔で数字を見て、次に直す場所を一つずつ決めます。 見る数字と直す場所は、後の「成果の測り方」で説明します。
集客につなげる動画:見る人の段階ごとに作り分ける
見込み客は、課題に気づいてから製品を選ぶまでに、調べることが変わっていきます。 段階ごとに、どんな動画で答えるかと、見終わった後に何を促すかを決めておきます。 次の表は、会議室予約システムの会社の例です。
| 見る人の段階 | 動画の種類 | 動画の例 | 見終わった後に促すこと |
|---|---|---|---|
| 課題を調べている | ノウハウの解説 | 会議室の空予約を減らすコツ | 同じシリーズの次の動画、運用のコツをまとめた資料 |
| 解決の方法を比べている | 製品の紹介、使い方の実演 | 予約から利用の確認までを、製品の画面で見せる | 製品のページ、資料請求 |
| 導入を決める直前 | 導入事例、よくある質問への回答 | 導入した会社の担当者の話、導入までの流れ | 問い合わせ、商談の予約 |
| 使い始めた後 | 使い方の解説、新しい機能の紹介 | 管理者の初期設定、会議室の登録のしかた | ヘルプのページ、次の使い方の動画 |
| 入社を考えている | 採用 | 社員の1日、職場の紹介 | 採用のページ |
BtoBの企業では、最初のシリーズを、課題を調べている人に向けたノウハウの解説にする方法があります。 後の事例で紹介する「Diggle 予実管理チャンネル」も、予実管理を任された担当者に向けて、予実管理の知識を解説しています。
製品やサービスを紹介する動画は商品紹介動画の作り方とサービス紹介動画とは、採用の動画は採用動画とはで、作り方を説明しています。
ショート動画の役割
YouTubeショートは、最長3分の、縦長か正方形の動画です。 2024年10月15日以降にアップロードした動画は、縦長か正方形で3分以内なら、ショートに分類されます(3 分間の YouTube ショートについて)。 通常の動画として公開したいときは、16:9のような横長の比率にします。
ショートの説明やコメントに書いたURLは、クリックできません。 ショートには、関連動画として通常の動画を設定できます。 ショートで興味を持った人を関連動画で通常の動画へ案内し、通常の動画の説明から自社サイトへ案内する、という分担ができます。 ショートの作り方はYouTubeショート動画の作り方で説明しています。
動画から自社サイトや問い合わせへ導く方法
動画から自社サイトへ案内できる場所は、いくつかあります。 場所ごとに使える条件が違うので、チャンネルの状態に合わせて選びます。
| 場所 | できること | 使える条件 |
|---|---|---|
| 動画の説明 | 自社サイトのURLを書き、クリックできるリンクにする | 通常の動画であること。チャンネルで上級者向け機能が使えること |
| チャンネルのプロフィールのリンク | チャンネルのページに、自社サイトなどのリンクを表示する | 最大14件 |
| 終了画面 | 動画の最後の5〜20秒に、ほかの動画、再生リスト、チャンネル登録のボタンなどを置く | 25秒以上の動画。外部サイトへのリンクを置けるのは、YouTube パートナー プログラムに参加しているチャンネル |
| 情報カード | 動画の途中に、ほかの動画、再生リスト、チャンネルのカードを出す | 1本に最大5枚。外部サイトへのリンクを置けるのは、YouTube パートナー プログラムに参加しているチャンネル |
| ショートの関連動画 | ショートから、通常の動画へ案内する | 上級者向け機能が使えること |
| 動画の中の呼びかけ | ナレーションや字幕で、説明のリンクや次の動画を案内する | なし |
条件は、YouTube ヘルプの視聴者とリンクを共有する、動画に終了画面を追加する、動画に情報カードを追加するの説明によります。
チャンネルを始めたばかりのうちは、条件のないプロフィールのリンクと、動画の中の呼びかけ、終了画面の次の動画で案内します。 説明に書いたURLをクリックできるリンクにするには、上級者向け機能を使えるようにします。 上級者向け機能は、活動を続けて十分なチャンネルの履歴が積み重なると、自動で承認される可能性が高くなります。 すぐに使いたいときは、身分証明書や動画による本人確認をする方法もあります(使えるかどうかはチャンネルによります)。 使える機能は、YouTube Studioの[設定]→[チャンネル]→[機能の利用資格]で確かめられます(YouTube クリエイター向け機能のご利用について)。
終了画面と情報カードで外部サイトへリンクできるのは、YouTube パートナー プログラム(YPP)に参加してからです。 YPPに参加するには、チャンネル登録者が1,000人以上で、直近12か月の総再生時間が4,000時間以上か、直近90日のショートの視聴回数が1,000万回以上であることなどが必要です(YouTube パートナー プログラムの概要と利用資格)。 収益化の条件は、YouTubeの収益化の条件と申請の流れで詳しく説明しています。
説明の書き方の例
説明の最初の数行には、動画で分かることと、次に見てほしいページのリンクを書きます。 会議室予約システムの会社の動画なら、次のようになります。
会議室の空予約を減らす5つのコツを紹介します。
会議室の運用ルールをまとめた資料は、こちらからダウンロードできます。
https://www.example.com/download/meeting-room?utm_source=youtube&utm_medium=video&utm_campaign=meeting-room-tips
シリーズ「会議室の困りごと解決」は、2週間に1本公開しています。
リンクの「?utm_source=」から後ろは、サイトに来た人を測るための印です(次の「成果の測り方」で説明します)。
自社サイトに動画を埋め込む
反対に、自社サイトの製品のページや記事に、YouTubeの動画を埋め込むこともできます。 パソコンで動画を開いて[共有]→[埋め込む]を押し、表示されたHTMLのコードを、サイトのHTMLに貼り付けます(動画と再生リストを埋め込む)。 サイトを読んでいる人にも、動画で説明を届けられます。
成果の測り方:YouTubeの数字と、サイトの数字を分けて見る
成果は、2か所で測ります。 動画がどれだけ見つけられ、再生されたかはYouTube アナリティクスで、動画から自社サイトに来た人が何をしたかはGoogle アナリティクス 4(GA4)などのサイトの分析ツールで見ます。
YouTube アナリティクスで見る数字
YouTube Studioの左のメニューの[アナリティクス]で、チャンネル全体の数字を見られます。 動画ごとの数字は、[コンテンツ]で動画のアナリティクスのアイコンを選んで開きます(YouTube アナリティクスの利用を開始する)。
| 指標 | 意味(YouTube ヘルプの説明から) | 見る場所 |
|---|---|---|
| インプレッション | サムネイルが視聴者に表示された回数。サムネイルの50%以上が1秒以上画面に表示されると数える | 動画の[リーチ] |
| インプレッションのクリック率 | サムネイルが表示された後に、動画が見られた割合。外部のサイトや終了画面での表示など、数えない表示もある | 動画の[リーチ] |
| 視聴回数 | 動画の再生が始まった回数 | [概要] |
| ユニーク視聴者数 | 期間内に動画を見た人の推定の数 | 動画の[リーチ]、[視聴者] |
| 平均視聴時間 | 視聴者が動画を見た時間の平均 | 動画の[エンゲージメント] |
| 視聴者維持率 | 動画の場面ごとに、視聴者の注目をどれだけ集めていたか | 動画の[概要]、[エンゲージメント] |
| トラフィックソース | 視聴者が動画を見つけた経路(YouTube検索、関連動画、外部のサイトなど) | 動画の[リーチ] |
| YouTube検索の語句 | 視聴者が動画を見つけたときに使った検索語 | 動画の[リーチ] |
| チャンネル登録者数 | チャンネルに登録している視聴者の数 | [概要]、[視聴者] |
サイトに来た人を測る:リンクにUTMパラメータを付ける
説明やプロフィールに置く自社サイトのリンクには、UTMパラメータを付けます。 UTMパラメータは、URLの末尾に付ける「どこから来たか」の印です。 リンクを押した人がサイトに来ると、パラメータの値がGA4に送られ、レポートで分けて見られます。 utm_source、utm_medium、utm_campaign の3つは、どのような場合でも付けます(Google アナリティクス ヘルプ「URL 生成ツール」)。
| パラメータ | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| utm_source | 参照元。どこから来たか | youtube |
| utm_medium | メディア。どの種類の経路か | video |
| utm_campaign | キャンペーン。どの施策か | meeting-room-tips(シリーズの名前) |
https://www.example.com/download/meeting-room?utm_source=youtube&utm_medium=video&utm_campaign=meeting-room-tips
YouTubeからのリンクには、いつも同じutm_sourceを使います。 値は大文字と小文字が区別されるので、表記をそろえておきます。
GA4では、[レポート]→[集客]→[トラフィック獲得]を開きます(Google アナリティクス ヘルプ「トラフィック獲得レポート」)。 表のディメンションを「セッション キャンペーン」や「セッション参照元またはメディア」に切り替えると、YouTubeから来たセッションの数が分かります。 資料請求の完了などをキーイベントとしてマークしておくと、YouTubeから来た人のキーイベントの数も、同じ表で見られます。
目的ごとに見る数字
目的ごとに、YouTubeとサイトで見る数字の組み合わせを決めておきます。 動画の目的からKPIを決める考え方は、動画マーケティングとはで説明しています。
| 目的 | YouTubeで見る数字 | サイトや事業で見る数字 |
|---|---|---|
| 資料請求・問い合わせを増やす | YouTube検索からの視聴回数、視聴者維持率 | YouTubeから来たセッションと、資料請求・問い合わせの件数 |
| 来店・購入を増やす | インプレッション、視聴回数 | YouTubeから来た人の購入の件数、来店した人へのアンケート |
| 採用の応募を増やす | 採用の動画の視聴回数、平均視聴時間 | 採用のページへのセッション、応募の件数 |
| 使い方の問い合わせを減らす | 使い方の動画の視聴回数、YouTube検索の語句 | 同じ内容の問い合わせの件数 |
| 会社や製品を知ってもらう | インプレッション、ユニーク視聴者数 | アンケートの「知ったきっかけ」 |
BOXIL CHANNELは、サービスの認知を、「サービスを知ったきっかけは?」という質問を入れたユーザーアンケートやブランド浸透度調査で、定期的に確かめていました。
数字が低いときに見直す場所
| 低い数字 | 見直す場所 |
|---|---|
| インプレッションのクリック率 | タイトルとサムネイル。何が分かる動画かが一目で伝わるか |
| 視聴者維持率(冒頭で下がる) | 最初の数秒。タイトルで伝えた内容に、すぐ入っているか |
| YouTube検索からの視聴回数 | タイトルと説明の言葉。見てほしい人が検索する言葉と合っているか |
| サイトへのセッション | 説明のリンクと動画の中の呼びかけ。リンクがクリックできる状態か、目に留まる位置で案内しているか |
動画の[リーチ]にあるYouTube検索の語句のレポートには、視聴者が動画を見つけたときによく使った検索語が出ます。 説明に入っていない言葉があれば、説明に加えると、見つけてもらいやすくなります(動画の説明に関するヒント)。 一度に直す箇所を一つに絞ると、どの変更が数字に表れたかを確かめやすくなります。
企業のYouTubeチャンネルの事例
企業の発表や運営に携わる社員の記事、チャンネルの説明から、目的や作り方が分かるチャンネルを4つ紹介します。 説明の内容は、それぞれの出典が公開された時点のものです。
| チャンネル(運営) | 発信していること | 目的・作り方(出典) |
|---|---|---|
| 有隣堂しか知らない世界(有隣堂) | 本や文房具などの「世界」を、スタッフやゲストが紹介する番組。毎週火曜に更新 | 目的は「有隣堂のファンづくり」。2020年2月に配信を始め、3か月のテスト期間を経て、同年6月に今の番組の形に作り直した。外部のクリエイターを制作のプロデューサーに迎え、スタッフが自ら出演する(2024年8月のプレスリリース) |
| 楽待 RAKUMACHI(楽待) | 不動産や不動産投資、経済の情報 | マス広告で効果を実感できなかった経験から、「広告料がかからない」「自分たちで自由に制作が出来る」YouTubeに目を付け、2017年から本格的に投稿を始めた。記者だった社員2名が映像制作の担当になり、基本的に社員が企画・撮影・編集をしている(2024年7月の同社のストーリー) |
| Diggle 予実管理チャンネル(ディグル) | 予実管理の考え方や用語、エクセルでの予実管理の解説 | 2024年8月に開設。「予実管理ならDIGGLE」という第一想起を獲得できる可能性を感じて始めた。最近予実管理を任された担当者が、スキマ時間で予実管理の知識を学べるチャンネルにしている。社内のメンバーが出演し、企画と撮影は自社で行い、編集は業務委託の編集者に頼んで、毎月2本を公開する(運営に携わる社員のnote、2024年12月) |
| サイボウズ Office(サイボウズ) | 製品の概要、基本的な使い方、導入事例 | 製品のチャンネルのほかに、お客様やパートナーに役立つ情報を発信するサイボウズビジネスチャンネルと、採用のチャンネルを運営している(各チャンネルの説明) |
4つのチャンネルは、発信する内容も作り方も違いますが、誰に何を届けるチャンネルかを説明している点が共通しています。 有隣堂は、店のファンを増やすために、配信する動画を「商売気を抜きにしたエンターテイメント性重視のコンテンツ」にしています。 楽待は、不動産投資をする人を支援するために、不動産の情報やノウハウに加えて、動画でないと伝わらない不動産のドキュメンタリーも発信してきました。 Diggleは、見てほしい人と、その人の困りごと、届け方を、「だれの・なにを・どのように」の形で決めています。 サイボウズは、製品を使う人、お客様やパートナー、入社を考えている人と、見る人ごとにチャンネルを分けています。
動画を作り続けるには:シリーズの型を決めて、NoLangで作る
続けるための工夫
動画を続けるには、手順4で決めたシリーズの型に、毎回の題材と中身を入れていきます。 題材と台本の元になるのは、営業の資料、製品の説明資料、よくある質問、自社サイトの記事など、手元にある資料です。 BOXIL CHANNELの担当者も、オウンドメディアを運用している企業には記事という元ネタがあり、記事を動画にする方法なら始めやすい、と話しています。 横型で作った通常の動画の要点を縦型のショートにして、関連動画で通常の動画へ案内することもできます。
型は同じでも、毎回の題材と中身は変えます。 AIなどのツールを使って、内容が重複する動画を大量に投稿することは、YouTubeのスパムに関するポリシーで禁止されています。
NoLangでシリーズの動画を作る
NoLangでは、作りたい動画の内容を入力すると、ナレーションと字幕の入った動画ができます。 シリーズの動画づくりには、次の機能が使えます。
| 機能 | できること |
|---|---|
| 資料の添付 | PDFやPowerPoint(PPTX)の資料を添付して、その内容から動画を作る |
| 比率の選択 | YouTubeの通常の動画に向く横型(16:9)、ショートに向く縦型(9:16)などから選ぶ |
| お手本(参照動画) | テンプレートや自分で作った動画をお手本にして、同じフォーマットのまま内容だけを変えて作る |
| YouTubeへの投稿 | 完成した動画のページの[投稿]から、タイトル、説明、公開設定を入れてYouTubeに投稿する。予約投稿もできる |
資料から動画を作る方法はPDFを動画にするAIと資料を動画にするAI、NoLangからYouTubeへの投稿はYouTubeに動画をアップロードする方法で紹介しています。
作例:会議室予約システムの会社のノウハウ解説動画
この記事の手順で例にした会議室予約システムの会社を題材に、総務担当者向けの解説動画をNoLangで作りました。 会議室の空予約(予約だけが入って使われない枠)を減らす5つのコツを、横型で約2分20秒にまとめています。
会議室の空予約を減らす5つのコツ
会議室予約システムの会社のYouTubeチャンネルに載せる、総務担当者向けの横型の解説動画を作ってください。 会議室の空予約を減らす5つのコツ(数字で見える化、定例予約の終了日、予約のルール、リマインド、チェックインと自動キャンセル)を紹介してください。
「集客につなげる動画」の表でいう、課題を調べている人に向けたノウハウの解説です。 次の順で組み立てています。
| 場面 | 画面とナレーション | 集客の手順との対応 |
|---|---|---|
| 冒頭 | 予約表は満室なのに、会議室をのぞくと誰もいない。これが「空予約」だと伝える | 見てほしい人(総務の担当者)の困りごとから始める |
| 予告 | 総務担当者向けに、空予約を減らす5つのコツを紹介すると伝える | タイトルと同じ言葉(空予約)で、何が分かる動画かを最初に伝える |
| コツ1〜5 | 数字で見える化、定例予約の終了日、「とりあえず予約」を防ぐルール、リマインド、チェックインと自動キャンセルを、同じ形で1つずつ説明する | シリーズの型(毎回同じ構成で、題材を変える) |
| おさらい | 5つのコツを一覧で振り返る | 見た人が要点を持ち帰れるようにする |
| 次の一歩 | 来週の1週間、空予約の数を数えてみるよう呼びかける | 見終わった後に促すこと |
| 締め | 予約表の「満室」を、本物の満室にと結ぶ | 冒頭の場面に戻って終える |
動画の中では製品を売り込まず、最後に視聴者がすぐできる次の一歩を伝えています。 資料請求への案内は、「説明の書き方の例」のように、説明に書いたリンクで行います。
自分の会社で作るときは、上の「このテンプレートで作る」を押します。 NoLangのホームが開き、このテンプレートがお手本(参照動画)としてセットされた状態になります。 入力欄に、自社の製品と見てほしい人、取り上げる困りごとと紹介したいコツを書いて、動画を生成します。
まとめ
YouTubeマーケティングは、目的を一つに決め、見てほしい人が検索する疑問に答える動画を、続けられる型で公開していく取り組みです。 動画の説明やプロフィールのリンクで自社サイトへ案内し、YouTube アナリティクスとGA4の2か所で数字を見て、直す場所を一つずつ決めます。 まずは目的と成果の数字を一つ決めて、最初のシリーズの1本を作るところから始めてください。